ワイヤレスジャパン2010のウィルコムブースは、業務用PDAや、M2Mテレメトリングモジュールといった、PHSの長所を生かした法人向けのソリューションに特化した展示が中心となっている。また現在運用中の、ホンダのカーナビ連携端末も展示されていた。
ウィルコムブース。ブースの入り口付近にウィルコムのカーナビゲーション用モジュールを搭載したホンダのCR-Zが展示されていた
今年のウィルコムブースでの展示は、法人向けの端末やソリューションが多く、通信速度は遅いながらも低コストで運用できるPHSの長所を生かした機器などを見ることができる。
コンビニエンスストアや商業施設などに設置されているイーネットのATMにセットされている「ガイダンスフォン」は、電話線を引いているのではなく、PHSを採用している。PHS内部モジュール
飲料の自動販売機に搭載されているテレメトリング端末。売り上げ状況や在庫の情報をPHSで送る。右はテレメトリング契約の料金の例。パケット通信だけでなく、PIAFS通信にも対応している
また、法人向けの端末なども展示されている。
写真はレンタサイクルのサドルなどにセットして現在の位置や貸し出し状況を把握できる「One-Tag」。また現在運用されているSOSボタンのデモもあった。ボタンを押すと登録した電話番号や契約した警備会社に連絡ができる。このデモではボタンを押すと奥にある音声端末と通話が出来るようになっていた
貴重品などの配送状況を、モジュールを搭載したケースで追跡できる、佐川急便の飛脚セキュリティ便もPHSを採用。右が飛脚セキュリティ便用のPHSモジュール搭載ケース、位置情報を発信する
左はウィルコムのデータカードを挿して利用するハンディターミナル端末「TOUGHPRO」(タフプロ)。中央はW-SIMに対応したハンディターミナル+スマートフォンの「RZ-H220」(シャープ製)とWindowsCEを搭載したバーコードリーダー付き業務用PDA「PiT」(シーエスイー製)。PiTは3Gモジュールを搭載しておりブラウジングも可能となっている。また本体の電源の入切とバーコードリーダーで使う以外のボタンはなく、操作はすべてタッチパネルにて行う。ちなみにモニターの右にあるのはICカードポート
ウィルコムブースではこの他にもテレメトリングモジュールの展示や業務用の位置発信モジュール、ICカードに対応したデジタルサイネージなどの展示がされていた。
展示されているエイビット製のデジタルサイネージパネルはAC電源のほか、単三形乾電池8本でも駆動するのがユニークだ。説明員によるとバッテリー駆動の場合、1日1回の更新で、更新時以外のPHS電源オフなら約半年間駆動するという。1日1回の更新でPHS待受も行った場合は、約10日間動作するとのこと(数値はいずれもエイビット目標値)。
左は今回新たに発表となった電子ペーパーを使ったデジタルサイネージパネル(エイビット製)。デジタルサイネージペーパーの裏側はこんな風になっている。W-SIMで通信を行い表示するデータを更新する。
普段なかなか見ることができないM2Mなどの事例。じつは身近な場所にPHSが利用されていることを発見できる。
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