現場の生きた情報、リアルタイムに報告――スマホでフィールド業務を変える「Field Plus」(2/2 ページ)

» 2012年02月09日 10時00分 公開
[柴田克己,ITmedia]
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 Field Plusは、報告の書式設定、スタッフ端末への配布、送信された報告の集計管理を行うクラウド上のサーバシステムと、フィーチャーフォン、iOSデバイス、Androidデバイスで動作するクライアントアプリから構成される。

 サーバ側では、現場スタッフが入力を行う「報告シート」の項目や入力形式を設定できる。報告シートは「自由記述」だけでなく、多彩な「選択式」のフォーマットを、より簡単に作成できるよう設計されている。これも、報告の「客観性」が、自由記述による主観性よりも重要な意味を持つフィールド業務での利用を主眼に置いているための仕様だ。

 シートの名称は自由に設定できるほか、回答欄ごとに「選択式」「数字入力」「自由記述」などの入力条件を指定して、業務の内容や報告データの特性に合わせた設定が行える。

Photo 多数の入力方式をサポートしており、業務内容や使う人のITリテラシーの程度に応じた入力フォームを設定できる

 サーバ上で作成したシートは、スタッフが持つスマートデバイス上のクライアントアプリに配布され、常に最新のものが利用できる。なお、クライアント側では携帯の電波が入らないオフラインの状況でも、入力作業は行えるようになっている。入力済みのデータは、端末がオンラインになった時点でサーバに送信できる仕様だ。屋内や地下など、現場が携帯電話圏外になるような場所であっても、ブラウザクライアントと異なり、その場での入力作業が可能なよう考慮されている。

Photo Field Plusの導入フロー
Photo iPad版アプリも用意。大画面に最適化した2ペイン構成になっている

手間をかけず、素早く情報を送れる工夫をアプリ側に

 Filed Plusアプリは、写真送信機能を備えているのも特徴の1つだ。

 フィールド業務において、“報告内容に写真を含めたい”というニーズは非常に高い。例えば、店舗チェックの業務では、棚割をいちいち手書きや文章で説明せずに、必要なアングルからの写真を撮って送るだけで、より正確に状況を報告できる。また、リフォーム査定業務や不動産関連の業務においても、レポートへの写真添付は、客観的な状況を伝えるために便利な手段だ。Field Plusではスマートデバイスに搭載されているカメラで写真を撮影し、直接レポートに添付できるため、例えば、別途デジタルカメラで撮影し、その画像を取り込んで整理する――といった手間がかからない。

 スマートデバイスのGPS機能を使った位置情報なども、写真と同様、レポートに含められる。さらに、GPS機能と勤務開始日時を自動的にデータ送信する機能を利用することで「勤怠管理」のためのデータも収集することが可能となっている。そのほか、棚卸や商品チェックに便利なコードスキャン機能など、実際の現場での使い勝手に配慮した機能が、多数搭載されている。

 現場の担当者から送信されたレポートは、リアルタイムにサーバに蓄積されていく。必要に応じてデータをエクスポートし、社内で利用している業務データベースに格納したり、集計や分析などの処理にまわすことも容易だ。「標準化された品質の高いレポートが、よりリアルタイムに近いタイミングで参照できれば、経営のスピードアップにも貢献できるはず」と黒田氏。エス・ケイでは、Field Plusと社内システムとの連携に関する相談にも応じているという。

Photo スマートフォンのカメラで撮った現場の写真を位置情報とコメントを付けて送信できる
Photo 位置情報付きの勤怠報告が可能
Photo 収集したデータは社内の既存システムと連携させたり、分析したりといった二次利用が可能だ

 また、クラウドならではのメリットとして、報告シートのフォーマット更新を、短期間のうちに何度も行える点も見逃せない。例えば、実施期間や地域が決まっているキャンペーンの効果測定アンケートに、Field Plusを利用するといった使い方も考えられる。地域ごとに少しずつ異なった内容のシートを作成したり、期間に応じて内容を変えたシートを配布し、即座に結果を集計するといったこともできそうだ。

現場のニーズに応じて機能強化、音声対応も

 Field Plusの価格は、初期費用が15万7500円。月額利用料が、スマートデバイス向けアプリ1ユーザーにつき525円、サーバ利用料がデータサイズ1Gバイトまでの場合5250円となっている。これは「ラウンダー(現場を巡回する調査員)が、1日に4件調査するような業務内容であれば、十分コスト対効果が見られる価格。特に、現状で紙を利用して報告をしているような業務であれば、適用も容易で効果も高い」(黒田氏)という。もちろん、時期による人員の増減などにも柔軟に対応できる。なお、導入の検討にあたっては、試用も可能な体制を整えているという。

 黒田氏によれば、Field Plusでは今後も業務現場のニーズに合わせた機能強化を検討しているという。スマートデバイスに装備されたマイクを使った「音声」の活用などもその1つだ。例えば、介護現場など、実際の業務中に常に手袋をつけていたり、手がふさがってしまう現場において、あらかじめボイスメモをとっておき、その内容を後で聞き返して入力できる仕組みなどが求められているのではないかという。

 また、Android端末の対応デバイスとして、現在の「Xperia」「Galaxy」シリーズに加え、対応端末を増やしていくことを計画しているほか、Google Appsなどの他のクラウドアプリケーションとの連携による、スケジュール管理、予実管理システムなどへも発展させていくこと視野に入れているという。

photo Field Plus
photo Field Plus for iPad

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