“全部入りタブレット”でiPadに勝負を挑む――業務用スマートデバイス市場に切り込むカシオ計算機:業務のニーズをとことん追求(2/2 ページ)

» 2012年08月01日 16時22分 公開
[後藤祥子,ITmedia]
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紙の資料やメモを簡単取り込み、整理活用を手軽に――「Paper Writer V-N500」

Photo システム事業部開発統轄部 統轄部長の西谷耕司氏

 カシオが“手書きのよさとデジタルツールのよさを融合した新ビジネスツール”として投入するのが、前述の全部入りタブレット「V-T500」をベースにした「Paper Writer V-N500」。この端末には専用のカバーが用意され、B5サイズのレポート用紙をはさめるようになっている。この紙に書いたメモをタブレット端末のカメラで撮影し、保存できるようにしているのが特徴だ。

 他の同様のサービスと異なるのは、面倒な操作をすることなくメモの撮影や保存が行える点。この端末のインカメラは、紙を撮影しやすいよう角度を付けて設置され、紙をきれいに撮影できるようチューニングが施されている。カバーにはセンサーが装備され、紙とカバーがある一定の距離まで近づくと自動でシャッターを切ってメモを撮影。自動で台形補正をかけて保存する。つまり、メモを書いてカバーを閉じるだけでメモをデジタルデータとして保存できるというわけだ。

 この端末が商談シーンでどのように役立つかを説明したのは、システム事業部開発統轄部 統轄部長の西谷耕司氏。Paper Writerは単に手書きメモや資料、名刺をデジタル化して保存するだけでなく、自動でカレンダーと紐付けて整理する点が便利だと話す。

Photo 紙資料を撮影しやすいよう、インカメラは傾けて設置している(画面=左)。カバーを一定の角度まで閉じるとセンサーが紙を検知し、カメラのシャッターを切る(画面=右)

Photo 紙のプレゼン資料の取り込みにも対応。ページめくりで静止したところを検知してシャッターを切る(画面=左)。手書きメモや紙の資料は画像として取り込むが、名刺はテキスト化してアドレス帳に保存する(画面=右)

 取り込んだデータが、プリセットのカレンダーに自動で紐づけられるのも特徴の1つだ、例えばカレンダー上で設定した取引先との打ち合わせ時にノートをデジタル化すると、自動でその予定とデータを紐付け、会議名をタイトルに振ったり、参加者と紐づけたりする。あとからメモデータを確認したいと思ったら、カレンダー上の予定を探してタップしたり、参加者や会議名から検索したりと、さまざまな方法で探すことが可能だ。

 手書きメモの中にやらなければならないことがある場合でも、埋もれさせずに検索できるようにする機能を用意。「レ点」などの特定の記号を行頭に入れておけば、その記号付近の領域が自動で囲まれ、あとからその部分だけを検索することができるという。「メモ内に『@』を入れると、カバーを閉じるだけで、あらかじめ登録したメールアドレス宛にメモを送れる」(西谷氏)

 商談から帰って社内で打ち合わせをする際には、タブレット端末のHDMIポートにプロジェクターを接続すれば、打ち合わせ中に書いたメモの情報を参加者と共有しながら会議を進行できる。ホワイトボードに書いた議事録はアウトカメラで撮影すれば、自動で台形補正をかけて保存されるという。

 「ノート以外にも、何となく捨てられない資料や移転のハガキ、ポストイットに書いたメモ、記事の切り抜きなどをPaper Writerで取り込み、タグを付けて整理しておけば、ビジネスや創作活動に役立てられる」(西谷氏)

Photo 取り込んだデジタルデータはカレンダー上の予定と自動で紐づけられる。必要なデータはカレンダーの予定やタグなどから探せる

Photo 手書きメモの中に記号を入れておくと、その部分のみを検索できるようになる(画面=左)。「@」を入れるたページはメールで自動送信することも可能だ(画面=右)

Photo 記号で検索する文字のエリアやタグは編集が可能。手書きメモの便利さとデジタルデータの運用のしやすさを両立させた

業務に必要な機能とユーザー視点の使いやすさを備えたタブレット端末を

Photo システム事業部の副事業部長を務める守屋孝司氏

 今回のタブレットを開発するにあたり、同社の開発陣が肝に銘じていたのは、「お客様目線で商品を企画する」「モノありきではなく、コトありき」という考え方だ。

 同社の執行役員でシステム事業部の副事業部長を務める守屋孝司氏は、「タブレットを使う方々が何をしたいのか、どういうことを望んでいるのか、どんな提案ができるのか、ということをしっかり念頭に置いて開発した」と振り返る。

 業務向けモバイル製品を多数提供してきた実績を生かしながら、新たな需要の創造も目指して開発されたカシオのタブレットは、単に多くの機能を詰め込んだだけのものではなく、ビジネスパーソン自身が“自分が使っている姿をイメージしやすい”端末に仕上がっているようだ。

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