スマートフォンの成長市場が中国に移りつつあるようだ。調査会社のInforma Telecoms&Mediaは、Androidの最大市場は米国から中国に交代したと報告している。一方で、Androidと激しい戦いを展開するAppleのiPhoneは、中国で苦戦すると予想されている。
Informaが12月18日付けで発表した最新の調査によると、中国のスマートフォン市場は2012年、前年比85%増で成長する見通しという。成長を牽引するのはAndroidで、2012年上半期に中国携帯電話市場におけるシェアは50%を超え、2012年に販売されるスマートフォンのほぼ3分の2がAndroidベースになる見込みだ。
調査では、2012年に販売されたAndroidスマートフォンの3分の1が中国で流通し、次いで11%が米国市場で販売されたとしている。米国では2013年、新規購入の2台に1台がAndroidベースになると予測。中国ではHuaweiやZTEなど、グローバルに展開する中国メーカーのほか、Xiaomiなどの新興メーカーもAndroidスマートフォンを開発しており、今後もAndroid端末のラインアップは拡充するとみられる。
Androidが中国でシェアを広げる一方で、ライバルのiPhoneは苦戦を強いられる可能性があると予測。Informaでは中国市場のiPhoneのシェアを5%と見積もっているが、見通しは厳しく、アナリストは「iOSは古くなっており、Appleが大きな変更を加えることができなければ、大きな課題に直面する可能性がある」とし、特にUI部分での刷新が必要と分析している。なお、中国で先に発売された「iPhone 5」は、発売後最初の3日間で200万台を販売したとメディアが報じている。
MicrosoftのWindows Phoneは、現在のシェア(中国市場)は1%ながら、NokiaがChina Mobile向けに「Lumia 920T」を提供するなどの好材料があることから、2013年には2%になると予想している。
Lumia 920TはChina Mobileが採用する通信規格のTD-SCDMA/TD-LTEに対応しているが、AppleはTD-LTE対応のiPhoneを中国向けに開発していない。InformaではAppleがTD-LTE対応iPhoneを提供しない場合、2013年のiPhoneのシェアは微減する可能性があるとしている。
なお米国での2013年のiPhoneとWindows Phoneの見通しについては、iPhoneは2012年の3550万台から2013年には3400万台に減少、Windows PhoneはNokiaとHTCがマーケティング戦略を強化した結果、シェアを改善して6.5%に達するとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.