バリューチェーンの脱炭素化に向けた施策パッケージ、中間取りまとめが公表「グリーン製品の需要創出等によるバリューチェーン全体の脱炭素化に向けた検討会」(4/4 ページ)

» 2025年08月08日 07時00分 公開
[梅田あおばスマートジャパン]
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施策C-1:代表企業起点のサプライヤー・エンゲージメントの推進

 大企業が中堅・中小のサプライヤーと協力して、環境負荷低減などの課題に取り組むサプライヤー・エンゲージメントは次第に広がりつつあり、取り組みの内容も従来の"知る"、"測る"から"減らす"へと移行しつつある。

施策C-1-ア 業界内競合企業間が協働するサプライヤー・エンゲージメントの支援

 これまでサプライヤー・エンゲージメントは、個社単位で行われることが一般的であったが、実際には、業界内では上流のサプライヤーは共通していることが多いと考えられる。

 よって、業界内の複数の競合企業が協働で取り組むことにより、一層効果的・効率的なサプライヤー・エンゲージメントが行えると考えられる。中堅・中小サプライヤー側では、さまざまな買い手企業からの要請に個々に対応する必要がなくなり、負担が軽減すると期待される。

図10.業界内競合企業が協働するサプライヤー・エンゲージメント 出典:バリューチェーン脱炭素化検討会

施策C-1-イ:Scope3排出量削減のための企業間連携による省CO2設備投資促進

施策C-1-ウ:大手企業の信用力活用等による中小企業へのファイナンス支援

 大企業側はScope3排出量削減のため、中堅・中小サプライヤーに対して設備投資等を求めたいと考えるが、中小企業単独では、必要な資金・信用力が不足することにより、十分なファイナンスが得られないことが課題となっている。

 このため、取引先の大手企業が信用力の補完や資金の一部を拠出することにより、省エネ・再エネ投資を支援することとする。

図11.大手企業の信用力活用等による中小企業へのファイナンス支援 出典:バリューチェーン脱炭素化検討会

施策C-2 地域単位での中堅・中小企業の脱炭素支援

 環境省はこれまで、地域金融機関や地方公共団体等が連携して中堅・中小企業の脱炭素経営の普及を目指す、「地域ぐるみ」での支援体制構築を進めてきた。

 今後は、これまでの取り組み地域の実施主体者による他地域での横展開等を進め、キープレイヤーとなる「地域ぐるみサポーター」(仮称)の認定を行うことにより、さらなる活動を支援し、裾野の拡大を目指すこととする。

図12.地域ぐるみでの中小企業支援体制構築の裾野拡大・定着 出典:バリューチェーン脱炭素化検討会

 今回取りまとめられた施策パッケージは、短期的に実施可能な支援策が中心となっている。今後は、規制や税制等も含めた中長期的施策について検討を行う予定としている。

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