余命3カ月、あなたは何をどんな優先順位で実行しますか?夫婦で始める“エクストリームコミュニケーション”(3/3 ページ)

» 2011年04月18日 17時10分 公開
[シックス・アパート 中山順司,Business Media 誠]
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テーマ125:理想のお葬式

 今度は趣向を変えて「自分の理想のお葬式」を考えてみよう。どんなセレモニーにしたい?

 お葬式の希望は特にない。リーズナブルなプランであればなんでもいい。

 盛大な式にしたいって気持ちはない? これでもかって豪華な祭壇にしたいとか、大勢の人を弔問に訪れさせるとか。遺灰を思い出の地に散骨するとか。まあ、キミの性格からして、興味はないと思うけど。

 うん、式の内容にも豪華さにも興味はない。そういうので見栄張っても意味がない気がしない?

 僕もまったく同意見。こじんまりと家族だけに見送ってもらえればそれでいい。むしろ、自分をよく知りもしない人が、義理やしがらみで来るのはイヤかな。

 お葬式って50万円くらいでできないかな?

 いやいや、お葬式って普通にやれば百万円単位でかかるよ。全国平均は112万円という報道もあったし。上をみたら200万円、300万円とかかることもあるらしいしね。

 げげっ、そんなにかかるの? ぼったくりな気がするんだけど……。何にそんなにかかるのかしら。

 単純に考えても、会場をおさえて、たくさんの人を動かすよ。飲食代金もあるし、飾り付けもいっぱいあるし。しかも、お墓の費用は含まれなくて、単に式にかかるコストに過ぎない。

 300万円って言ったら、新車を買ってお釣りがくるじゃない。

 そういうことになる。適当な葬儀会社にお任せしてしまうと、これくらいの額の請求書が後日届くことになるわけだ。

 いや、それはちょっと……。生きているうちに、リーズナブルなお葬式をしてくれるところを探して話もつけておかなくちゃ。私の葬式に数百万円も使わるのは忍びないよ。どこか、40〜50万円くらいの安いプランを扱ってないかしらね。

 よく知らないけど、それはさすがにないのでは……。それに、遺族がそういう式を許さないと思うよ。

 だったら遺言ではっきりうたっておかないと。「葬儀は故人が生前に予約済みの○○○プランでやるように」って。お願いだから、私の葬式にウン百万円も使うことのないようにしてよ。

 まだ分からないけど、いちおう了解です。

 なんとか劇的にコストを削減できないかしら。病院から火葬場に直行してもらってもいいんだけど。

 キミね、粗大ゴミじゃあるまいし、馬鹿なことを言うんじゃないよ。死を軽々しく扱いすぎだよ。やっぱり、人の一生の幕切れは、相応の儀式が必要だと思うよ。お葬式って、故人を送りだすだけじゃなく、遺族が心の踏ん切りをつける一面もあるような気がする。まあ、無駄なものにお金を使わないのは賛成だし、元気なうちに情報収集しておくのは悪い事じゃないと思うけど。

 分かりました。でも、元気なうちに行動って言っても、実際にアクションするのは気が重いね……。

 (実際のアクションは)10年以上先でもいいんじゃない……?。


 モノやカネに執着しないことはもともと知っていたつもりでしたが、まさか自分の葬式を数十万円で済ませようとしたり、病院から火葬場に直行してなどと言うとは思ってもいませんでした。ただ、互いの予算感がよく分かったので、具体的なプラン内容でぶつかることはなさそうです。


 葬式費用の平均額に驚いてしまいました。お葬式の適正価格って知りませんけど、百万円以上もかかるのは、いくらなんでも高すぎると思うのです。



No. 今回のテーマ
122 余命3カ月、何をする?
123 最後の晩餐、何を食べたい?
124 自分の命、子供のために犠牲にできる?
125 理想のお葬式

 以上「死」(前編)についてでした。記事中では、読みやすさに配慮して、会話内容をカットしたり、まとめたり、明るい口調にしましたが、実際は数時間に及ぶ長丁場で、終わった後は疲労でぐったり。

 今回の震災では1万名以上の方々が亡くなられており、そんな状況で「死」を記事にするのはいかがなものかということは頭をよぎったのですが、今ほど死が生々しくクローズアップされた事はかつてなかったのもまた事実です。いくら五体満足で健康が保たれていても、衣食住が満たされていても、何が起きるかは誰にも分からないことを、まざまざと見せつけられました。

 みなさん、忙しい毎日を送られていると思いますが、一度立ち止まって「自分の死」について冷静に考える(そして話し合う)時間を持たれてみてはいかがでしょうか。

「死」のテーマは半分しか話し合うことができなかったので、もう半分は次回お届けする予定です。


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著者紹介:中山順司(なかやま・じゅんじ)

 シックス・アパート株式会社 / スキナヒト製作所 所長。1971年生まれ。Covenant College(米国)卒業後、携帯電話キャリアでマーケティングと営業に携わり、2000年にネット業界に転身。旅行予約サイト(現楽天トラベル)で観光旅行コンテンツビジネスを立ち上げ、その後始めた個人ブログがキッカケで、ブログソフトウェアベンダーのシックス・アパートに(現職)。

 2010年12月、フツーの男女のフツーの出会いをプロデュースすることに特化した、世界一マジメな恋愛インキュベーション・プロジェクト「スキナヒト製作所(β)」を設立。


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