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女性にも聴いてほしい「音の宝石箱」――テクニクスがオールインワンオーディオ「OTTAVA」を来年発売

» 2015年09月30日 20時17分 公開
[ITmedia]

 パナソニックは9月30日、テクニクスブランドのCDステレオシステム「OTTAVA」(オッターヴァ)を発表した。CDドライブの丸いガラスカバーが特徴的なセンターユニットと、スリムなステレオスピーカーを組み合わせた洒落たコンパクトオーディオ。同時発表の密閉型ヘッドフォン「EAH-T700」とともに、テクニクスのユーザー層を広げるための新製品群となる。

「OTTAVA」(オッターヴァ)。OTTAVAは“オクターブ”を意味するイタリア語だ。型番は「SC-C500」

 幅360ミリ、高さ91ミリのコンパクトなボディーにCDドライブや2つのUSB入力、ネットワークオーディオ機能などを詰め込んだ多機能モデル。一方でフルデジタルアンプ「JENO Engine」をはじめ、ジッター対策とノイズ対策を徹底した「Digital Noise Isolation Architecture」、スピーカー負荷適応処理LAPCなど、上位機種の「R1シリーズ」に採用された技術を凝縮した。付属のスピーカーはバイアンプ駆動となる。

CDドライブのガラスカバーは水平に動かす

 円形ガラスのCDドライブカバーは、上ではなく水平方向に動かす仕組み。あえて手動にしたのは、アナログレコードをジャケットから取り出す時のような、「オーディオのお作法」(Technicsブランドの統括ディレクター、小川理子氏)を演出することで、リスナーの気分を盛り上げるためだ。

 スピーカーもかなりユニーク。本体の上下に8センチ径コーン型ウーファーを対向配置し、音を水平方向に拡散するディフューザーと、らせん形状の「スパイラルアコースティックチューブ」で中低域を拡散する仕組み。さらに指向性の高い高域については、1.5センチ径のドーム型ツィーター3基を3つの方向に向けて配置し、独自設計のホーンとあわせて幅広いリスニングポジションを実現した。これは「ユーザーがスピーカーに正対するのではなく、リスナーにテクニクスサウンドが寄り添う」(小川氏)という製品コンセプトによる。

スピーカーの内部構造と実際のカットモデル。形式は、2Way5ユニットのバスレフ型ということなるが、サイズは1本あたり110(幅)×277(高さ)×110(奥行き)ミリと非常にコンパクト。ツィーターは10万Hzまでの高域再生が可能なハイレゾ仕様だ

 ハイレゾ音源再生の方法は多彩だ。USB-A端子(USBメモリーなど)とDLNA準拠のネットワークオーディオ機能は最大192kHz/24bitまでのPCMと5.6MHzまでのDSD再生をサポート。またPC接続用のUSB-B端子(USB-DAC機能)なら最大192kHz/32bitまで対応できる。

 このほか、Wi-FiやBluetoothを内蔵し、AppleのAirPlayもサポート。スマートフォンやタブレットからのワイヤレス再生も可能になっている。Bluetooth(A2DP接続時)のコーデックはSBCとAAC。専用アプリを使ってスマートフォンやタブレットから操作することも可能だ。

多彩な音源が楽しめる

 パナソニックでは、OTTAVAは2016年1月22日に発売する予定。価格は20万円(税別)。従来のテクニクス製品がHi-Fiオーディオファン層をターゲットにしているのに対し、今回は女性を含む音楽ファン層にも訴求する製品になるという。OTTAVAを「音の宝箱」と表した小川氏は、「音楽を身近に感じている人たちにオーディオも身近に感じてほしい。販売ルートも従来のオーディオ専門店や家電量販店に加え、10月からは新宿伊勢丹など、新しいタッチポイントを作っていく」と意気込みを語った。

発表会ではジャズシンガーのAKIKOさん(写真中央)も登壇し、同じプロミュージシャンでもある小川氏(右)と対談した。AKIKOさんは、OTTAVAの外観と音質について、「部屋のどこにいても良い音が聴ける。どんなインテリアにも合う」と話していた


OTTAVAと一緒に「IFA 2015」で発表した「Gシリーズ」やアナログターンテーブルも参考展示。どちらも2016年度中に日本でも発売する方針だという

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