音楽再生はモノラルスピーカーといえどもBGM的に楽しむ分には十分クリアで聴きごたえのあるサウンドが楽しめた。インターホンやボイスメッセージのデモも体験させてもらったが、しっかりとクリアな声が聴き取れる。広い家屋なら親子でスマホを使って電話をかければいいじゃないかと思うかもしれないが、それよりもどことなく温かみのあるコミュニケーション機能が家族のきずなを意識させてくれるように感じた。
スマホアプリはレスポンスも機敏で、物理リモコンにはない家電を操作する楽しさが味わえる。できればこの次の機会には自宅で試すことができれば、もっとリアルにその便利さが実感できるようになるのではないだろうか。
なお、本機の基本は購入後に長く使うことを前提としたLED照明器具だが、故障が発生した場合はどうなるのだろうか。横沢氏によれば、LEDシーリングライトの部分は10年は持つ計算であり、むしろ先にマルチファンクションユニットが機能面でのアップデートが必要になるだろうという。ソフトウェアのアップデートだけで補いきれない、ハード面での柔軟なアップデートに対応できることも、特にスマート家電にとっては今後の大事な評価のポイントになってくる。
マルチファンクションユニットが搭載するCPUの性能は、今後ファームウェアをアップデートしながら新しい機能を追加、楽しめるよう性能には余裕を持たせて設計されているという。今後もさまざまな機能が加わっていけば、家族全員で使う家電の中心的なプラットフォームになれる可能性も高い。本機の開発を指揮してきた横沢氏はネットワークにつながる家電製品への考え方をこう話している。
「家庭内のさまざまなスマートな家電機器がつながり、新しいライフスタイルを作っていく時代がこれから必ずやってくると考えています。日本ではまだ残念ながら、海外の先進国に比べてこのカテゴリーの製品とサービスが少ないのが現状ですが、私たちメーカーとしてはユーザーのために体験できる場を提供しながら、ネットワークにつながる家電の価値をアピールしていくことが大切だと思います」
具体的な体験価値を提案しながら一歩ずつ実績を積み重ねながら、マルチファンクションライトを基点につながっていく、よりスケールの大きな「スマート家電のプラットフォーム」を構築していくことが、ソニーが本機を開発した真の狙いではないだろうか。その試みと動向には今後も注目していきたい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR