2月はドコモの「900i」シリーズが順次発売される。900iは、50xに代わってドコモのハイエンド端末の座を担うシリーズ。当然、50xを使っていたユーザーからの乗換が予想される。
しかし、“メニュー周りの操作感”という意味では、50xと900iは全くの別物であるメーカーもある。
50xからの乗換ユーザーが最も困惑するのは、おそらく「P900i」だろう。ユーザーインタフェースが「P505iS」などから完全に変わったからだ。
P900iとP505iSは、似ているようでいてメニュー構成がかなり違う。従来の“Pユーザー”が最も戸惑うのは、待ち受け画面から十字キーでメニューが表示されず、[Menu]ボタンを押さなくてはいけないことだ。さらに、「各種設定」の中身も大きく異なる。数字キーによるショートカットでメニューを操作していたユーザーは注意がいる。
さらに深刻なのはアドレス帳だ。「あかさたな」順に一覧表示されたP505iSとは異なり、P900iのアドレス帳は“検索でヒットしたアドレスだけ表示”が基本。操作性もかなり異なる。そもそも、伝統的な“P”端末は[クリアボタン]を設けず、左右二つのソフトキーを存分に利用する操作体系だった。左がポジティブで右がネガティブ。基本的にそんな操作だ。P900iではそれが失われている。
では、なぜここまで変わったのか。それは下の画面を見ると分かりやすい。
画面構成からメニューの表示順まで、P900iはN900iにそっくりだ。これは、N900iとP900iで基本的な操作系が共通なことを端的に示している。
実は、パナソニックモバイルとNECはFOMA開発にあたり、基礎部分の多くを共同開発した(2001年8月の記事参照)。通信チップ部分や、その上で動くこうしたソフトウェアも共同開発の成果だ。その結果、メニューのインタフェース周りはNEC製端末の色が濃く出た。
もっとも、初代の「P2101V」を除いては、パナソニックモバイル製のFOMAはすべてNEC製FOMAに酷似したメニュー体系だ。その意味では、“PのFOMA”ユーザーにとっては慣れたインタフェースともいえる。ただし、P50xシリーズから“慣れた松下製だから”というつもりでP900iに買い換える人は覚悟が必要だ。反対に、NEC製端末に慣れた人はP900iに乗り換えても、あまり違和感がないともいえる。
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