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» 2004年02月23日 17時07分 UPDATE

タイでAirH"PHONEを使ってみました

DDIポケットが2003年12月から開始したタイとの国際ローミング。首都バンコクのみの対応だが、観光地スポットでどのくらい使えるのかを試してみた。

[江戸川,ITmedia]

 DDIポケットがタイでの国際ローミングを始めた(2003年12月19日の記事参照)ことを受け、AirH"PHONE「AH-J3001V」(2003年4月の記事参照)を持ってタイに出かけてみた。

 タイではPHSという名称ではなく「PCT(Personal Communication Telephone)」と呼ばれている。AirH"PHONEの国際ローミングでは、このPCTのサービスを利用するのだが、サービスエリアは首都バンコクのみ。そのため現地ではエリアの広い携帯電話を使う人が圧倒的に多く、PCT利用者は限られているという。

 現地を案内してくれたガイド氏も「携帯は2つ持っているが、PCTにはあまり興味がない」と言っていたほどで、事業者はビジネス的にも厳しい状況にあるらしい。ただ筆者が今回のローミングサービスを実際に使ってみた限りでは、携帯電話と遜色ないどころか、日本の3G携帯やauのグローバルパスポート機を持ち込むより、よっぽど便利な印象を受けた。

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 深夜のタイ国際空港に到着後、ロビーで電源を入れてみるといきなりの5本バー。幸先のいいスタートだ

主要観光地で使えるか

 台湾でのレビュー(2003年4月の記事参照)同様、市内観光を兼ねてエリアチェックをしてみることにした。

屋外 屋内 立ち寄り先
あかつきの寺院(ワット・アルン)
チャオプラヤー川支流の土産店
王宮
エメラルド寺院(ワット・プラケオ)
涅槃寺(ワット・ポー)
ワールドトレードセンター
 ○が問題なく通話できる場所、△は場所によって使えないところがある。−は端末を開くことすら禁止されているため計測不可能だった場所。王宮は国賓を迎えていたため入場不可。エメラルド寺院の参拝はマナー厳守
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 あかつきの寺院に登り、電波状況をチェック。周りが明るすぎて画面が見づらいがアンテナは5本だ

 基本的に、どの場所でもPCTは問題なく利用できるが、エメラルド寺院の周辺は建物の影になるとアンテナ表示も消え、使えない場所が目立つようになってくる。こうしたときには確かに携帯電話のほうが便利だ。

町の中も快適だが、ホテル室内はキツかった

 ワールドトレードセンターの免税店を最後に市内観光ツアー一行と別れ、アンテナウォッチをすることにした。それというのも、ツアーの移動はほとんどが舟と歩きで、ゆっくりビルの屋上を眺めているヒマがなかったのだ。ちなみに、筆者が乗ったロングテイルボートは、映画のロケで以前ジェームズボンドが使ったタイプらしく、スリルと迫力に満ちあふれていた。

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 疾走する舟の上でもエリアチェックを怠らない。スピードや水しぶきは恐くないが、舟底が水上で"ハネる"ため、お尻が次第に痛くなる
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 町の中心部にあって日本人観光客も多く訪れるという「ISETAN」の前。もちろんPCTを使えないわけがない

 町の中を歩いても、日本、そして台湾で見慣れているはずのアンテナがあまり見当たらない。だが、液晶画面を見ている限りでは電波の穴もなく、快適に使えるようだ。そこでビルの屋上ではなく、もっと低い位置に視線を移すと、なんとそこにPCTの文字。都内ではアステルがよくこうした基地局を電柱に付けていたが、DDIポケットのものとは違うのだろうか。

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 町で見かけたPCTのアンテナ。写真のものは柱ではなくビルの壁面についている。ビルの屋上に取り付けるタイプのものは全く見あたらなかった

 さて、日も暮れてきたので近くで食事を済ませ、タクシーを使ってホテルに戻ることにした。筆者の宿泊先は、日本大使館の近くにあるクラシックプレイスホテル。ツアーにも組み込まれており、日本人旅行者も多いようだ。ロビーにはインターネットを利用できるPCも置いてある。

 部屋も設備もそう悪くはないのだが、割り当てられたのが内向きのプールに面した部屋。そのせいかPCTの電波が弱いという状況になってしまった。アンテナ表示はおおむね0本〜1本。場合によっては圏外になるというありさまだ。さすがに部屋を替えてもらうほどではないものの、町の中の充実ぶりと比べるとショックも大きい。仕方なく、部屋の中で最良のポイントを探しながらメールの送受信などを行った。もっともPIAFSの安定性からいえば、動いてしまえば後は安心というところだろうか。

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 タイのデータ通信は32KのPIAFSのみをサポート。標準設定のままならば、アクセスポイントとして自動的にClubAirH"@タイが使われる

タイの電話番号を持つ便利さ

 今回の旅ではAirH"PHONEと一緒に、FOMAカードを入れたGSM携帯と、VGS端末「V801SA」、グローバルパスポート端末「A1303SA」も持参した。まさに完全装備だったわけだが、これらの間で通話テストをする際にPHSの便利さを実感した。それは電話の発信時のかけ方だ。

 例えば、Air"PHONEからFOMAカードのGSM端末に電話をかけるには、日本の携帯電話にかけることになるため、国際電話をかけなければならない。これはau、Vodafone端末もいずれも同じだ。つまり、日本からタイに観光旅行に来た友達同士が連絡を取り合う場合に、わざわざ日本を経由して電話をかけなければならないのである。電話帳データにも国際番号の追加が必要だ。

 AirH"PHONE同士であれば、こうした配慮は必要ない。お互いにタイの電話番号を持っていることで、日本を経由することなく電話をかけたり受けたりできる。そしてこのことは、タイの人にとっても実は重要な意味を持つ。

 タイのガイド氏によれば、「日本からのお客さんに連絡を取るための電話代が、ばかにならない」という。理由は単純で、日本から持ってきた電話でも、国際電話による発信を強いられるからだ。これがAirH"PHONEなら、タイ国内の通話料で済んでしまう。タイの人の懐にもやさしいAirH"PHONE、これからタイ旅行に行く人たちの必需品となるだろうか。

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