日本も秋から“世界標準”〜コンテンツ戦略転換するボーダフォン

» 2004年05月25日 19時18分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 これまでW-CDMAの3Gサービスでドコモに遅れをとっていたボーダフォン。2004年は、改めて“100万人契約”という目標を掲げて、巻き返しを図る。

 決算発表の席上で5月25日(5月25日の記事参照)、ボーダフォンのダリル・E・グリーン社長が、2004年の3G展開について説明した。

端末もサービスも世界標準へ

 ボーダフォンの3G戦略を滞らせたのは、「端末開発の難しさ」だとグリーン氏。確かに人口カバー率ではボーダフォンの3Gはドコモの上を行っている。5月末にも人口カバー率は99.6%になる見込みで(5月18日の記事参照)、7月末には「全地下鉄駅で使えるようになる」(グリーン氏)。2004年度末までに基地局を2万に増やす計画だ。

 しかし、その上で使えるフルサービスの3G端末が実質2モデルしかリリースされていないなど、端末投入で立ちおくれていた。先に発売された「V801SH」も、「11月に出せると思っていたが、4月になってしまった」(グリーン氏)という状況。「ベースバンドチップの開発が遅れたため、端末投入が思うようにいかなかった」(同)。

 3Gは現状、データARPUの高いハイエンド志向のユーザーが利用する傾向が強い。そこに向けた端末バリエーションが少なかったことから、ハイエンドユーザーが他キャリアの3Gに移り、2003年度のデータARPUが「前年同期に比べ、690円減る」という事態を招いている。

 「プリペイド携帯電話の好調でローエンドの競争力は増したが、ハイエンドの競争力が減り、高価値のユーザーのシェアを失った。今後はすべてで競争力を高めなければならない」(グリーン氏)。

 課題となっている端末ラインアップの拡充を、今年の秋以降、本格的に行うとグリーン氏は明言。「秋から3Gの端末を続々出す」。

 急速に端末ラインアップを拡充できる理由は「秋から日本の端末にも世界基準を採用する」ためだ。グリーン氏は秋にリリースされる端末には「WAPとMMSを採用する」といい(2003年9月の記事参照)、端末の仕様を海外のVodafoneと統一する方向であることを示唆した。現在、日本で提供中のボーダフォンライブ!とメールサービスは独自方式。これを世界標準に揃えることで、端末開発のスピードアップを狙う。

 3Gで多機能化した端末は開発に時間がかかり、コストも高騰の一途をたどっている。3G展開に際して“グローバルスタンダード”をうたうボーダフォンが、サービスや端末の仕様を日本と世界で統一すれば、開発コストも期間も抑えられる。そのタイミングが“今年の秋”になるということだ。

 グリーン氏は、これが端末メーカーにとってもメリットになると話す。「世界における日本の端末シェアは、日本メーカーを全部合わせても現状では10%くらい。世界でシェアをとっていくためには、全世界で使える端末を開発すればいい」。

3Gの目標は「100万人獲得」

 「今年こそ、3G移行の年に」と意気込むボーダフォンの目標は、この4月末に15万1400契約と伸び悩む3Gサービスの加入者を「100万人取ること」。ちなみに同じW-CDMAで先行するFOMAの契約者数は357万5700(4月末)だ(5月12日の記事参照)。

 また、このところ18%程度と不調の契約者シェアも「一番大きい競争相手の半分のシェア、25%を狙う」という。そのためには、これまで導入に消極的だったパケット定額制も検討(2003年11月の記事参照)。高速データ通信を可能にするHSDPA(用語参照)のトライアルも予定している。

 グリーン氏は、シェア拡大のチャンスが2年後に始まる番号ポータビリティの導入時にあると見ている(3月30日の記事参照)。「ナンバーポータビリティ導入時期に向けて競争力を強める方向だ」。

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