携帯コンテンツプロバイダ(CP)にドコモのパケ・ホーダイが与えるインパクトを聞く、「パケット定額制の衝撃/CPの思惑編」、第2回で取り上げるのはハドソンだ。
ハドソンといえば、iモード初期から多様なコンテンツを提供している企業。同社のモバイル事業本部、第1制作部のゼネラルマネージャー、寺田幸司氏は、以前と比べればユーザーのパケット代の負担は随分緩和されたと話す。
寺田氏は、ユーザーのパケット代が劇的に下がった例として「ミラクルくえすと」を挙げる。同ゲームは、ハドソンが提供する“携帯向け本格RPG”として名の知れたタイトル。しかし、一部ユーザーの間では「パケット代がかかる」ことでも有名だった。
「iアプリに入るデータ容量は、たかが知れている。必然的に、モンスターのデータ、ステータスのデータなどをサーバ側に送って保持していた」
サーバ側で多くのデータを処理しており、携帯だからとグラフィックの質を落とすこともしなかった。その分コンテンツのクオリティは上がったが、ユーザーの料金負担も重くなったという。
「ユーザーはPDCだとパケット料金が高いので、FOMAに乗り換えることが多かった。さまざまなゲームがある中で、ミラくえは“会員のFOMA比率”が最も高いゲームだった」
ある時、ハドソンのゲーム担当者がミラクルくえすとのファンの集いにこっそり参加したことがあった。すると隣合わせた人間に、「君、毎月いくらぐらいパケット料金を使っている?」と聞かれたという。
担当者は、会社から支給された携帯でプレイしているので細かい額は知らない。困ったが、多少多めに申告すれば話も盛り上がるだろうと思い「実は2万円も使っている」と話したという。
「すると、相手は『甘いね、1ケタ?』という反応だったようだ。『10万円を超えないようでは、真のミラくえファンとは呼べないよ』と」(笑)
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