なぜ、今、リバーススタイルなのか〜「N506i」(1/2 ページ)

» 2004年06月25日 03時41分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 クラシックな折りたたみ型が特徴だった“N”が、回転2軸型の「リバーススタイル」に──。「N506i」の登場に驚いたユーザーも多いことだろう(4月27日の記事参照)。

 ボディカラーはルミナスピンク、アイリスブルー、カモミールホワイト。

 多彩なマルチメディア機能が搭載されるようになった505iシリーズで、他メーカーがボディ形状やカメラの位置などを変えてきたのは記憶に新しい(特集参照)。

 そんな中にあってもクラシックな折りたたみ型にこだわり続けた“N”が(2003年12月の記事参照)、なぜ、今、リバーススタイルなのか、このスタイルを生かしたどんな新機能があるのか──。NECの開発陣に話を聞いた。

なぜ、今、リバーススタイルなのか

 N506iは、ふつうに開いた状態では従来の折りたたみ型携帯電話と何ら変わらない。しかし90度までに開き、液晶部を横に回転させて閉じると液晶が表に出た状態のリバーススタイルになる。

 左は端末を閉じたところ。このまま開くと通常の折りたたみスタイルだ。液晶を90度まで開いて横に回転させて閉じるとリバーススタイルになる。リバーススタイルで持ちあるくことも想定しているため、液晶面のガラスは厚いものが使われ、ハードコート処理が施されている

 「コンセプトは、折りたたみ+New」と話すのは、モバイルターミナル事業本部 商品企画部エキスパートの溝口民行氏だ。「折りたたみ型をやめたのではなく、折りたたみ型の進化版という位置づけ」。

 背景にあるのは、やはりマルチメディア機能の進化だ。「高画素のカメラが付けば、端末を横にしたスタイルでの撮影といったニーズも出てくる」。

 形は変化しても“コミュニケーション重視”の方針はリバーススタイルになっても変わらないと溝口氏。リバーススタイル時でもダイヤルキーを使わない操作なら、ほとんどのことができるように設計しているという。

 左が普通に端末を開いたときのメニュー画面。右がリバーススタイルのメニュー画面

 「着信に応答したり、届いたメールを閲覧したりできるのはもちろん、(側面にある)シャトルキーを使って着信履歴やリダイヤルを呼び出せば、電話もかけられる。iモードの閲覧にも対応している」(モバイルターミナル営業本部の吉田真理子氏)。

 もっともiアプリのゲームは、リバーススタイルで使えないものも多い。リバーススタイル時にメニュー選択に使うシャトルキーが、方向キーのように4方向の動きに対応していないからだ。「基本的にシャトルキーの上下は、方向キーの上下と同じ機能が割り当てられている」(モバイルターミナル事業本部 商品企画部の森山祐助氏)。そのため、アクションゲームなど、左右のキーを使うものはリバーススタイルで使えないことになる。

 リバーススタイル時には、側面のシャトルキーを使う。「戻る」はクリアボタンで操作

 メーカーサイトで配信しているiアプリについては対応を進めているというが、一般アプリはノーマルスタイルで遊ぶことになりそうだ。

“N”らしいボディデザインを、どう表現

 気になるのはリバーススタイルの中で、これまでの“Nらしさ”を、どう表現したのか──だ。アンテナの位置ひとつ変わっても売れ行きが変わるといわれるNだけに、変化した形状の中で、それをどのように打ち出したのかが気になる。

 「“全く新しい顔”というのではなく、何かのモチーフを持ってきたかった。ユーザーに“Nの顔”ということを、認知してもらえるようなデザインに仕立てた」と話すのは、モバイルターミナル事業本部 商品企画部の山内賢一マネージャーだ。

 「N506iは、円弧がモチーフ。角に持たせた丸みや、ヒンジ部の円弧を描くようなラインがNらしさを表現している。N502iに似た雰囲気だ。アンテナが表にないため、異なる印象を受けるかもしれないが、それ以外はNECらしさを十分反映している」(山内氏)。背面液晶を付けなかった理由の一つも、Nらしいデザインにこだわったためだ。

 リバーススタイルを充電中にも生かすため、充電器は縦置き型になった(左)。「着信に気付きやすいし、スケジュールを表示させておくこともできる」(吉田氏)。N506iのデザインは、N502iに似た雰囲気だという(右)


 なだらかな円弧が、各部に取り入れられたデザイン。シャトルキーも「弧を描くように動くので、扱いやすい」(溝口氏)


 ダイヤルキー部分も、曲線を多用した柔らかい雰囲気のデザイン

 ただ、新しいボディスタイルが、かなりの冒険であることも認めている。「今まで、通常の折りたたみスタイルをずっと崩していなかったので、冒険といえば冒険。ただ、50x系ユーザーの満足度調査の中には、これまでのスタイルを評価する層がいる一方で、“新しさや斬新さがない”という声も上がっていた。こうした声を受けて、従来のよさはそのままに新しい使い方を提案した」(溝口氏)。

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