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» 2004年07月15日 11時20分 UPDATE

モバイルクロスオーバー:駐禁取締強化で活気づく「満車・空車情報」コンテンツ (1/2)

6月に公布された改正道路交通法の影響は、運転中の携帯規制強化だけではない。ドライバーにとってさらに影響があるのが、2年後に施行される駐禁取り締まりの大改革だ。そして、これは新たなコンテンツニーズも生み出す。

[神尾寿,ITmedia]

 前回のコラムでは、改正道交法の中でも「運転中における携帯電話利用規制」にフォーカスした(6月8日の記事参照)。施行が12月9日までと早く、また携帯電話ユーザーにとって直接の影響があるからだ。しかし今回の改正道交法は「近年にない大改正」(警察関係者)といわれる大きなもの。携帯電話ユーザーやビジネスに与える影響は利用規制だけではない。

改正道交法の本命は「駐禁車両取り締まり」強化

 今回の改正道交法の中で、ドライバーに対する影響が最も大きく、警察側が成立に積極的だったのが、駐車禁止車両の取り締まり強化である。具体的には、2つの新たな制度が盛り込まれている。

 ひとつは「取り締まりの民間委託」。現在、駐車違反の取り締まりは各地の警察が行っているが、これを民間企業に委託し、効率的な取り締まりを目指すものだ。むろん、誰でも取り締まりができるというわけではなく、各都道府県公安委員会に登録した会社の社員「駐車監視員」が行うことになる。

 参議院で行われた改正道交法の審議の中では、警察側が「民間委託により駐車違反取り締まり件数を現在の2倍程度になると予測している」と発言している。

 そしてもうひとつが、「行政制裁金」制度の導入だ。従来の駐車禁止取り締まりでは、違反者に対して反則金と免許点数の加点が行われていた。しかし例えば法人名義のクルマでは「使用者が不明」と言い張って出頭せず、取り締まり逃れをしてしまう問題があった。行政制裁金では違反者が30日を超えても出頭しない場合は、車両の所有者(車検証上の使用者)に反則金と同額の違反金が請求される。

※初出で免許点数の扱いが誤っておりました。減点ではなく、正しくは加点となります。お詫びし訂正させて頂きます。

 クルマが盗難されていたなどの正当な理由がない場合は、ここで責任の所在が車両所有者まで拡がり、違反金が納付されないと車検が通らず、そのクルマは使用できなくなる。また半年以内に複数回違反金納付義務が生じると、一定期間(3カ月以内)の車両使用が禁止される。

 このように改正道交法による駐車禁止取り締まりは厳しい内容になっている。「取り締まりの民間委託」で取り締まり件数の拡大を図り、「行政制裁金」では違反者が無理なら所有者から違反金を取ることで“逃げ得”をなくす。量と質、両方からアプローチした取り締まり強化だ。施行は2年以内とされており、遅くとも2006年6月9日には施行される予定だ。

足りない駐車場。都市部は“駐車場難民”であふれる

 むろん、駐車違反は地域社会に対するマナー違反であり、「してはいけない」のは原則である。しかし実際に運用されるクルマをしっかりと受け止めるだけの駐車場が整備されていないのもまた事実である。

 コインパーキング事業者の大手、パーク24の資料によると、現在、クルマで向かった目的地での駐車場需要は約1109万台あり、供給量は約500万台分。つまり600万台余りのクルマが、駐車したい場所と時間に駐車場が見つけられない状況にある。

 このまま2006年を迎えたらどうなるか。

 駐車場難民が街中に溢れかえるのは間違いない。特に「行政制裁金」制度によって法人名義のクルマに対する罰則が強化されるため、今まで以上に業務車両の駐車場ニーズが高まる。平日・休日にかかわらず、分かりやすい場所にある駐車場は常に満車で長蛇の列。空いている駐車場を求めてノロノロ運転のクルマが走り回ることになる。

 「駐車場の増設は継続的に行っていかなければならない。しかし、それ以上に必要なのは、お客様が探す地域で空いている駐車場の場所を提供する『満車・空車情報(満空情報)』のサービスだと考えています。パーク24では駐車場ITインフラ化の一環として、満車・空車情報サービスに力を入れています」(パーク24 経営企画室の金丸めぐみ主任)

 パーク24のIT駐車場はTONIC(Times Online Network & Infomation Center)と呼ばれ、満空情報の取得のほか、クレジットカード決済やタイムズクラブでのポイントサービスなどのユーザーサービスを行っている。TONICは同社直営のタイムズを中心に約2600の駐車場が対応しているという。

 「具体的なシステムですが、TONIC対応タイムズではNTTドコモのDoPaを使ってセンターにオンライン化されており、満空情報は5分間隔で取得しています。センターに集まった満空情報はパーク24のホームページで公開されているほか、一部のテレマティクスサービスにも提供されています」(パーク24 経営企画室の斉藤智之係長)

 パーク24は、満車・空車情報ニーズや、クレジットカードやFeliCa、ETCといったオンライン決済のニーズが高まることを想定し、急ピッチでタイムズのオンライン化を図っている。2005年10月期までに全物件がオンラインを対応する予定だという。

パーク24のホームページでは駐車場の位置情報が調べられるほか、オンライン対応物件では混雑状況も分かる

テレマティクスのキラーサービスになる満空情報

 一方、ドライバーは移動する車内で満車・空車情報をどう調べるか。

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