BREW+Bluetoothで携帯ソリューションが変わる?

» 2004年08月03日 13時08分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 携帯のアプリケーションプラットフォームといえば、“ゲーム”というイメージがまず浮かぶ。しかしKDDIが採用するBREWプラットフォーム上では、ビジネス向けソリューションへの活用も徐々に始まっている。

 BREWならではのソリューション活用とは、どんなところにあるのか。Bluetoothを搭載したBREW対応東芝製端末「A5504T」が、その具体例となるだろう。

BREWから、端末の各種機能にアクセス

 BREWの特徴の1つは、端末固有の各種デバイスをアプリケーションから操作できることだ。今後のBREWを語る上で、これが1つのキーワードとなる。

 カメラの操作など一部のデバイス以外へのアクセスが難しいJavaとは異なり、BREWは端末全機能へのアクセスが可能。キャリアが許可したアプリケーションしか動作させられない代わりに、Javaよりも自由度の高いアプリケーションが開発できる。

 「BREWではカメラや内蔵メモリへのアクセスも可能。ゲームではないアプリケーションも出てくるのではないか」と、東芝モバイルコミュニケーションズ社 商品企画部の今村誠主務はBREWの可能性に期待する。

BREWで生きるBluetooth〜「A5504T」の隠し技

 では、デバイスへのアクセス機能をどう活用するか。象徴的な例となるのがBluetooth機能だろう。

 これまでBluetooth搭載端末のリリース例はいくつかあるが、十分活用されることなく終わった。最近では道交法の改正という追い風はあるものの(6月8日の記事参照)、Bluetoothが決定的な魅力を持つには至っていない。

 ところが東芝が開発したBluetooth搭載端末「A5504T」では、少々状況が異なる。BREWからBluetoothを使えるようになっているからだ。BluetoothのシリアルインタフェースをBREWから使えるよう解放してあり、アプリからはBluetoothをシリアルポートに見立てて自由にデータを送受信できる。

 「Bluetoothで何ができるのか、分からない部分もある。何でもできるように解放したかった」(今村氏)。単なるヘッドセット利用やPCからのダイヤルアップだけでなく、幅広いBluetooth活用の可能性がこれで開けた。

 これが最大限に生きるのが、ビジネス向けソリューション分野。「特定のお客様向けにアプリを作ったりはなかなかできないが、BREWからBluetoothを使えるようにすれば、特定のユーザー向けにカスタマイズしたアプリケーションも作れるようになる」と今村氏。

 例えば業務用の専用BREWアプリを開発し、ハンディターミナルとBluetoothで接続する。A5404Tではそんなことも可能になる。

 さらにサーバとの通信も、HTTPがベースとなるJavaに比べて「プロトコルとしてIPベースならそのまま使える。PC向けのインフラに非常に親和性が高い」(今村氏)。これもビジネスソリューション開発の上でメリットだ。

ビジネスソリューション向けBREWアプリ開発を歓迎

 東芝も「BluetoothとBREWの組み合わせは、まずはソリューションとして」(今村氏)と言うように、“Bluetoothを組み合わせたビジネスソリューションに使いやすい端末”としてA5504Tを位置づけている。これは、ドコモが圧倒的な強さを持つ法人市場に食い込みたいKDDIの思惑とも一致している。

 そのため、Bluetoothのような端末固有の機能を利用するアプリケーション開発は歓迎している。

 さらに「端末の固有機能を使いたいという話があったら、エクステンションを用意するという可能性もある」と今村氏。エクステンションとは、BREWアプリ向けのミドルウェアで、固有の機能をラッピングして、使いやすい形で提供するものだ。有名なエクステンションとしては、3Dポリゴン描画を容易にするエイチアイのMascot Cupsleエクステンションなどがある(2月2日の記事参照)

 KDDIがJavaからBREWへのプラットフォーム切り替えを始めて1年半。アプリケーション環境の作り直しに手間取る間に、ゲームなどの分野ではドコモ、ボーダフォンに水を空けられた。

 ただしビジネスソリューションの分野では、端末の各種デバイスとの連携を武器に、飛躍の可能性を秘めている。BREW対応端末端末の普及台数では460万台と(7月7日の記事参照)、他社に比べて少ないが、特定用途向けのアプリケーションであれば現在でも魅力は大きい。

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