W-CDMAチップでシェア50%を目指すQualcomm(11月2日の記事参照)。同社のMSMチップセットは6200番台がW-CDMA対応となり、複数のチップを開発中だ。
QualcommのMSMチップセットロードマップ。最下段はCPUコアとしてARM7を。中央2段はARM9コアを使う。最上段は、ARM9とARM11のデュアルCPUコアを搭載する(7月5日の記事参照)。2006年には、W-CDMAやCDMA2000など全通信方式に対応する「MSM7600」も投入予定「MSM6200」「MSM6250」は、出荷中のW-CDMAチップセット。三洋電機などに採用例がある。MSM6200では、消費電力面に課題があったが、「6250では現行のFOMAと比べることができるまで持って行けると思っている」とクアルコム ジャパンUMTSビジネス開発担当部長の安達賢氏。
その後、同社のハイエンドチップはEDGE/HSDPA対応へとシフトする。EDGEはGSMが発展した3G通信方式で最大通信速度は384Kbps、HSDPAはW-CDMAの発展形で最大14.4Mbpsの通信速度を持つ(3月3日の記事参照)。W-CDMA向けハイエンド端末では別途、アプリケーションCPUを搭載して、CPUパフォーマンスを上げていく動きもあるが、QualcommではEDGE/HSDPA対応と共にマルチメディア処理機能も向上させる計画だ。
最初のEDGE/HSDPA対応チップ「MSM6275」は2004年第4四半期にサンプル出荷予定。2005年下期には「MSM6280」を出荷する。両チップの大きな違いは、対応するHSDPAのカテゴリーにある。
GPRS同様、HSDPAにもサポートする変調などの違いにより12のカテゴリーがある。カテゴリー11の0.9Mbpsから、カテゴリー10の14.4Mbpsまで、最高通信速度も変わってくる。
MSM6275は最大1.8Mbpsまでサポート(カテゴリー11と12)。MSM6280は最大7.2Mbpまで対応する(カテゴリー9、10を除くすべて)。ちなみに2005年度にHSDPAを導入予定のドコモは最大3.6Mbpsのカテゴリーからサービスを開始する(1月16日の記事参照)。
| Category | Codes | Inter-TTI | TB size | Total # of soft Bits | Modulation | Data rate |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 5 | 3 | 7300 | 19200 | QPSK/16QAM | 1.2 Mbps |
| 2 | 5 | 3 | 7300 | 28800 | QPSK/16QAM | 1.2 Mbps |
| 3 | 5 | 2 | 7300 | 28800 | QPSK/16QAM | 1.8 Mbps |
| 4 | 5 | 2 | 7300 | 38400 | QPSK/16QAM | 1.8 Mbps |
| 5 | 5 | 1 | 7300 | 57600 | QPSK/16QAM | 3.6 Mbps |
| 6 | 5 | 1 | 7300 | 67200 | QPSK/16QAM | 3.6 Mbps |
| 7 | 10 | 1 | 14600 | 115200 | QPSK/16QAM | 7.2 Mbps |
| 8 | 10 | 1 | 14600 | 134400 | QPSK/16QAM | 7.2 Mbps |
| 9 | 15 | 1 | 20432 | 172800 | QPSK/16QAM | 10.2 Mbps |
| 10 | 15 | 1 | 28776 | 172800 | QPSK/16QAM | 14.4 Mbps |
| 11 | 5 | 2 | 3650 | 14400 | QPSK only | 0.9 Mbps |
| 12 | 5 | 1 | 3650 | 28800 | QPSK only | 1.8 Mbps |
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