70万円の衝撃、Huaweiが放つ「ダイヤ入り」スマートウォッチ Apple猛追の裏にあるものは?山根康宏の海外モバイル探訪記

» 2026年05月31日 10時00分 公開
[山根康宏ITmedia]

 中国国内のスマートフォンシェアでトップに返り咲いたHuawei。スマートウォッチの分野でも多数の製品を展開し勢いに乗っています。2026年4月には女性向けにダイヤモンドをあしらった「HUAWEI WATCH ULTIMATE DESIGN:Star Diamond Bloom Edition」を発表しました。価格は日本円で約70万円ですが、大きな注目を集めています。

photo ダイヤモンド入りのスマートウォッチが登場

 Counterpoint Researchのデータによる世界のスマートウォッチの出荷台数シェアはAppleが1位ではあるものの、市場を寡占していた時代は終わっています。その後を追いかけるHuaweiは2025年の第2四半期にAppleを抜くという調査結果もあり、ユーザー数を着々と増やしています。

photo 2024年、2025年の世界のスマートウォッチシェア(Counterpoint Research)

 米国政府の制裁、独自のHarmonyOSの採用など、Huaweiはスマートフォンの世界展開が一筋縄にはいかない状況です。そのような中でスマートウォッチなどウェアラブルデバイスのシェアを拡大することは、ユーザーとの接点を維持するためにも必須でしょう。

 Appleのスマートウォッチは基本的にApple製品ユーザーだけをターゲットにしているのに対し、Huaweiの製品はiOS、Android OSそして自社のHarmonyOSと全てのデバイスに対応します。バッテリーの持ちの良さやセルラーモデルの接続性の高さなどは定評がありますし、スポーツ・ヘルスケア関連の技術開発も自社で行っています。日本でも定期的に新製品を投入しており、今やスマートフォンよりもスマートウォッチメーカーという印象が強いかもしれません。

photo Huaweiのスマートウォッチの性能は高い

 一方で、ウェアラブルデバイスはファッション製品、嗜好品でもあります。機能だけではなくデザインを求めるユーザーも多くいます。2023年に発表した「HUAWEI WATCH ULTIMATE DESIGN」は18金を取り入れた製品で、50万円近い価格ながら売れ行きは好調でした。蛇足ながら筆者はドバイのHuaweiストアで、同製品が目の前で数台売れていく様を見たこともあります。

photo 18金をあしらったモデルはシリーズ化されている

 今回の新製品のダイヤモンドモデルの価格はスマートウォッチとしてはかなり高いものの、高級時計として考えれば珍しくもないレベルでしょう。春の花がほころぶようなデザインのダイヤモンド入りリューズ、18面の繊細なカットが生む、澄んだきらめき、細部にまで漂う上質さと知性を感じさせる製品は、所有するだけでも満足感を得られるはずです。

photo ラグジュアリーモデルらしい製品仕上げ

 スマートウォッチは1万円を切る低価格モデルも多く、ノーブランド品まで含めれば参入メーカーは数百社に上ります。こうしたレッドオーシャン市場で存在感を高めるには、単なる性能競争を超えた「プラスアルファ」の価値が欠かせません。今回の新製品はダイヤモンドをあしらった本物志向の一本であり、機能以外の魅力によってプロダクトの価値を高め、ユーザーの満足度を引き上げる狙いが見えてきます。

photo 所有する喜びを感じさせる製品だ

 Huaweiとしては、まずウェアラブルでブランド好意度を高めておき、将来スマートフォンの海外展開が広がった際に「次はスマホもHuaweiで」と選んでもらう──そんな中長期のシナリオも透けて見えます。日本市場でも、ぜひこのスマートウォッチの登場に期待したいところです。

photo スマートフォンユーザー獲得へつなげる

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