KDDIと放送6社、「デジタル・1セグラジオ」を披露

» 2004年11月11日 17時34分 公開
[杉浦正武,ITmedia]

 KDDIと音声放送事業者6社は、地上デジタル音声放送の1セグメント放送サービスのデモを行った。今後、QRコードや音声ファイルダウンロードといったサービスの実験も行っていくことを発表した。

Photo 左から、放送局を代表してあいさつした文化放送の平龍良取締役、KDDIの村上仁己執行役員

 発表したのは、横浜エフエム放送、TBSラジオ&コミュニケーションズ、エフエムナックファイブ、文化放送、ベイエフエム、日経ラジオ、それにKDDIの7社。地上デジタルラジオはラジオ局や通信事業者などが社団法人デジタルラジオ推進協会を設立、東京と大阪で試験放送を行っている段階だ。

 現状ではテレビ第7チャンネルの4MHz幅(188〜192MHz)を8セグメントに分割し、3セグメント×1チャンネル(3月3日の記事参照)と1セグメント×5チャンネルの放送を行っている。今回の発表を行ったのは、このうち1セグメント放送を手がける6局。

チャンネル 事業者
91ch NHK
92ch TBSラジオ、FM横浜、BAYFM、ラジオNIKKEI
93ch 文化放送、NACK5
94ch J-WAVE、メガポート放送、RFラジオ日本
95ch ソニー、伊藤忠商事
98ch(3セグ放送) FM東京、ニッポン放送
 デジタルラジオ推進協会の各セグメント構成(東京)

1セグラジオのインタフェースが公開

 KDDIと放送局は、これまでもオペレーションや危機障害情報の共有化、導入機器やサーバの共同購入などを行ってきた。しかし、実際には放送と通信それぞれの役割があいまいな状況だったという。

 このため、合同コンテンツ作業班を設け、各社の役割を整理。「放送がゲートウェイで、詳細は通信」と定めるとともに、リアルタイムな双方向機能などを搭載することで話を進めた。

 発表会では、KDDIのPDA型試作機を利用し、実際に東京タワーからの1セグメントラジオ放送を受信。そのユーザーインタフェースを、報道陣向けに公開した。

Photo 画面に静止画が表示され、音声が流れるイメージ。通信は、ユーザーが操作をしない限り発生しない
Photo 画面に表示されたリンクをクリックして、通信データを取得する。ちなみにこの間も、ラジオ放送は流れ続けている
Photo (左)受信に利用された試作機(右)実証実験の系統図(クリックで拡大)

 会場では、通信と放送を連携させるべく2つの技術を検証することが明かされた。1つは、サーバに音声ファイルを置いてユーザーにダウンロードさせる仕組み。実験では15秒から30秒程度のデータを「音の壁紙」として用意していた。

 「楽曲のダウンロードのほかに、ニュース・天気などをリピートするコンテンツも考えられる」(KDDI)

 もう1つは、QRコードを活用したサービス。デモでは、クイズの答えとしてQRコードを表示させる様子が示された。「PDA端末に表示させて、携帯で読み取ってもいいし、携帯画面に表示させてそのままデコードしてもいい。画面に映ったものを、周りのユーザーが読み取る形も考えられる」(KDDI)。

 QRコードは、公開録音イベントの“入館証”代わりにも使えるほか、番組で紹介した店舗の位置情報をURL化し、EZナビウォークと連携させることも考えられる。ほかにも電子クーポンサービスや、QRコードのデータを蓄積することで「ラジオ文庫本」のようなサービスも考えられるとした。

Photo QRコードを画面に表示したところ

デジタルラジオ端末は、いつ登場する?

 サービスのインタフェースが公開された1セグメントラジオ放送だが、対応端末は開発時期が未定。本サービスの開始時期も、2011年とされているが正確には決まっていない。

 「こうしたサービスができるということで、端末メーカーに『面白そうだ』と言ってもらえれば」(KDDIの村上仁己執行役員)。PDA型のものが出るのか、携帯電話型のものが出るかも現状では不明だ。

 地上デジタルテレビは、各メーカーが1セグ放送対応の携帯端末を開発しているが(特集:1セグ放送&モバイル放送・徹底比較参照)、この端末でデジタルラジオを視聴することは可能なのだろうか。

 「(テレビとラジオが)イコールなアルゴリズムで動くと思うので、うまくやれば効率的な準備ができると思う」(村上氏)。会場で聞く限りは、アンテナ・デコーダ部などで共用化できる部分と、そうはいってもできない部分がある……というのが実情のようだ。

 デジタルラジオ放送が開始されるのは、2011年と言われている。もっとも、KDDIの村上氏は「キャリアとしてはもっと早まってほしい」と、前倒しを期待するコメントを残した。

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