携帯“ポストカメラ”の主役は何か(1/3 ページ)

» 2004年12月16日 03時04分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 ここ数年の携帯電話の進化をリードしてきたものの1つが、カメラであることは間違いない。しかし、カメラの高スペック化は一段落しつつある。各端末メーカーは、カメラの“次”を求めて新機能を模索し始めた。

カメラが牽引した2003年、2004年

 2003年のユーザー意識調査を見ると、「機能やデザイン、色」などよりもカメラ機能を重視するユーザーは約6割におよび、特に画素数が重要な要素となっていた。メガピクセルカメラが登場した2003年度は、カメラ目当ての買い換え需要により、携帯市場過去最高の携帯販売実績を挙げている(2003年10月22日の記事参照)。

カシオ計算機の「A5406CA」。携帯最高峰となる320万画素CCDカメラを搭載した

 熱烈なユーザーの要求に応え、携帯のカメラ機能は進化してきた。2000年末に初のカメラ付き携帯「J-SH04」がJ-フォン(現ボーダフォン)から登場以来、2003年夏には各社がメガピクセル携帯を投入(2003年5月21日の記事参照)。2004年には、光学2倍ズーム付き(V602SH)や320万画素(A5406CA)にまで達した。

 このままさらに画素が増え、光学ズーム、キセノンフラッシュと、デジカメのように進化していくのか……と思われた携帯カメラだが、2004年末のスペックは足踏み状態だ。

 エントリー端末では、CMOSメガピクセルが増えてきている。CCDよりもコストが安く小型低消費電力化できる点が魅力だ(8月5日の記事参照)。ハイエンド端末でも、「P901i」のようにAF付きカメラを止めてマクロ切り替えスイッチに戻す機種も現れ始めた。これまでカメラ強化に積極的だったメーカーも、カメラ以外へ目を向け始めている。

カメラだけではユーザーに訴求しきれない

 「5メガのカメラを入れれば爆発的に売れるかというと、それは違う。画素数アップはプラスだが、効果が薄れてきた」(シャープ商品企画部の河内巌副参事)。カメラ性能でトップグループにいるシャープはこう話す。

 カメラが携帯の買い換えを促したタイミングは、これまで2回あった。まずは“カメラが搭載された”タイミングだ。ここで先行したメーカーと遅れたメーカーの差がついた。次が“メガピクセルカメラ”への移行時。単に写真が撮れるだけではなく、デジカメ代わりに使いたいユーザーが飛びついた。

 ここから熾烈な画素数競争が繰り広げられたが、200万画素クラスに到達した現在、さらなる高機能化は買い換えを促すまでのインパクトをもたらさないというのが各社の考えだ。

 「3メガはまだニッチ。今は2メガ以上あればどれも同じと思われている。『2メガ使って満足してるんで、3メガはいいや』という意見もある」

 こう話すのは、業界に先駆けて320万画素カメラを搭載したカシオ日立モバイルコミュニケーションズ戦略推進グループの石田伸二郎チームリーダーだ。カシオ計算機は最新のハイエンド端末で、バランスを取って200万画素にカメラを戻した。

 「もう画素数だけじゃダメで、撮れた写真が圧倒的に違うものではないといけない。A4に印刷しないと分からないのでは、一般のお客さんには同じに見えてしまう」(石田氏)

 キセノンフラッシュや光学ズームといった新機能もあるが、「光学ズームもそれほどのインパクトはなかった」(石田氏)。オートフォーカス(AF)機能も、画質向上には貢献したが、ユーザーの買い換えを促すまでには至っていない。

 「まだカメラの進化はあると思う。ただしカメラだけの進化では甘いと思う」(シャープ 商品企画部の新井優司部長)というのが、カメラに強いメーカーの一致した意見だ。

 ユーザーの意識も変わり始めた。10月に行われたC-NEWSの調査によると、カメラ機能にこだわらない人は3割半ば(10月28日の記事参照)。高画素カメラを求める声は相変わらず強いが、こだわらないユーザーも多く、分化し始めている傾向だ。

 では、カメラに代わる市場のけん引役は何なのか。

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