PCを遠隔操作するBREWアプリ〜東芝

» 2005年01月18日 15時52分 公開
[ITmedia]

 東芝は、携帯電話から自宅や社内のPCにリモートアクセスし、メールチェックやファイルの閲覧/編集など各種操作を行えるBREWアプリ「ユビキタスビューア」を開発した。法人、個人向けに提供する予定で、本年度中に事業化を見込む。

 携帯とPCのプラットフォームを融合させる試みとしては、携帯向けフルブラウザや、携帯向けドキュメントビューワなどがあるが「ユビキタスビューアはPCに搭載されたすべてのソフトを操作できる。これは世界で初」(同社)という。

Photo (左)アプリ起動画面(右)マウスのカーソルは、十字キーで動かせる
Photo 各キーには、状況に応じてさまざまな操作が割り当てられている
Photo (左)テキストファイルが画面に収まりきらない場合、横表示にすることも可能(右)それでも収まらない場合、全体サイズを縮小することもできる

 ユビキタスビューアの基本的な機能は、主に2つ。「PCの画面をQVGAサイズに圧縮して携帯に表示する」ことと、「携帯側のテンキー操作をマウスなどの操作に変換して、PCに反映させる」ことだ。これにより、例えば自宅のPCを起動してテキストファイルを開き、それを携帯で閲覧しながらテンキー操作で書き換え、保存しておく――といった一連の操作が可能になる。

 同ビューワの機能を実現するには、ネットワークシステムとして4つの構成要素が必要となる。1つは、携帯にインストールするBREWアプリ。「サイズは300K〜400Kバイト程度」(同社)で、必要なら携帯に組み込むこともできる。2つ目は、PCにインストールするソフトウェア。これはPCに表示された画面を圧縮し、リアルタイムに携帯側に伝送するためのものだ。

 3つ目は、動かしたいPCの近くにあって「PCを起動させる」サーバ。携帯からPC操作を開始する場合に、コマンドを送りPCを起動する。4つ目は、携帯とPCを接続するための専用のゲートウェイサーバ。これにより、ファイアーウォールを設置している企業などでもサービスを導入できる。

Photo サービスのネットワーク構成図

 ビジネス用途を想定しており、上記システムは「法人のIS部門(情報システム部門)と相談して、『この要素は自社で用意するからいらない』ということもあり得る」。

 ただし、コンシューマ向けサービスとしても売り出す考えもあるようす。「月額課金のサービスが考えられる」(同社)という。価格の詳細は未定だが、何十万円という単位でなく「こうしたBREWアプリを利用するサービスの、10倍以上ということにはならない」。

 なお、ユーザーは当然ながらBREW対応携帯を用意する必要がある。スペックは「ヒープメモリが重要。W21シリーズになって3Mに増えたが、これでないと苦しい」という。当初は、同社の「W21T」向けサービスが始まると見てよさそうだ。なお、今後はJavaでアプリを開発してドコモなどのプラットフォームに対応させる考えもあるという。

カギとなる技術は?

 サービス実現にあたり、工夫したのはいかにPC画面を携帯に表示させるか。QVGA(240×320ピクセル)画面にXGA(1024×768ピクセル)のPC画面をそのまま出力させるわけにはいかないため、一部を切り取って表示することになる。

 ただし、特定のアプリケーションを立ち上げた場合は、そのアプリケーションウィンドウを表示してくれなければ意味がない。そこで、アプリの切り替えに追従してウィンドウも切り替わる「仮想ビュー」機能を用意した。

Photo たとえばNotesを開いたら、「PC画面の左上」でなく「カレントアプリの左上」を切り取って表示させる

 リアルタイムに送信されるPC画面情報を、どう圧縮するかも工夫した。「QVGA画面はそのまま送信すると約230Kバイトになる」(同社)。表示領域ごとにそれぞれ適したコーデックで圧縮する「適応型圧縮法」を開発、採用して、元データのサイズの約3%にまで圧縮してから携帯に送信している。

 「これにより、1画面を約0.2秒以内にPCから携帯に送信できる」。ちなみに、データ量を減らしたとはいえパケット定額制加入は必須だ。

 こうしたリモートアクセスサービスでは、セキュリティ面も重要になる。ユビキタスビューワでは、VPNサーバを設置したり、専用線をひいたりといった大掛かりなインフラ増設は行わず、前述のとおり専用ゲートウェイを介してPCと携帯を接続するという方法をとった。

 ゲートウェイサーバでは、企業などのファイアーウォールの内側からアクセスしてきたPCの通信と、1X WIN網を通じて外部からアクセスしてきた携帯の通信をマッチングさせる。ここでワンタイムパスワードによるユーザー認証をかけ、適合すれば通信を橋渡しする仕組み。各網内を抜けるデータは、それぞれSSLで暗号化している。これにより、「既存のインフラを利用可能で、低コスト化できる」(同社)とした。

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