「A1404S」を手に、携帯のバランスを考える(2/4 ページ)

» 2005年01月27日 13時40分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

端末の厚みをどう見るか

 端末の厚みも、ほかの要素とのトレードオフの関係にある。同等の機能を搭載するなら、内部に積み込まなくてはいけない部品もほぼ同じ。実装技術によってある程度はカバーできるとはいえ、どの程度の部品を搭載するかで概要は決まってくる。

 カタログ数値で“薄さトップ”を狙いたいなら、できるだけスクエアな直方体のようなボディがいい。微妙な曲線を持ったボディは、それだけでデッドスペースが生まれてしまうからだ。結果、最厚部の数字は大きくなってしまう。最薄の携帯として一世を風靡したパナソニック モバイルコミュニケーションズ製の「P504i」が、「角を斜めに落としたい」というデザイナーの希望で、コンマ数ミリ厚くなった──という話もある。

 しかし実使用上は、先端と後部が薄くスラントした形状のほうが使い勝手がいい。まずズボンのポケットなどに入れるときに引っかかりがなく出し入れがスムーズなこと。もう1つは重量バランスだ。

 携帯を使うときに“重い”と感じるのは、絶対的な重量のせいばかりではない。液晶部に重いパーツが集中していると上部が重く、そのせいで重さを感じるのだ。

 最もバランスがいいのはヒンジ部より少しだけダイヤルキー寄りに重心がきて、重いパーツが中央に寄っていること。長時間持ってキーを打っていても疲れにくく、重さを感じない。

 A1404Sは、この点も理想に近い。ヒンジ部に指を入れれば、キレイにバランスが取れ、指一本で端末を支えられる。湾曲した独特なヒンジ形状を使い、液晶はヒンジに近く、十字キーに当たるジョグダイヤルはヒンジのまさに真上に位置する。ダイヤルボタンを全体にヒンジに寄せたため、[*][0][#]といったキーが、ほどよく上に来た。つまり親指を端末の下まで無理に動かす必要がないのだ。

 スペック上の厚みは24ミリあるが、端末の先端と後端は薄く絞られており、スルッとズボンの尻ポケットに入ってくれる。大きさを気にするあまり、外付けアンテナに回帰する端末も昨今目立つが、アンテナを内蔵させているのもA1404Sの大きな魅力だ。

必要最低限の機能とは何か?

 携帯の機能を評価するときに、単に数字が高くて多機能なだけの携帯はダメ携帯だ。コストさえ折り合いがつけば、そして大きくなってもいいのなら、いくらでも多機能にはできる。

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