最新のモバイルルポ搭載〜W21Tの文字入力を試す効率よいメール入力を考える(1/4 ページ)

» 2005年02月08日 10時51分 公開
[太田純,ITmedia]

 KDDIのau端末「W21T」に搭載されている「モバイルルポ」のフレーズ予測は、他社製品の次文節予測とは毛色が違っている。今回はそこに焦点を当ててライバルたちと比較していこう。

折りたたみ型のスタンダードなWIN端末「W21T」。WIN初のBluetooth内蔵端末としても注目を集めた

独自の道をゆくモバイルルポ

 東芝は日本で最初にワープロ専用機を作ったメーカーであり、業務用では「TOSWORD」、家庭用では「ルポ」というブランドを展開していた。モバイルルポはこのルポの流れを受け継ぐ日本語入力ソフトだ。

 入力予測の世界では、現在はソニーの「POBox」の方式が主流になっている(2004年7月29日の記事参照)。この方式の最大の特徴は、次文節予測にいつでも候補があることで、自立語さえ入力すれば、あとの活用語尾や付属語は次文節予測だけで入力できる。例えば「新宿」と入力すれば、予測候補として「プリンス」「の」「で」といった単語が並ぶ。ATOK+APOT、ケータイShoin、Advanced Wnnがこの方式で追随している。

 「W21T」のモバイルルポにもフレーズ予測という機能があるが、これはPOBoxの次文節予測とは異なる。どちらかといえばNECのワード予測に近い。読みの一部で単語を予測し、単語を確定すればつながる単語をフレーズ予測するという流れはPOBoxと同じだが、原則として過去に入力した単語しか出てこない。したがって、辞書が育つまでは通常変換と併用する必要があるし、使いこなすための方法も自ずと違ってくる。ここではそのヒントを示していこう。

予測入力の実力を試す

 W21Tのモバイルルポには2種類のキー操作が用意されており、メニューの入力予測設定(M592)で選べるようになっている。1つは「↓」「↑」を予測入力と通常変換で兼用する設定だ。POBox風の操作が可能だが、予測候補にある読みを通常変換するのに手間がかかる。もう1つは左下/右下ソフトキーで予測候補の選択、「↓」「↑」で通常変換を行うものだ。ここでは後者の設定を使うことにしよう。

 候補ウィンドウはPOBoxやAPOTと同じように詰めて表示する方式で、候補選択中は前後にしか移動できないところも同じだ。ただし予測操作を開始するキーが2つあるので、候補の先頭から入ることも末尾から入ることもできる。また予測候補は先頭からの10件しか表示されないため、たいていの場合は1画面に収まってしまう。

 文字入力では絞り込みの方法がちょっと面白い。濁点/半濁点や大文字小文字の区別は原則として省略できないが、末尾の文字についてはこれらを省略できるだけでなく、「あ」を入力した時点で「い」〜「お」段の単語も予測の対象となる。つまり文字キーを押すごとに絞り込みが行われ、より狭い範囲の候補が浮かび上がってくるという仕組みだ(2004年12月28日の記事参照)。候補が10件までしか表示されないことを考え合わせると、モバイルルポでは「短い読みで候補を出してその中から選ぶ」のではなく、「ほしい候補が出るまで文字キーを押す」ことが操作のメインになる。

 入力例を以下に示そう。

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