携帯ゲームを超えた? テイルズ オブ ブレイカーは凄いモバイルコンテンツ・プチレビュー

» 2005年04月25日 17時42分 公開
[小松しおる(StoryWorks),ITmedia]

 ひまつぶしに携帯アプリを――という時代はもうすぐ終わるのかもしれない。

 ナムコの人気RPGことティルズシリーズは、筆者も大好きなゲームシリーズの1つだ。壮大な世界観、ちょっとお茶目なシナリオ、魅力的なキャラクター。テイルズ作品の中でも「なりきりダンジョン」シリーズは評価の分かれるところだと思うが……とにかく、個人的にはどの作品も楽しめる。

 その新作「ティルズ オブ ブレイカー」が、携帯アプリとしてリリースされている。これまで全6章のうち第3章が配信されているという段階だが、その完成度には驚かされたのだった。

Photo (C)いのまたむつみ(C)2005 NAMCO LTD.
コンテンツ名 ティルズ オブ ブレイカー
料金 月額525円
対応機種 F900i、N900i、P900i、SH900i、F900iT、P900iV、N900iS、F900iC、SH901iC、N901iC、N900iG、F901iC、P901i、D901i
アクセス 「メニューリスト」-「ゲーム」-「ロールプレイング」-「ティルズ オブ モバイル」

 今回のアプリはシリーズの「外伝」でも「移植作」でもなく、完全オリジナル作品。一から世界設定、キャラを起こしているわけで、その意気込みが知れる。

 両親を殺された主人公「ミカ」が、科学者の少年「ユーテキ」や、女戦士「イーヴリン」など、6人の仲間と出会いや別れを経験しながら成長するという内容。ルキア大陸を旅するうちに、自分を取り巻く謎や、世界の矛盾を解き明かしていく……という、なかなか壮大な展開になっている。

 全然関係はないが、ティルズ開発陣には「ピンクのポニーテールマニア」でもいるのだろうか? アーチェ、チェルシー、プレセア、ナナリー嬢の髪の色も赤系だし、かなりの割合でパーティキャラに組み込まれている。偶然かもしれないが、もしこだわりがあるなら「今回は主人公が赤髪だ。良くやった」とおめでとうを言いたい。

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JMシステム

 ゲームを進めていくと、「JM(ジェネスミグレイト)」と呼ばれる不思議な宝石のような物が手に入る。これを活用することで「命中度」「攻撃力」などのパラメーターがアップする。

 しかし無制限に利用できるわけではなく、各JMは数ポイントが割り振られているので、合計10ポイント以内で組み合わせなくてはならない。相性の良いJM同士を組み合わせると、必殺技も使える。

 JMには星の名前が付いているのだが、実際の星の等級や名前のメジャー性に応じて強力さが変わるようだ。天文好きなユーザーには、ちょっと楽しめるポイント。

連打、連打の戦闘システム

 キャラは主人公を含め、6人の主人公格キャラから2人を選び、戦闘をする。

 ティルズシリーズおなじみの、横スクロールアクション型戦闘システムを採用。ボイスも入って、緊迫感ある戦闘を楽しめる。特技も豊富で“奥義”や“連続HIT数”に応じた経験値がもらえるコンボシステムも健在だ。

 ここで、ちょっと注意点。

 普通に遊んでいる場合には問題ないが、マニアックなファンなどは携帯のボタンに配慮してほしい。特技を多用し、コンボシステムでHIT数を稼ぐためには、どうしても特定ボタンの連打が必要になる。携帯のキーを壊した……なんてことにならないよう、1章ごとに使用キーを変更したほうがいいだろう。それほど、戦闘における連打数はハンパではない。

 実際、筆者ははまりすぎて両手親指を腱鞘炎にしてしまったほどなのだ。

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読み込みが多すぎる?

 ゲーム中にキーコンフィングや、音声、サウンドの変更が出来るなど、随所にユーザビリティの良さが光る。新しい章を始める時にあらすじが示されたり、重要ポイントでの「後戻りできないですよ〜」などのアナウンスなどにもちょっと感動。

 ただし、随所でのパケット通信を行う点にはかなり辟易した。

 隊列を変えるとボイスデータ取得、特技を入れ替えても通信発生、イベント開始時にもデータ取得……何度も繰り返しているうちに電源も切れてしまう。

 ただでさえ、FOMAでアプリを利用すれば電池の減りが早い。正直、移動中のプレイが多い人は使い捨てのバッテリーを握りながら遊んだ方がよいかもしれない。

 ほかにも、パケ放題でないとお財布的にちょっとキツかったり、機種によっては操作がしづらかったり……という側面もある。

 とはいえ、アプリ単体としての完成度は極めて高い。

 アプリだからといって、手を抜いているところが1つもないのだ。絵は綺麗だし、敵キャラまでイベントや戦闘で“たまに一言しゃべる”ところにもこだわりを感じた。

 PSPなどの携帯ゲーム機を買わなくても、携帯電話で十分にゲームを楽しめる。それを証明した、凄い作品だと思っている。

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