「音声が再び熱い」──Nokia、法人市場でモバイルVoIP推進Nokia Connection 2005(1/2 ページ)

» 2005年06月14日 18時32分 公開
[末岡洋子,ITmedia]

 フィンランドのNokiaは6月13日、フィンランド・ヘルシンキで年次カンファレンス「Nokia Connection 2005」を開催した。例年通り、シンガポールと同時開催となった同カンファレンス、本拠地ヘルシンキでは主として戦略や技術にフォーカスした内容となった。

 モバイル・エンタープライズ市場は世界的に見てまだ大きな起爆には至っていないといわれている。Nokiaも以前からエンタープライズ事業を展開しているが、大きな収益にはつながっていない。

 しかしこの日Nokiaはカンファレンスで、ある分野のエンタープライズ戦略を、大きな自信と共に打ち出した。ある分野とは、データではなく“音声”だ。

 Nokiaでエンタープライズ・ボイス・ソリューション担当ジェネラル・マネージャーを務めるヤアッコ・オルッコネン氏は、「音声が再び熱い」と述べる。ICT(情報コミュニケーション技術)という切り口から見ると、音声はユーザー数、支出の両方から見て最大のアプリケーションとなっており、IT支出の割合は10〜25%程度という。「音声はモバイルへ移行し、IPへも移行しつつある。(モバイルとIPの)両方のいいところを組み合わせることで、企業はコストを削減でき、生産性を向上できる」(オルッコネン氏)

 現在、企業における音声通話の利用は、固定電話が4億3000万人以上のユーザーを擁するのに対し、携帯電話は約2億人。ここを統合することは、Nokiaのような携帯電話メーカーにとって大きなチャンスをもたらす。エンタープライズ・ボイスとして、Nokiaがこの日フォーカスしたポイントは2つ、呼の統合、Voice over WiFi(VoWiFi)だ。

固定電話の呼を携帯電話にルーティング

 呼の統合はPBXと無線網の統合になる。WiFiとGSMのデュアルモードをサポートしたスマートフォン、無線LANアクセスポイント、SIPプロトコルでこれを実現しようというのがNokiaの提案だ。

 携帯電話側では、IP/PBXサービスを可能にするソフトウェアが動くことになる。これにより、電話番号は1つ、ボイスメールも1つ、携帯電話への呼をIPネットワークにルーティングしたり、逆にPBXサービスを携帯電話で受けることができるようになるという。

 Nokiaが提案するPBXと無線網の統合スタイル

 「携帯電話の持つ移動性と使いやすさ、固定電話の持つ管理性と機能を持ち寄る」とオルッコネン氏は説明する。例えば“法規制遵守のために通話を録音する必要のある金融企業などが携帯電話の取引を録音できる”──といったことも実現するという。ちなみに、Nokiaでは、PBXとIPベースのPBXの比率は2007年に逆転すると見ている。

 すでに、英ベンチャー企業のOnRelayはソフトウェアベースでPBXサービスを3G/GSM端末上で実現するソリューションを開発。NokiaのSeries 60端末上で、通常の携帯電話番号による通話に加え、会社の電話番号を利用した通話も利用できるという。導入事例も出てきており、期待される分野だ。

 エンタープライズボイスは現在、まだ初期段階だが、携帯電話の通話がIP上に乗る次のフェーズは「まもなく」とオルッコネン氏

モバイルVoIPはビジネスユーザーから広がる

 2つ目はVoWiFiだ。VoIPは、Skypeが走りとなり、固定網で開花しつつあるトレンドで、無線側でもこのブームを享受しようというのがNokiaの考え。モバイルVoIPの市場はエンタープライズに限られるものではないが、企業の無線LAN実装は今年過半数を超える(米国)。このような背景からNokiaでは、モバイルVoIPはビジネスユーザーから広がると見ており、当初ビジネス市場を狙う。すでに、米Avayaや米Cisco Systemsと提携し、協業を進めているという。

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