車載端末での「ワンセグ」の位置づけ東京モーターショー

» 2005年10月21日 22時00分 公開
[杉浦正武,ITmedia]

 移動体向けの地上デジタル放送として、1セグメント放送「ワンセグ」が2006年4月から開始される(9月27日の記事参照)。携帯での受信がクローズアップされるが、車載端末での受信がどうなるのかも注目すべきポイントだ。

 幕張メッセで開催されている「東京モーターショー」で、車載機器メーカーのスタンスを聞いた。

12セグメント放送と共存、ただし「補助的」

 車載端末も、ワンセグ対応が進んでいる。松下電器が展示していたストラーダブランドのカーテレビ「TU-DTV100」は、6月に発売されたもの。しかし「ワンセグのチップも積んでいる。携帯のLSIと一緒で、同じことができる」(説明員)ため、ソフトウェアアップデートするだけでワンセグを視聴可能になる。

 ただし、カーテレビを直接操作してソフトウェアアップデートすることはできない。「TU-DTV100」の場合、PCからSDカードにソフトを落としてそれをカーナビに挿す、という流れになる。「PCを持っていないユーザーもいるので、カー用品店に持っていけば無償でアップデートできるような手順も考えている」(説明員)

Photo TU-DTV100

 気になるのは、デジタル放送チューナーを搭載したカーテレビの場合、携帯とは異なりハイビジョン向けの12セグメント放送を受信できること。ブースでは「TU-DTV100」にワイドVGAのカーテレビをつないで、12セグメント放送とワンセグを並べて展示していたが、これだとワンセグが画質面で劣ることが目立っていた。

 ただ、ワンセグは移動体向けに策定された企画だけに、移動に伴う電波のフェージング(揺れ)により強いというメリットがある。このため、電波環境のよい場所では12セグメント放送視聴、電波環境の悪い場所ではワンセグ視聴……と棲み分けが可能になる見込みだ。

 ワンセグは2008年までは地上デジタルとのサイマル放送なので、12セグメントからワンセグに切り替わったとたんに番組内容がガラッと変わる、といったこともない。携帯のワンセグでは画面を2分割して、下半分にデータ通信エリアを設けているが(9月28日の記事参照)、カーテレビには上りの回線がない。つまり、12セグメントとワンセグを切り替えてもさして画面に変化がない。

Photo あえて、受信信号をフェージングさせてみた。12セグメント放送ではブロックノイズが乗るが、ワンセグは問題なく視聴できる

 ただ各カーナビメーカーの説明員は、12セグメントとワンセグを随時切り替えるのは混乱を招くとの見方でいる。パイオニアブースの説明員は「12セグメントが基本だろう」と話す。

 理由は単純で、そう切り替えてばかりいては挙動がぎこちなくなるからだ。「トンネルの中に入ったとたんにワンセグに切り替え、短いトンネルを抜けたらまた12セグメント、とやっているとユーザーも『変な動作をしている、壊れているんじゃないか』と不安になる」。基本は12セグメントを受信する仕様にして、ユーザーが手動でワンセグに切り替えるなど随時選択する方式が無難だろうという。

Photo パイオニアブースにあった「カロッツェリア」ブランドのテレビチューナー「GEX-P7DTV」。ワンセグバージョンアップ版、との記載があるが、こちらもソフトウェアバージョンアップでワンセグに対応する

 前出の松下電器の説明員は、「TU-DTV100」のリモコンを取り出して「受信モード」のボタンを示しながら、これは実は12セグメントとワンセグを切り替えるために用意したものだと話す。「ワンセグが始まるまでは、何に使うのか分からないユーザーもいるだろうが」(笑)

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