ノキア・ジャパンが開催した記者懇親会に、ノキア・ジャパンのヘイッキ・テンフネン社長が登場し、日本市場に対する取り組みについて説明した。
同社の日本市場での実績としては、ボーダフォンのネットワークインフラの提供や、W-CDMA/GSMのデュアルネットワーク端末「702NK」(9月22日の記事参照)の供給などが挙げられるとテンフネン氏。端末は「702NK II」も登場を控えている(9月20日の記事参照)。今後も「ノキアは日本市場への投資を引き続き行う」とし、コンシューマーマーケットのみならず、エンタープライズ市場での展開も視野に入れていると説明した。「これまでノキアが培ってきたネットワークセキュリティビジネスの経験を生かして事業を展開していけると思っている」(テンフネン氏)
日本の携帯市場は、さまざまな変化の兆しが見え始めている。サービス面では、NTTドコモに続いてKDDIとボーダフォンも「おサイフケータイ」のサービスを開始。初のワンセグ対応携帯電話も12月には登場する見込みで、プッシュ・ツー・トークサービスもドコモとKDDIが開始している。
こうした日本独自、キャリア独自のサービスへの対応についてテンフネン氏は、「将来的には日本の事業者の要求に見合う製品を発表していけるようにしたい」という。
「(ワンセグ携帯について言えば)ノキアではモバイルテレビ規格の『DVB-H』(用語参照)対応端末(11月2日の記事参照)を開発している。DVB-H端末を開発するスキルを培っているので、その開発成果を他の市場に展開していくことが可能だと思っている」(テンフネン氏)
おサイフケータイ(FeliCa機能)についても(特集参照)、「日本で広く採用されている技術だと認識している。日本に向けて商品を提供していくことを考えると、将来はこうしたものに対応していかなければならないのは明らか」と、対応に前向きな姿勢を見せた。
テンフネン氏は12年ぶりに3社に免許が交付された「新規参入組」への対応についても言及。W-CDMAを採用するBBモバイルとイー・モバイルに割り当てられた1.7GHz帯が(11月9日の記事参照)、今後、世界的にも使われていく周波数帯であることから、「ノキアとしてサポートしていくことができる」と述べた。「我々の戦略と合っているので、お手伝いできることは多いと思っている」(同)。既にネットワーク対応機器や端末も対応するものは持っているとしたが、具体的な対応については明言を避けた。
また、日本ではドコモが「FOMAプラスエリア」で使う、800MHz帯への対応についても(5月17日の記事参照)「私たちの技術的なポートフォリオに入っていくことになる」とした。
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