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» 2005年12月14日 18時15分 UPDATE

携帯は「睡眠障害を引き起こさない」〜総務省

携帯の電波で、人間の睡眠・覚醒のリズムが崩れることはない――。そんな結論を導く実験結果が発表された。

[杉浦正武,ITmedia]

 総務省は12月14日、携帯の電波が人間の睡眠を促す脳内ホルモンに悪影響をおよぼさないとする実験結果を発表した。同省が進める、電波の安全性を調べる調査の一環。

 携帯の電波が睡眠に与える影響を調べるため、408匹のラットを用いて実験を行った。電波をばく露したラット群と、電波ばく露を行わないラット群を用意し、それぞれのメラトニンおよびセロトニン値を調べた。

 セロトニンとは、食事で摂取されるアミノ酸から合成される神経伝達物質。精神を安定させる作用がある。またメラトニンとは、人間の脳のほぼ中央部にある松果体と呼ばれる器官でセロトニンから合成されえるホルモン。これらは睡眠、覚醒のサイクルに作用することで知られている。

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 電波ばく露では、平均SAR(用語参照)が7.5ワットパーキログラムという、電波防護指針の基準値より数倍強い電波を用いた。2002年度と2003年度には短期的影響を調べるために1回4時間の電波ばく露を行い、また2004年度には中長期的影響を調べるために1日1時間の電波ばく露を4週間行った。

ms_bakuro.jpg 写真はいずれも総務省の資料より抜粋

 結果は、ばく露を行ったラット群と行わなかったラット群の間で、メラトニン値やセロトニン値に有意差(統計学上偶然では起こりえないとされる差)が生じなかった。つまり、どれだけ電波ばく露しても睡眠・覚醒に作用する脳内ホルモンに悪影響がなかった。

 総務省では、「生体電磁環境研究推進委員会」を開催して、電波の生体安全性を研究、評価している。これまでも、「携帯の電波は学習能力に悪影響がない」とする実験結果などを発表している(2002年11月13日の記事参照)

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