インタビュー
» 2006年05月15日 00時10分 UPDATE

開発者に聞く「W41H」(ワンセグ編):最強のワンセグ視聴環境を目指した「W41H」 (1/2)

auの春モデルの中で唯一ワンセグ視聴に対応している「W41H」は、その外観からも分かるとおり「テレビが快適に見られること」に主眼を置いて開発された。

[園部修,ITmedia]

 ワンセグ放送が視聴できる携帯電話は、現在NTTドコモとKDDIから計3モデルが発売中だが、中でも日立製の「W41H」は、ワンセグ放送の受信に特化した高機能な端末として人気が高い。いままでにない「ワンセグ」機能の搭載にはどのような苦労があったのか。「開発者に聞く『W41H』」のワンセグ編では、先に掲載したデザイン・機能編(4月22日の記事参照)に引き続き、開発現場の話をお届けする。

テレビ機能を中心に考えたユーザーインタフェース

 auの端末ラインアップの中で、“AVケータイの日立”というイメージを確立することを目指し開発されたW41Hでは、テレビのような外観デザインと2.7インチという大型のワイド液晶を採用することで独特の存在感を持つ端末に仕上がった。ユーザーインタフェースなどのソフトウェア開発を担当した、開発設計本部ソフト設計グループの後藤悦宏氏は「他社製品には絶対負けないといえるだけの機能が搭載できた」と話す。

Photo カシオ日立モバイルコミュニケーションズ開発設計本部ソフト設計グループの後藤悦宏氏と戦略推進グループの上島敦彦氏

 後藤氏らは、W41Hがワンセグ受信機能をウリにし、テレビをモチーフにしたデザインを採用することが決まった直後から、テレビ機能に関するさまざまなアイデアを持ち寄った。「あまりにもたくさんのアイデアが出たので、それらをまとめて行く作業が大変だった」と振り返る。特に一般的なテレビに搭載されている機能は、テレビのカタログなどを参考にしながら徹底的に研究し、携帯電話に必要なものを吟味して盛り込むものを決めていった。

 ただ「ワンセグ視聴機能がウリとはいっても、基本はあくまでも携帯電話である点には細心の注意を払った」と戦略推進グループの上島敦彦氏は話す。例えばイヤフォンは常に接続しているものではないため、音声なしでもある程度テレビ番組が楽しめる「字幕」機能は絶対に欠かせなかった。また、着信があったときにはすぐに電話が取れ、通話中は最長2分間映像を一時保存し、通話終了後に追いかけて再生するタイムシフト再生機能もW41Hならではの便利な機能として搭載は必須だった。

 特に字幕機能は最初から絶対に必要だと主張していたため、後にKDDIの標準仕様に取り入れられたというエピソードも披露してくれた。「やはり携帯電話としての利用がメインになることを考えると、常にイヤフォンを装着した状態で使ってもらえるとは考えにくい。だからこそ字幕は外せないと思った。W41Hの標準設定では常に字幕が表示されるようにしている」。画面を縦位置にして視聴する際は、一般的なQVGA液晶より縦が80ドット長いメリットを生かし、うまい具合に字幕が表示できたのも常に表示させるようにした理由の1つだという。

あえて非搭載にしたアナログテレビ機能

 W41Hのワンセグ視聴機能は、とにかく快適な視聴環境を目指しさまざまな機能を盛り込んだが、先に発売された三洋の「W33SA」にあるアナログテレビを受信する機能は、W41Hには用意されていない。その理由を上島氏に尋ねると「“新ステージ携帯”としてアピールしようとしているW41Hを、移行期のハイブリッド的モデルにはしたくなかったから」という答えが返ってきた。「アナログテレビ機能を搭載しないという判断は、間違っていなかったという自負がある」

 同氏は「ワンセグ対応端末を購入するユーザーは、やはりワンセグ視聴機能に期待して端末を購入するはず」だと話す。ワンセグ機能さえしっかりしていれば問題ないとの認識だ。ワンセグが視聴できないエリアでもアナログテレビが見られるように搭載したほうがいいという意見も挙がったが、ワンセグ放送が入りにくいエリアは結局アナログ放送も入りにくい。検討を重ねた結果「アナログに対応しなくても問題はない」と判断した。

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