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» 2007年06月20日 00時00分 UPDATE

「D01NE」「D01NX」 レビュー:今買うならどっち?――「D01NE」「D01NX」徹底比較(後編) (1/3)

ノートPCでモバイルブロードバンドを実現するイー・モバイルのデータ通信カード「D01NE」と「D01NX」の徹底比較後編は、通信速度や消費電力、移動時の安定性や地下街・地下鉄での使い勝手を検証する。

[坪山博貴,ITmedia]

 前回は、イー・モバイルのデータ通信カード「D01NE」「D01NX」の仕様や使い勝手の違いについて触れた。今回は、2製品の気になる送受信速度や消費電力の違いをチェックする。さらに、現状では電波が入らない場所が多い地下施設での利用や、高速移動時の通信速度などについても検証してみた。

yo_D01_01.jpgyo_D01_02.jpg CFカードタイプの「D01NX」とPCカードタイプの「D01NE」

D01NEとD01NXの送受信速度はどう違うのか

 PCカードタイプのD01NEとCFカードタイプのD01NXでは、カードの幅がそのまま可動式アンテナの長さの違いになっている。同じようにPCカードタイプとCFカードタイプが存在するAIR-EDGEの通信カードでも、ほぼ同じ環境であればPCカードタイプの方が通信速度が速いという傾向だった。当然、D01NEとD01NXについてもこの点が気になる人は多いだろう。

 そこで、同日・同時間帯の4カ所で、D01NEとD01NX、さらにD01NXに付属の外付けアンテナを接続しての送受信速度チェックを行ってみた。

photo 「D01NE」「D01NX」速度比較

 1カ所での計測は3回づつ。計測が完全に中断した場合を除き、そのまま結果として採用している。1カ所目は都心部のカフェの窓際で、電波状態は比較的良好な場所だが、その差異は実用レベルではほとんど気にならないという所だ。D01NXでは外付けアンテナの効果も発揮されてはいるものの受信速度はD01NEを上回れなかった。この程度の差であれば、わざわざ外付けアンテナを取り付ける必要はないだろう。

 2カ所目以降は、意図的に電波状態の悪い場所を選んだ。D01NEを基準にすると、D01NX単体(外付けアンテナ無し)では電波状態によって受信速度が影響を受けやすく、明らかに見劣りする。一般的なインターネット利用では受信速度の方が重視されるのでD01NEの方が快適だろう。ただし送信速度に関しては必ずしもそうではなく、むしろD01NXが上回ることもあった。

 D01NXに外付けアンテナを組合わせると状況は大きく変わる。3カ所中2カ所でD01NX+外付けアンテナがD01NEの受信速度を大きく上回り、残る1カ所でも拮抗した。また、送信速度も向上する傾向がある。取付けるのが面倒というマイナス材料はあるが、メリットは大きく、組合わせる事でD01NEと同等かそれ以上の送受信速度を得られそうだ。

 ただし、D01NX+外付けアンテナへの過大な期待は禁物だ。圏外表示になる場所で外付けアンテナを装着すると、アンテナバーが0〜1本となる事もあったが、インターネット接続は難しかった。

 基地局からの電波は受信できるが、端末からの電波が基地局まで届かなかったのだろう。検証結果からも分かるように、外付けアンテナの効果が大きいのは受信であり、利用可能エリアを大きく広げるまでには至らないようだ。

消費電力の違いもチェック

 前回も軽く触れたが、2製品での消費電力の違いも気になる所だ。ヘビーユーザーであれば、通信速度よりもこちらの方を重視す人もいるだろう。

 そこでD01NEとD01NXに加え、ノートPC内蔵の無線LAN(Intel 2945ABG)と、ウイルコムのUSB接続データ通信ユニットである“DD”「WS002IN」(W-SIMはRX410IN。契約は2xパケット通信)も加えて消費電力の違いもチェックしてみた。筆者のノートPCでは、D01NXの付属ユーティリティを常駐させておくと消費電力が目に見えて多くなる傾向があった。そのため、今回はD01NE/D01NXともに付属ユーティリティは利用していない。なお、D01NEの付属ユーティリティでは消費電力の変化はほとんど見られなかった。

 消費電力の計測は、バッテリー駆動の状態で、WindowsXPのパフォーマンスモニターである「BatteryStatus」の「DischargeRate」を利用し、PC全体での消費電力を計測した。計測時の条件を同一にし、測定値のバラツキが無くなってから計測を開始しており、相対比較としては問題ないだろう。計測時間は180秒間で、1秒単位で計測結果をログファイルとして記録している。

 計測は計8パターンで行った。D01NE/D01NX/WS002INでは、ノートPCに装着しただけの待機時と、通信状態の計6パターン。さらに無線LANを使う場合の通信時と待機時。無線LANは公衆無線LANの整備状況を考慮し、あえてIEEE802.11bで接続している。

 通信状態での計測は、接続後30秒くらいでFTPサーバーに接続し、ファイル受信を開始。最高通信速度が期待できる受信環境下で、データ送受信の有無による消費電力の変化を見た。

 なお、D01NEとD01NXの受信速度は1.5〜2Mbps程度。WS002INは約60Kbpsで、無線LANは5Mbpsだった。WS002INは回線契約の関係上、2xパケット接続である点を考慮し、評価してほしい。

photo 「D01NE」「D01NX」消費電力の比較

 まず、D01NEとD01NXの違いを比較してみよう。PCにカードを装着するだけなら、消費電力にほとんど変化はない。通信時は、データ送受信の有無に関わらずD01NXの方が消費電力が少なくなっている。さらにD01NXの消費電力が、データ送受信中でもD01NEの待機時を下回っていることに注目したい。通信速度では若干D01NEが有利なため、消費電力とのトレードオフとも言えるが、モバイル用途としては無視できない差が生じている。

 他の機器とも比べてみよう。PCとUSB接続するWS002INは、ただ接続しているだけでも消費する電力が多い。通信時もD01NE/D01NXを上回ったのは意外な結果だ。より新しいW-SIMの「RX420AL」や「RX420IN」に替えれば、消費電力が多少下がる可能性は高いが(W-SIM単体での消費電力は低い)、それでもD01NE/D01NXと比較すると不利と言えそうだ。ちなみに筆者は、ExpressCard/34カード仕様の「WS008HA」も所有しているが、こちらはさらに消費電力量が多いため比較は見送った。

 ノートPC内蔵の無線LANでは、待機時と通信時の消費電力の差が大きかった。OSの省電力機能がうまく働いている結果だろう。今回の比較に限れば、消費電力はD01NEより少なく、D01NXより多い。繰り返しになるが、今回は公衆無線LANスポットの利用を想定してIEEE802.11bで接続している。より高速なIEEE802.11gやIEEE802.11a接続では、消費電力が1mAh程度高くなる。

 以上の結果をまとめると、D01NEとD01NXが既存(PHS・無線LAN)のワイヤレスインターネット接続機器と比較して、消費電力面で不利になることはないだろう。

 今回、カードタイプのウィルコム端末はテストしていないが、通信時消費電力のカタログ値はDDと同じか、それを上回る。少なくとも、ウィルコムからイー・モバイルに乗り換えても、ノートPCのバッテリー動作時間が大幅に短くなる事はなさそうだ。

 無線LANと比較すると、D01NEの待機時消費電力がやや高い。使わないときはこまめに切断し、バッテリー残量を温存――という使い方が必要だろう。

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