8月21日、ついに携帯電話向けにも「モバイルGoogleマップ」が登場した。ドコモの903iシリーズ以降の端末向けにリリースされたこのアプリは、“ほかの国の担当者がうらやましがる”ほどダウンロードされたといい、出足は好調な模様だ。
「重点を置いたのは、ユーザビリティ。どれだけ使い勝手をよくできるかにフォーカスした」──。アプリ開発に携わったグーグルの石原直樹ビジネスプロダクト マネージャーが、こう自信を見せる日本語版モバイルGoogleマップはどんな機能を備え、どこが便利なのか。その特徴を聞いた。
モバイルGoogleマップは、場所やサービス名、ショップや施設の名前などを入力すると、該当する地図と情報を表示するアプリケーション。表示は地図と航空写真から選択可能だ。
渋谷でタイ料理が食べたいと思ったら「渋谷 タイ料理」、沖縄の那覇に出張してレンタカーを利用したいと思ったら「那覇 レンタカー」と入力すれば、店の情報と地図が表示される。日本の情報だけでなく、16カ国以上の地図や地域情報を表示できるため、海外出張に海外ローミング対応端末を持っていったときにも便利に使えるはずだと石原氏。「海外出張先のニューヨークでおいしいものを食べたいと思ったら『ニューヨーク うまい』で検索すればいい」(石原氏)
アプリの開発にあたっては、とにかく少ないクリック数で使えるように配慮したという。モバイルGoogleマップでは、アプリを起動すると、まず前回利用した地図が表示されるようになっているが、これはユーザーが“前回見た地図を見たい”と考える可能性が高いと考えたからだ。地図を表示させるには、右上ソフトキーでメニューを呼び出し、「お店やサービスの検索」「場所を検索」のいずれかを選んでキーワードを入力。入力を確定すると即座に検索が開始され、地図や店舗などの情報を表示する。検索メニューの中には、最近の検索履歴も表示され、履歴を選択した場合は決定キーを押すだけで検索が始まる。
店舗などの情報は、重要度の高い順に9件が表示され、それぞれの情報は対応するダイヤルキーを押すことで選択可能。もう一度ダイヤルキーを押すと住所や評価などの詳細情報が表示され、ワンクリックでリンク先のiモードサイトにアクセスしたり電話をかけたりできる。「重要度は入力したキーワードやパートナーサイトの評価などがベースとなり、順位は入れ替わることもある」(石原氏)
表示された地図は、決定キーを1回押すごとにズームインする仕組みで、地図の展開中に決定キーを連打してもそれが反映される。「ズームインは使う可能性が高い機能。それを分かりやすい中央のキー(決定キー)に割り当てた。処理を行っているときに操作してもそれに対応するようチューニングしているので、ストレスなく操作できる」(石原氏)。地図のスクロールには十字キーが割り当てられ、スクロールに応じて地図が自動でダウンロードされる。「いったん読み込んだ情報は保存する仕組みで、次回の読み込み時に時間がかからないよう配慮した」(石原氏)
地図の表示色は見やすい色を選び、一部のビルなどは高さ情報に基づいた3Dで表示。また、地図が文字や線などの情報で埋め尽くされないよう、ユーザーが重視するであろう情報を厳選して表示しているという。
今回、ドコモ端末向けに最初にアプリを提供した理由について石原氏は、Googleマップのデスクトップ版を生かす形でモバイル版を開発することを考えたときに、技術的にドコモのJavaの仕様が適していたからだと説明。他キャリア端末への対応については、ユーザーの要望に応じて検討すると話すにとどめた。
拡張機能として期待される、アドレス帳情報やGPS情報との連携については、モバイルGoogleマップがキャリアの公式コンテンツとして提供するアプリではないため、現状では対応できないと石原氏。ただ、ユーザーからの要望は多く、何らかの対応策を検討したいと付け加えた。
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