ニュース
» 2007年09月13日 19時35分 UPDATE

Ericsson Strategy and Technology Summit:音楽ケータイを軸に世界シェア3位を目指す──Sony EricssonのフリントCEO

世界の携帯シェアで4位につけるSony Ericsson。ウォークマンやサイバーショットなど、ブランドの名を冠したケータイを幅広いユーザー層に展開し、周辺サービスの充実を図ることでトップ3入りを狙う。

[末岡洋子,ITmedia]

 9月11日、Ericssonが英ロンドンで開催したイベントにSony Ericssonのマイルス・フリントCEOが登場し、同社の現状と今後の戦略について説明した。

 Sony Ericssonは、6年前にソニーとEricssonの合弁会社として発足し、2004年に黒字に転換。この第2四半期には出荷台数が前年同期比59%増、売上高は同55%増の3億2700万ユーロ(約521億円)を達成するなど、業績は好調に推移しているが、世界シェアは4位に甘んじている。講演は、トップ3入りに向けた戦略が大きなテーマとなった。

好調な業績を支えるブランドケータイ

Photo Sony Ericssonのマイルス・フリントCEO

 同社の業績に大きく貢献しているのが、「Walkman」ブランドで展開している音楽ケータイだ。第2四半期だけで900万台を出荷。「音楽ケータイ分野でリードしている」とCEOのフリント氏は胸を張る。カメラブランド「Cyber-shot」の名を冠したカメラ端末も好評だという。

 Sony Ericssonのユーザー層は、一般的な携帯電話のユーザー層に比べて、端末のマルチメディア機能を活発に利用する傾向があるとフリント氏。調査会社の英M:Metricsが行った調査によると、Sony Ericssonユーザーは3Gユーザーが占める比率が平均の2倍以上で、PCから転送した音楽を聴く比率はWalkmanブランドユーザーは5倍、通信キャリアが提供する音楽サービスからダウンロードする比率も5倍だという。また、Sony Ericssonのカメラ付き端末のユーザーは、写真共有にネットワークサービス(MMSなど)を利用する比率が平均の2倍に達している。

端末だけでなく、サービスも──包括的な音楽ケータイ戦略

 Sony Ericssonは、2005年に音楽分野に注力するという方針を打ち出した。フリント氏はこれを、3つのステップで進めていくことにしたという。まずは、“音楽プレーヤーとしての携帯電話”を確立し、次にコンシューマー向けのアプリケーションとサービスの作り込みを行う。そして通信キャリアとの協業とサービスの提供で収益増を目指すという流れで事業を展開する考えだ。同氏は、この2年で2つ目の段階までクリアしたと説明する。

Photo コンテンツ&サービスポートフォリオ&プラットフォーム担当ゼネラルマネジャーのビヨルン・アールバーグ(Bjorn Ahlberg)氏

 音楽分野を担当する、コンテンツ&サービスポートフォリオ&プラットフォーム担当ゼネラルマネジャーのビヨルン・アールバーグ(Bjorn Ahlberg)氏は、ソフトウェアとサービス側からの取り組みを紹介した。

 2005年にオーディオプレーヤー「Walkman Player」を搭載する端末をリリースしたSony Ericssonは、2006年に「Sony Ericsson W850i」などの端末に楽曲販売サイトを統合。以降も、音楽情報ブラウジング機能の「TrackID」や楽曲に“感情”情報をつけて分類する「SenseMe」など、携帯で音楽を聴くのが楽しくなるようなサービスを提供してきた。

 2006年10月には、アーティスト発掘型の音楽ダウンロードサービス「M-BUZZ」もスタート(2006年9月の記事参照)。これらのサービスを無料で提供し、通信キャリアが独自に提供する楽曲販売サイトとの連携も図れるようにした。ユーザビリティについても、少ないクリックで楽曲を購入できるよう配慮しており、それが結果として利用に結びついているという。

 このような、端末にとどまらない包括的なアプローチは効果を上げているようだ。アールバーグ氏によると、TrackIDの搭載端末は、2006年10月のサービス開始以来800万台を出荷。利用も右肩上がりで、今年8月には1100万があったという。

新興市場向けのエントリーモデルにも進出

 BRICsを中心とする携帯の新興市場が盛り上がる中、Sony Ericssonも1年前に、主に75ユーロ(約1万2000円)以下のエントリー製品を扱う事業部を立ち上げた。この分野向けには2007年に、「T250」など、すでに7機種を発表済み。これまでミッドレンジからハイエンドモデルを中心に開発してきたSony Ericssonにとって、この市場は新たな挑戦となる。

 同事業部を率いるエントリー製品事業部トップ兼副社長のハワード・ルイス氏は「単なる低コスト端末ではなく、コスト性能比に優れ、提供する地域のニーズを取り入れた製品を展開したい」と意欲を見せる。

 同社は新興市場向け端末開発を強化すべくインドに製造拠点を設け、今年3月には仏Sagemとの提携を発表した。この提携により、SagemがGSM/GPRS対応機などのエントリーモデルを設計・製造することになり、今後、エントリー向け端末は米Texas InstrumentsとSagemをベースとする方針だ。

 この市場については、2007年から2年間はブランドの確立やコンシューマーへのアピール、デザインとアプリケーションの開発/機能強化、顧客のセグメント化に注力する計画。ルイス氏は、「(競合他社のように)単なる出荷台数増加を狙ったものではなく、新しい顧客の開拓やブランドの拡大を目指すものと位置づけている」ことを強調した。

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.