アイピーモバイルは10月2日、筆頭株主の森トラストから提案があった臨時株主総会を開催し、竹内一斉社長を含む取締役4人の退任と新取締役2人の選任を決定。前会長の杉村五男氏は新体制のもと、アイピーモバイル社長に就任した。
新取締役は佐藤勝久事務所 代表取締役の佐藤勝久氏とワッショイ 取締役の梶谷農氏。佐藤勝久氏は森ビルでラフォーレ原宿やビーナスフォートの開発などを手がけたこともある人物。梶谷農氏が取締役を務めるワッショイは、TD-CDMAシステム向けの端末開発を手がける企業。
なお臨時株主総会後の取締役会で、森トラストが保有するアイピーモバイル株16万4422株の杉村五男氏への譲渡が承認され、筆頭株主は森トラストから杉村氏へ異動した。
アイピーモバイルの筆頭株主は、2007年4月にマルチメディア総合研究所から森トラストに異動し、その後米NextWave Wirelessに移ったあと、再度森トラストに戻り、次は杉村氏と、短期間に4回も入れ替わっている。
アイピーモバイルには、2GHz帯でのTD-CDMA方式による携帯電話事業免許取得時に、2007年11月9日までのサービス開始が条件として課されている。期限が目前に迫る中、現状では基地局の数も7局から増えておらず、本当にサービスが開始できるのか懐疑的な見方もある。
9月28日に会見を開いた前社長の竹内氏によれば「11月のサービス開始は可能」とのことだが、残り1カ月少々で数百局の基地局を開局させるのは容易なことではない。アイピーモバイルのサービスがどのような形でスタートするのかも、現状では分かっていない。総務省は事態を静観する構えだ。
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