インタビュー
» 2008年10月24日 17時27分 UPDATE

iPhone版も登場――ユニクロのブログパーツ「UNIQLOCK」の可能性

テレビCMとは異なるアプローチでブランドを訴求するユニクロのブログパーツ「UNIQLOCK」に第4弾が登場した。ユニクロが目指す新たな広告戦略、そして携帯電話やiPhoneへの搭載について、開発スタッフに話を聞いた。

[あるかでぃあ(K-MAX),ITmedia]

 ユニクロは10月23日、インターネット上のブランド訴求ツールとして展開しているブログパーツ「UNIQLOCK」シリーズの第4弾「UNIQLOCK4」を発表し、同社サイトで配布を開始した。

 UNIQLOCKとは、ユニクロが2007年6月から配信しているブログパーツで、「音楽」「ダンス」「時計」の3つの要素がミックスされたビジュアルが特徴。PCからUNIQLOCKのサイト(外部リンク)にアクセスすると、音楽とともに、軽快なダンスを繰り広げる4人の女性の映像が表示され、数秒おきに時計に切り替わる。

 新たにリリースされたUNIQLOCK4の撮影現場で、ユニクロ グローバルWEB事業部 部長の勝部健太郎氏と、撮影を担当したProjector代表の田中耕一郎氏に、UNIQLOCK4に込めたメッセージと、ユニクロが目指すインターネット活用の方向性について話を聞いた。

photophoto ユニクロ グローバルWEB事業部 部長の勝部健太郎氏(写真=左)と、Projector代表の田中耕一郎氏(写真=右)

「ユニクロックガールズ」たちが演出する“変わらない変革”

 「UNIQLOCKという表現そのものが、すでに新しいんです」――こう話すのは、勝部氏だ。これまでも同社は、2006年に「UNIQLO MIXPLAY(外部リンク)」というインターネットコンテンツを制作し、そしてUNIQLOCKを展開してきた。そのUNIQLOCKも第4弾へと進化したが、これまでとコンセプトの大きな違いはないという。

 「新しさというのは、必ずしもすべての人に必要だとは限りません。これまでUNIQLOCKは第3弾まで作られてきましたが、1から3のうち、世界では3しか見られていません。今度の作品は、UNIQLOCKというものをさらに世界中へ展開するためのものなのです」(田中氏)

 UNIQLOCKは、インターネット上に作られたWebサイトやブログに貼り付けられる、いわゆる「ブログパーツ」だ。ブログ上で常に時刻を表示し続け、テンポのよい音楽とともに非日常的で不思議な映像を刻々と映し出していく。その“時計”としての機能を勝部氏と田中氏はこう説明する。

 「例えば腕時計って、それほど付け替えるものじゃないですよね。いつも同じものを使うから愛着がわくじゃないですか。ブログパーツも同じだと思うんです。常にそこにあるから愛着がわく。UNIQLOCKにはそういう腕時計のような愛着を持ってもらいたいのです。その上で、新しさを求めていきたいですね」(田中氏)

 「時計は、時を計る普遍的なルールです。秒/分/時/日という不変の単位が、 時計の普遍性を生み出しています。一方で、時計の表現は、市場のニーズとともに変化します。UNIQLOCKで大事にすべきことも同じです。 不変の軸は変えずに、新しい表現の変化を生み出していく。その結果として世界中のユーザーが使い続けたくなるユニバーサルスタンダードな時計になってほしいと思っています」(田中氏)

photo 緊張感漂う撮影現場。新製品「ヒートテック」の“暖かさ”を表現するため、あえてコンクリートに囲まれた寒々しい雰囲気の場所を選んだという

 今回の撮影は2008年冬〜2009年春に向けたものであり、同社のヒット商品であるインナーウェア「ヒートテック」シリーズをアピールしている。それを着て華麗に踊る女性陣は、これまでのUNIQLOCKシリーズに登場したのと同じ4人だ。

 「いつの間にか『ユニクロックガールズ』なんて呼ばれているようですが(笑)、彼女たちには今後も一緒に踊ってもらおうと思っています。UNIQLOCKの軸はずらさずに、新しい試みを重ねていく。プロジェクトに関わることでスタッフも成長する。連続性の中で、作品が成長していくんです」(勝部氏)

 「(UNIQLOCKの)アーカイブ(外部リンク)」の1から4までを見てもらえると、その“変わらない変革”を感じていただけると思います。UNIQLOCKは新たな構造を持った現代音楽です。ネット発信のメジャー作品というのは、珍しいんじゃないでしょうか」(田中氏)

photophoto メイクや衣装は詳細にチェック。振り付けも指先の動き1つ1つにまで指導が入る

 また、以前から「店舗とWebを行き来する『循環型のモデル』を作っていきたい」というビジョンを持つ同社は、インターネットを使った広告媒体としてのUNIQLOCKを、マーケット拡大に向けた重要なツールに位置付けている。

 「(インターネットは)今後進むべきビジョンです。日本にはいくらでも広告媒体がありますが、世界に出ると露出機会が極端に少ない。UNIQLOCKをコマース戦略の主力に位置付け、世界中のPCの窓口にしたいですね。さらに、マスプロダクト(商品体験)を含めたマーケティングも検討しています」(勝部氏)

 「メディアで宣伝されていても、Webユーザーからは全く反応がなかったりします。それで果たして『成功』といえるのか。話題になっているといえるのか。日本のブログの力は世界中で評価されているので、いかに話題に乗せて引き出せるかが、これからの指標であり、課題だと考えています」(田中氏)

iPhone版のUNIQLOCKも開始

 10月23日から配信されたUNIQLOCKの第4弾「ヒートテック編(外部リンク)」は、iPhone用のアプリとしても提供され、PC版と同様の動画を視聴できる。

photo この際、“ユニクロケータイ”なんていうものが開発されたら面白そうだが、「できたら面白いですけど……難しいですよね(笑)」(勝部氏、田中氏)

 国内キャリアの携帯電話に対応する予定があるのか尋ねたところ、開発中ではあるものの、「各社の仕様に合わせるのが難しい」とのこと。まずはiPhoneでの展開が先行する。

 「これまでの携帯電話では機能面の制約があるので小さな待受画面程度しか作れませんでした。しかし、携帯電話はより幅広く情報発信できるツールの1つとして考えています。GPSにも対応させるなど、“メディアツールとしてのUNIQLOCK”などができると面白いかもしれません。ケータイは、よりタイムリーな情報が流通するメディア。日本のケータイは有力なプラットフォームだと思います」(勝部氏)

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.