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» 2011年01月14日 11時00分 UPDATE

“WiMAX Speed Wi-Fi”「AtermWM3500R」ロードテスト:第2回 AtermWM3500Rの「8時間バッテリー」──本当に8時間動作するか、ねっちり検証

AtermWM3500Rの魅力の1つが「8時間の長時間バッテリー動作」。とはいえ、PC機器においてはカタログ値と実利用時で値が大きく異なることもある。実際にどうかをチェックする。

[坪山博貴,ITmedia]

「8時間の長時間動作」、これはポータブル機器として大きな武器だ

photo NECアクセステクニカ「AtermWM3500R」

 WiMAX対応のポータブル無線LANルータ「AtermWM3500R」の特に特徴的で“うれしい”仕様が、カタログ値で約8時間とする長時間のバッテリー動作性能だ。

 ちなみに、バッテリーは3.7ボルト/2500mAhのリチウムポリマー型。前モデル「AtermWM3300R」の1800mAhバッテリーと比べて容量は約1.4倍ほどに増えている。ただ、バッテリー動作時間はWM3300Rの約2.5時間から8時間ということで、こちらは3.2倍にも伸びている。単にバッテリー容量を増やして動作時間を伸ばしただけではないことが分かる。

 そのほかのWiMAXルータでは、ソフトアンドハード「egg(iWWR-1000J)」が約5時間、2011年1月31日発売予定のアルチザネットワークス「WiMAX Mobile Router AZ01MR」が約4時間以上(予定)だ。WM3500Rはこれらと比べても大きく差を付けている。ともあれ、カタログ値ではなく、実利用時でどれくらい動作するのかという点が重要だろう。


photophotophoto 左からAtermWM3300R、egg、AZ01MR

 なお、WM3500Rの初期設定においては他機種と比べる前に考慮すべき部分がある。まず、無線LANの送信出力が最小の12.5%に設定されており、約8時間のカタログ値はこの設定が前提のようだ。eggはそもそも送信出力を調整する設定がなく、WM3300Rは100%が初期値だったので前提は少し違う。あわせて、4つの状態表示インジケータは自動消灯とする設定にもなっている。こういった省電力化のための工夫もしっかり施している──とよい意味でとらえているが、実動作時間の比較についてはこれらも考慮してチェックしたい。

 バッテリー動作時間のチェックは、iPhone 3GS、Xperia、SH008(Wi-Fi WIN)の3台を無線LANクライアントとして接続し、メールの自動受信・Twitterクライアントの10分間隔で自動更新をかけて定期的にデータ送受信が発生するようにしたほか、別途定位置(喫茶店)でのPC接続を1時間使用する、平日のほぼ同じ時間帯に東京23区内を普段行動するとおりにいろいろ移動する行動パターンで行った。クライアント数はともかく、ポータブル無線LANルータ+スマートフォンを活用する時にありそうなシーンを想定したのですべて同じ条件ではないのだが、今回のテーマにおいては一応の参考になるだろう。

 なお、数日に渡るこの検証作業中に新ファームウェア(Ver.1.1.0)が提供されたが、今回は検証条件をそろえるため、あえてファームウェアのアップデートは行わずに検証した。

photo 上記実利用時のバッテリー動作時間

photo WM3300Rと違い、バッテリーは着脱できない仕組みとなっている。ただ、8時間動作するならば予備バッテリーがなくてもたいていは大丈夫だろう(そうでない場合も、USB接続型のポータブルバッテリー・充電器で対処できるので安心してほしい)

 結果は上記表の通りだ。やはり最も長く使えたのはWM3500Rの初期設定(送信出力12.5%/インジケータ自動消灯の設定)で、8時間47分(527分)動作した。

 また、今回テストした限りでは送信出力を低くしても、意外に……大きな違いはなかった。100%設定でも8時間17分(497分)とカタログ値の8時間を余裕で超えた。ちなみに送信出力50%と100%で結果が逆転し、50%設定の方がわずかに短かったのだが、(日によって少し違うPC利用の仕方なども影響したと思うが)これは、そもそも送信出力の設定がバッテリー動作時間に与える影響が少ないことの証でもあるといえるだろう。

 対して動作時間への影響が大きかったのは情報表示インジケータだ。常時点灯する設定にしていると、送信出力12.5%の設定でも8時間を割る7時間38分(458分)と、かなり短くなった。それでもeggは送信出力「弱」で5時間33分(333分)だったことを考えると、WM3500Rはプラス2時間分も余裕がある。


 なにより、送信出力を100%にしてもカタログ値の8時間を切らなかったのは立派だ。カタログ値に偽りなしと言ってよいのではないだろうか。ポータブル無線LANルータの利用においては、使う無線LAN機器と本機の距離がそれほど離れるシーンは少ないだろうから、100%フルで出力する必要もないとは思うが、それほど変わらないのであればそれはそれでよい。また、普通に8時間動作するならば、同じく長時間動作のバッテリーを備えるモバイルノートPCやスマートフォンなどより「先」にバッテリーがなくなってしまうことも限りなく少なくなるだろう。

 最後に、発売初期のファームウェア(Ver.1.0)は無線LANの接続が機器によっては不安定になる症状やオンラインサインアップが完了しない場合がある不具合も散見された(こちらはVer.1.0.2で解消)が、これを改善するファームウェア(Ver.1.1.0)により不具合は解消された(と思う。筆者の環境では問題ない)。同時に、バッテリー動作時間に影響を与えるであろういくつかのうれしい機能追加も行われた。

 というわけで次回は、新ファームウェアの機能追加チェックと、それでバッテリー動作時間がどう変わるか、さらにじっくり検証してみる予定だ。




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