ドコモ、創作市場に注目 “小説から家具まで”カバーする「dクリエイターズ」開設へいち投稿者が2億円作家に

» 2013年02月18日 19時22分 公開
[山田祐介,ITmedia]

 NTTドコモは2月18日、クリエイターがハンドメイド作品を出品・販売できるサービス「dクリエイターズ」を発表した。ドコモの契約者以外も利用でき、スマートフォンやタブレット端末だけでなくPCからもアクセスできる。同日からクリエイターの事前登録受付を開始し、4月上旬には出品登録が可能になる予定。グランドオープンは5月を見込む。

 ドコモはディー・エヌ・エーとの合弁会社であるエブリスタを通じ、2010年から創作コンテンツの投稿・共有サービス「E☆エブリスタ」を展開している。dクリエイターズでは、このE☆エブリスタに投稿された小説や漫画などの各種作品も閲覧できるようにし、デジタルコンテンツからハンドメイド品までをカバーする“総合UGCサービス”を目指す(UGC=User Generated Content:一般ユーザーが作るコンテンツの総称)。

2億円を手にしたクリエイターも

photo NTTドコモ スマートコミュニケーションサービス部ポータルサービス担当部長の田中慎二氏

 新サービスに先駆けてドコモが取り組んでいるE☆エブリスタは、2010年6月にグランドオープンし、2年半で200万を超えるユーザー作品(小説、コミック、イラスト、写真など)が投稿された。このうち200タイトル以上が書籍化され、その総発行部数は800万に及んでおり、ソーシャルゲーム化や映画化を果たした作品も生まれた。NTTドコモのスマートコミュニケーションサービス部ポータルサービス担当部長の田中慎二氏によれば、こうした他企業との連携も含め、E☆エブリスタはこれまでに「100億円の市場価値」を生み出してきたという。

 E☆エブリスタで投稿経験のあるクリエイターは100万アカウントを超えており、その中でも「ピラミッドの頂点にいる」ような人気クリエイターの作品は「プロをもしのぐクオリティ」を持っていると田中氏は説明する。こうした人気クリエイターには各種の印税や賞金、「応援アイテム」などの報酬が分配されており、これまでに4000人以上のクリエイターに総額約4億円が支払われた。中には「2億500万円」(田中氏)を手にしたクリエイターもいるという。「E☆エブリスタを通じて夢を叶えていただいた」と田中氏は振り返り、こうしたクリエイター参加型サービスの実績やノウハウをdクリエイターズの運営に生かしていくとした。


photo 「100億円の市場価値」を生み出したE☆エブリスタのノウハウを生かし、創作物の対象範囲をハンドメイド分野にも広げ、新市場の開拓を目指すという

 dクリエイターズでは、家具やファッションアイテムなど幅広いハンドメイド品の出品を受け付ける。田中氏は、国内には約1000万人のハンドメイド・クラフト人口が存在し、約4000億円の潜在市場があると解説。こうした作り手を集め、個人間の売買を仲介するプラットフォームとして展開することで、国内における「ハンドメイド分野の新市場を創出していく」考えだ。2015年に流通総額200〜300億円を目指し、事業を展開していくという。なお、ドコモは参加クリエイターから月額315円の販売登録料(2014年3月まで無料)を得るほか、売買成立時に販売額の25%を手数料として受け取り、収益につなげていく。


photo ホビー・クラフト市場は米国で2兆7600億円の市場規模があり、約850億円の流通総額を誇る出品サービスの提供会社も出てきているという

“創作からマス”への流れをハンドメイドの世界にも

 E☆エブリスタでは書籍化やゲーム化といった形で商業展開が加速する作品も生まれたが、dクリエイターズにおいても人気商品のマスプロダクト化をサポートしていきたいと田中氏は話す。田中氏はクリス・アンダーソン氏の著書「MAKERS」を引き合いに出して、3Dプリンターの低価格化などを背景に「多品種少量生産の時代が本格的に来ている」と話す一方で、こうした流れは従来の大量生産と「補完関係にある」と説明。dクリエイターズでは、「大量生産では見つからなかった自分の感性に合ったもの見つけられる」(田中氏)ようにしながら、人気アイテムの小売展開も進めたい考えだ。


photo クリエイターへのサポートのイメージ

ドコモならではの安心・安全で

 サービスの提供においては安心・安全が「肝」(田中氏)と考え、決済や配送システムの安全性などに配慮するという。エスクロー決済に対応し、匿名配送サービスもオプションとして選べるようにした。

 本人確認書類の提出を登録条件とするなどクリエイターの事前審査を入念に行うほか、全出品アイテムの画像を出品前にスタッフが目視でチェックし、著作権侵害などのトラブルがないようにしていくという。クリエイターと購入者がサービス上でコミュニケーションできるようにもし、写真などでは伝わらない点を購入者が納得がいくまで質問できるようにする。作品やクリエイターへのレビュー機能も設け、出品物の質を担保していく考えだ。

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