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» 2013年02月28日 06時58分 UPDATE

Mobile World Congress 2013:オープンな「Firefox OS」、省電力とバックグラウンド通信の少なさも魅力――KDDI石川氏 (1/2)

Mozillaが発表した「Firefox OS」の世界展開に賛同したKDDI。同社の石川氏がほかのOSとの違いと、Firefox OSを採用した理由、そして今後の見通しを語った。

[ITmedia]

 既報の通り、Mobile World Congress 2013開催に合わせてMozillaが「Firefox OS」搭載スマートフォンの世界展開を発表し、Alcatel製の「ONE TOUCH FIRE」とZTE製の「Open」というFirefox OS搭載スマホがお披露目された。このほかHuaweiやLGエレクトロニクス製の端末も登場する予定だ。

photophoto Mozillaが「Firefox OS」関連イベントをMobile World Congress 2013開幕前夜に開催
photophoto Firefox OSを搭載したAlcatel製の「ONE TOUCH FIRE」。ディスプレイは3.5インチのハーフVGA表示のTN液晶、カメラは3.2M、CPUはQualcomm製のSnapdragon S1(1GHz駆動)。サイズは115(高さ)×62.3(幅)×12.2(厚さ)ミリ
photophotophoto ZTE製の「Open」

 日本からは、KDDIがFirefox OSスマホの販売を表明。Mozillaのリリースには、KDDI代表取締役社長の田中孝司氏が「オープンなWebプラットフォームで公正な競争があるエコシステムとイノベーションを継続すること、そして多様なニーズに応えて新しいユーザー体験を提供することは、我々の戦略と完全に一致する。その達成をサポートするため、KDDIグループではネットワークとセキュリティ面でFirefox OSの開発に貢献したい」とのコメントを寄せ、OSの開発にも協力する姿勢を見せた。なお同社がFirefox OS搭載端末を発売するのは1〜2年後の予定だという。

 KDDIがFirefox OSを選択した理由や狙いはどこにあるのか。またどのような製品がラインアップされるのか。Mozilla主催のイベントにFirefox OSに出席したKDDI取締役執行役員専務の石川雄三氏が、国内メディアの取材に答えた。

iOS、Android、そしてTizenを否定するものではない

photo KDDI取締役執行役員専務の石川雄三氏

―― 「Firefox OS」の世界展開に賛同にした理由を教えて下さい。

石川氏 Firefox OSの魅力はオープンなこと。いろいろな制限がないのが一番の理由です。我々はAndroidやiOSのスマホも販売しているが、もっとオープンな技術があるだろうと。それがFirefox OSだった。革新的なもの、面白そうなものをいち早く取り入れていきたい。というのが根底にあります。

――「Tizen」陣営ではなく、Firefox OSに参加したのはなぜでしょうか。

石川氏 大前提として「iOS」や「Android」を否定する話ではないことを理解していただきたい。我々がFirefox OSとTizenの両方を比べたのは事実で、そこで感じたのはTizenはどちらか(iOSとAndroid)に似たものになると思います。Firefox OSのほうがオープンであり、アーキテクチャーの観点では省電力性が高いですね。

 またTizenは参画したメーカーが主導して推進している部分があり、垂直統合モデルになりがちな印象を受けました。アーキテクチャーとしても自由度が高いのはFirefox OSと判断している。

―― Tizenには日本のメーカーが多数参画している一方、Firefox OS搭載モデルがZTEとAlcatelから発表されました。KDDIで販売するFirefox OS搭載モデルは海外メーカー製が中心になるのですか。

石川氏 必ずしもそうではないでしょう。どちらに開発していただくかはまだ未定で、メーカーを国内外と区別することはありません。

―― QualcommがFirefox OS対応のチップセットを供給しています。KDDIはKCPのころからQualcommとの距離が近いですが、これはFirefox OSの採用に影響していますか。

石川氏 安心感があったのは事実です。

auの「Firefox OS」スマホ、発売は2014年後半か

―― Firefox OS搭載機の発売時期はいつごろでしょうか。

石川氏 これからコンセプトを決めてメーカーと協力体制を敷き、チップセットも改良しなくてはなりません。発売は早くても2014年の後半になると思います。ただ、安くて機能が足りないものを発売する気はありません。日本市場ではある程度機能がないと選んでいただけないので、トレンドスペックには対応したい。同時に、すべての機能やサービスに対応する必要があるとも考えていない。

 Firefox OSを選んだ理由は、面白そう、楽しそうな点にあります。製品にもそういった要素を付け加えたいとは思います。

―― Firefox OS搭載機の発売でエンドユーザーはどのようなメリットが受けられるのでしょうか。

石川氏 オープンなOSなので利用に制限が少ないです。またアプリ開発者がものすごく多いので、新しい面白いアプリやサービスがどんどん出てくると期待しています。

―― スマートフォンの中で販売の比率はどれくらいになると想定していますか。

石川氏 いきなり20%、30%にはならないでしょうが、徐々にシェアが伸びていくでしょう。

―― iOSやAndroidと、具体的に、どのような違いがある端末になりますか。

石川氏 iOSやAndroidを否定することになるので表現が難しいですが、バックグラウンド通信が少ないことから、現在のような半従量課金(上限を設定した定額料金)の“縛り”はなくなるかもしれないですね。同じ様に見えるかもしれませんが、我々はまったく違うOSと捉えています。

―― ドコモがTizenを推進する理由は、日本固有のサービスを組み込みやすいからと説明しています。KDDIのFirefox OS端末も固有のサービスに対応させるのでしょうか。あるいはシンプルな端末になるのでしょうか。

石川氏 安かろう……という端末を提供することはありません。ハードが安いことより、月額の料金を低くしたいというユーザーがたくさんいらっしゃると思う。そうした層向けの製品――という考え方はありますね。

 試験用の端末や今回発表された端末はシングルコアですが、、これから性能も上がってくるのは間違いない。機能的に(今日のスマホと)遜色のないFirefox OS端末がこれから作られるでしょう。ローエンドだけにフォーカスしているわけではないです。

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