シャープ、ハンズ、パインアメの中の人が語る、人気企業Twitterの共通点(前編)SNS担当者必見!(1/2 ページ)

» 2015年10月28日 06時00分 公開
[村上万純ITmedia]

 「これからのマーケティングはネットを活用しないと。君は若いし、ITも詳しいでしょ。まずはTwitterでうちの会社を宣伝して成果を出してくれないかな?」

 ある日突然、上司からこのようなむちゃぶりを受けて会社のSNS担当になってしまった人はいませんか?

 「なんとなくネットに詳しそう」という理由でおはちが回ってきた若手社員や、「何か新しい取り組みを」という理由から初めてSNSを使うことになった中堅社員など、置かれた状況はさまざまでしょう。

 共通するのは、誰もが正解が分からないまま試行錯誤で運用していかなければならないということ。自社の商品・サービスのツイートばかりすると宣伝くさくて誰も見てくれないんじゃないか? フォロワーはどうすれば増えるのか? そもそも成果が出たことをどうやって検証するのか? 悩みの種は尽きません。

 それでは、企業アカウントらしからぬゆるいツイートで一躍話題となった公式アカウントの中の人たちは、どのようにしてフォロワーを増やし、現在のような存在感を放つことになったのでしょうか。

 一般ユーザーに自然と溶け込むゆるふわなツイートでおなじみのシャープ(@SHARP_JP)、東急ハンズのネットストア「ハンズネット」(@HandsNet)、パインアメのパイン(@pain_ame)の担当者に、企業アカウント運用のコツをそれぞれ質問しました。家電メーカー、小売業、食品メーカーという異なる業種にいながらも多くのユーザーを引きつける各社の共通点を探ってみましょう。

photo 左からシャープ、ハンズネット、パインのTwitterアイコン

他の仕事と兼務しながら1人で担当

―― まずは、公式アカウントの運用歴を教えてください。

シャープ 2011年6月(アカウント登録は5月)にアカウントを開設してからずっと1人で担当しており、Facebookの運営も兼務しています。また、別途社内調整などをサポートする担当者も1人います。

東急ハンズの「ハンズネット」(以下、ハンズ) 2010年6月(登録は3月)より運用し、他の仕事と兼務しながら1人で担当しています。東急ハンズは他にも本社で5つ、店舗で12のアカウントを運営しており、早いものは2009年に開設しました(東急ハンズのソーシャルメディアアカウント一覧)。

パインアメのパイン(以下、パイン) 2010年8月1日(登録は7月)から1人で運用しています。

photo ハンズネットはTwitter歴5年以上。パインやシャープの中の人も同じく4〜5年のベテラン選手だ

まとめ

 人気アカウントの中の人といえども、誰もがいち会社員の身。きちんと日常の業務をこなしつつTwitterをしています。今回は全員が開設当初から運用しているベテランばかり。フォロワーにこまめにリプライしているのを見ると複数人で運用しているのかな? と思いがちですが、基本的に担当者は1人です。

共通点その1:リプライは「全チェック&全返信」の精神で

―― 業務中、どれほどの時間をTwitterに費やしていますか? また、フォロワーとの交流はどうしていますか。

ハンズ 兼務のため、1日1時間が目安です。ただし、リプライが来ているかどうかは常にモニターの隅でチェックし、緊急対応できる体制にしています。基本的に100%お返事するようにしていますので。

 信頼を愚直に積み上げるうえでリプライの積み重ねは欠かせませんが、非公式リツイート(他のユーザーのツイートを引用してつぶやくこと)はうまく活用すると多くのユーザーに拡散されることもあり、こちらも有効なコミュニケーション手段だと思っています。

 また、出社時と退社時にあいさつをするというのはどのアカウントでも心がけていますね。





パイン 朝起きてから夜寝るまで、時間があるときは随時リプライが来ていないかを気にしています。仕事中も常にデスクトップ上にブラウザを立ち上げ、時間が許す限り対応します。

 現在13万ツイートを超えていますが、そのほとんどがフォロワーさんへのご返信です。小さな企業なので、積極的に交流することで弊社を知っていただきたいと思っています。



シャープ 別の仕事があれば並行してツイートしますし、なければツイートに集中します。時間を配分する、という意識はありません。いただいたリプライは可能な限り反応しています。

まとめ

 業界は違えど、フォロワーからのリプライはほぼ全てチェックし、積極的に反応する細やかな気配りは各社共通しています。他のユーザーから信頼を得て親しみを感じてもらうためには、単に自社をアピールするだけでなく、ユーザーと積極的に交流する地道な努力が必要です。

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