Appleが6月13日(現地時間)、開発者向けの年次会議「WWDC16」で、Apple Watch向けのOS、「watchOS」の次期バージョンに搭載される新機能を明らかにしました。この秋から無料のアップデートとして配布される「watchOS 3」では、動作速度が大幅に向上するほか、さまざまな新しいウォッチフェイス(文字盤)が追加され、アプリを素早く切り替えられたり、手書きでの文字認識ができるようになったりと、大幅な改良が加えられます。何が変わるのか、順に見てみましょう。
現在、Apple Watch向けのアプリは、アイコンをタップして起動しても、立ち上がって必要な情報が表示されるまで6秒や7秒かかるのは当たり前。下手をすると全然起動しないこともあります。これがwatchOS 3になると、本当に一瞬で立ち上がるようになります。Appleによると、約7倍の高速化だそうです。バックグラウンドで情報を更新したり、メモリに常駐させたりできるようです。
また起動したアプリはiPhoneなどと同じようにDockに並び、左右にスクロールさせて切り替えることが可能になります。画面を下から上になぞると、こちらもiPhoneと同様にコントロールセンターも呼び出せます。使い勝手がiPhoneに近づくので、より自然に使えるようになるはずです。
届いたメッセージの返事に「Scribble」が使えるようになります。これは手書きで文字を入力する機能で、Apple Watchのタッチパネルで文字入力をする方法です。アルファベットの他、中国語も扱えることが基調講演のデモで示されました。日本語に対応するかどうかは現時点では不明ですが、可能性は高いと言えるでしょう。
ウォッチフェイス(時計の文字盤)には多数のバリエーションが追加されます。注目の1つはミニーマウス。これまでミッキーマウスしかいませんでしたが、ミニーが選べるようになります。しかも服の色が変えられるとのこと。
また、アクティビティリングにフォーカスしたフェイス「Activity」も用意されます。リングを大きく表示したり、クロノグラフ風に表示したり、分かりやすく数字で表示したりできます。アクティビティにしっかり取り組んでいる人にはうれしい機能と言えるでしょう。
シンプルな文字を組み合わせたフェイス「Numerals」も用意されているようです。そしてウォッチフェイスは、左右のスワイプで容易に切り替えられるようになります。いちいち長押しをしなくても気分に合わせて切り替えられるのは魅力的です。
Apple Watch上でのタイマーは、Siriでセットしたり、Digital Crownで時間を変更したりできますが、画面内からあらかじめセットされた分数や秒数を選んでスタートさせることが可能になります。
リマインダーの内容がApple Watch上で参照でき、終了したものを順次消していけるなど、ちょっとした便利機能も盛り込まれています。
最近、Apple WatchやiPhoneがあったことで命が助かった、といったニュースを見る機会も増えてきましたが、watchOS 3ではApple Watchに「SOS」機能が追加されます。何かあったときに、サイドボタンを長押しすると、緊急通報を発報できるようになります。位置情報などを元に、米国内では911に、香港では999に自動的に電話してくれるとのことで、例えば海外旅行中などで緊急通報番号が分からなくても、自動的に緊急通報ができるようです。メッセージを送信し、持病や服用中の薬の情報を記録しておけるMedical IDを表示する機能もあります。
Apple Watchの特徴的な機能の1つ、アクティビティ機能は、モチベーションを維持し続けるのが難しい運動週間を持続させるため、コミュニティの仕組みを用意します。孤独にやるよりも、仲間の進ちょく状況などを見られたほうが、自分を奮い立たせられるというわけです。抜かされるとアラートを出したり、メッセージを送ったりもでき、仲間と一緒に頑張れる環境を提供します。
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