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» 2017年11月04日 14時00分 公開

本田雅一のクロスオーバーデジタル:「iPhone X」に毎日触って納得したこと ホームボタン廃止は全く問題なし (1/3)

2017年11月3日、ついに「iPhone X」が発売された。既に関連記事が出尽くした感もあるが、毎日使ってみて「なるほど」と納得する部分もある。

[本田雅一,ITmedia]

 日本では3連休の初日、11月3日に「iPhone X」がいよいよ発売された。

iphone x 「iPhone X」

 実機を発売前に試用する機会を得たため、編集部からは先行レビューを依頼されていたが、これまで熱心にiPhone Xの記事をたくさん読んできたという方は、ついにiPhone Xが発売という中で、どの記事を読んでも既視感を覚えてしまうのではないだろうか。

 それもそのはずで、「iPhone 8」「iPhone 8 Plus」との同時発表から2カ月近くが経過し、おおむねその特徴は紹介済みであるうえ、ハードウェアコンポーネントの主要部分がiPhone 8シリーズとiPhone Xで共用ということも周知されている。

 さらに、iPhone 8シリーズのレビューでも、iPhone Xをハンズオンで使ったときの感想を交えながら比較しつつ紹介したのだから、実機を使ったiPhone Xのレビューといっても「答え合わせ」の側面が強い。

 しかし、実際に何日か使ってみて分かる部分もある。

書き尽くされた感のあるiPhone Xの評価だが……

 iPhone Xの簡単な紹介を書くならば、以下のようになる。

 iPhone Xのデュアルカメラは、望遠側にも光学手ブレ補正機能が入っているなどの違いはあるが、システムLSIは共通だ。ディスプレイの方式とサイズ、ホームボタン廃止によるユーザーインタフェースの変更、それに赤外線を用いて深度検出が可能な3Dセンサーの搭載(とそれを用いた新機能)はあるのせよ、スマートフォンとしての基本部分に大きな違いがあるわけではない。

 望遠側も含め最高のカメラと素晴らしく美しいディスプレイ、腕時計や工芸品のように仕上げられた外装などは、店頭でその手に取って見れば理解できるだろう。派手な色ではなく、深みとコクのある発色をする有機EL(OLED)ディスプレイは、輝度も十分に高く、素直に液晶よりもよいと評価できるものだ。しかも色のマッチングが素晴らしくよく、現実感のある映像を見せてくれる。

 と、このような感性に響く部分を除き、単にハードウェアとして評価する場合、実はさほど書き連ねることはないのだ。

iphone x 腕時計や工芸品のように仕上げられた外装。デュアルカメラは望遠側にも光学手ブレ補正機能が入っている

 むしろ「iPhoneの基本フォーマット」を清く正しくなぞったiPhone 8シリーズの方が、商品を選ぶうえでは期待できる価値が想像しやすく、購入の決断もしやすいのではないだろうか。ちなみに、同時期には「Galaxy Note 8」も発売されているが、同じ10万円超えるハイエンド端末といっても、iPhoneとはかなりテイストが異なるため、iPhone Xとの間で迷うことはないだろう。

 しかし、実際に数日間にわたって毎日iPhone Xに触っていると「あぁ、なるほど」と納得する部分も多い。中でもインカメラ側に設けられた深度計測センサーを用いた機能は、なかなか微に入り細に入り、その特徴を生かしてiOSの操作性を高めている。

 さらに「ホームボタン廃止」に関しても、数日使っているとあっという間に慣れてしまい、むしろ「指先のジェスチャーだけで何でもできちゃうiPhone Xの方がいい」状態になってきた。

 ということで、一足先にiPhone Xを使い始めて4日がたち、前のめりではなく、少しリラックスしながら、iPhone Xについて感じたことを書き連ねていきたい。

初採用ながら使いこなされている「Face ID」

 深度検出可能なデバイスをインカメラ側に装備し、「Animoji」など楽しい機能をデモンストレーション的に実装。今後、対応アプリの登場が期待されるが、やはり最もこの機能を上手に使っているのはiOS自身だ。

 発表当初は顔認証機能の「Face ID」と言えば、「ロック解除に顔が使える」という部分にばかりフォーカスが当たっていたのだが、これは指紋認証機能の「Touch ID」に対応していた全てのアプリ、機能をFace IDで置き換えた……と表現する方が正しいだろう。

iphone xiphone x 「Face ID」の設定画面。首をぐるりと回して、立体的に顔のデータを記録する

 例えば、Facebook認証を用いるアプリやサービスがFacebookの認証ページを呼び出すと、即座にFace IDで操作している人物の顔を認識。正しければ、そのままIDとパスワードが入力される。

 Touch IDとの違いは、操作している人物が持ち主であれば、何の特別なアクションも必要ないことだ。Face IDが動作していることを示すアニメーションが画面中央に表示されなければ、そもそも個人を識別していることさえ気付かないかもしれない。

iphone xiphone x ロック画面を見ると、画面上部の鍵マークが瞬時に外れた状態になり、Face IDでロックが解除されたことが分かる(画像=左)。この状態で画面を上にスワイプすると、ホーム画面に移動する(画像=右)

 アプリの購入や課金の認証、音楽や映像作品の購入、「Apple Pay」での認証などはすぐに思い付くだろうが、実はiOSそのものの「振る舞い」にFace IDは使われている。

 設定で「Face IDとパスコード」を開くと「画面注視認識機能」という項目がある。これをオンにしていると、画面を暗くしたり通知音量を小さくするといった「そろそろ寝ようかな?」とiPhoneが思い始める前に、画面が注視されているかどうかを確認してくれるのだ。

iphone x Face IDでは「画面注視認識機能」を設定できる

 このため何かの文書を読んでいるとき、不意にスリープに入ったりすることがなくなる。これまで同じような機能としては、加速度センサーを用い、手に持っていることを認識してスリープに入らなくするものもあったが、こちらは実際に画面を見ているか否かで判断しているため、ホールドの状況とは関係なく判断できるという点で、より優れていると言える。

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