サブブランド優遇、2年縛りなど各種問題点の結論は? 総務省が“報告書”を公開(2/3 ページ)

» 2018年04月23日 06時00分 公開
[房野麻子ITmedia]

MNPの手続きで改善すべきところは?

 ユーザーに直接関係するサービス部分についても、いくつか言及されている。「携帯電話番号ポータビリティ(MNP)の円滑化」という項目では、対面や電話でのMNP手続きで、移転元事業者が強引にユーザーを引き止めることが問題視されている。そのため、引き止める機会のない手続きを可能にすべきだと指摘し、WebサイトでのMNP手続きが有効と提言している。ちなみに、PCやスマホでWebにアクセスし、MNPの手続きができるMNOは現在ドコモのみだ。

総務省 MNO各社のMNP手続き方法の対応状況

 「MNOの迷惑メールフィルター設定における同等性」では、MNOのフィルタリングサービスで、MVNOのメールがブロックされてしまう状況について言及。希望するMVNOには、必要なセキュリティ確保に関する基準をMNOが提示するよう、総務省がMNOに要請し、総務省がフォローアップすべきとしている。

 また、「キャリアメールの転送サービス」では、MVNOに移行するとキャリアメールが使えなくなることから、MVNOがMNOに転送メールサービスの提供を求めている状況を説明。これについても、検討課題を明らかにし、対応可能性について検討するよう総務省はMNOに要請し、フォローアップすべきとしている。

 「テザリングの利用」では、KDDIとソフトバンク系MVNOでテザリングが利用できない件を取り上げている。なお、ソフトバンクは4月9日にiPhone、iPad端末についてはテザリングに対応させ(関連記事)、Android端末についても、2018年の春夏モデル以降で対応するという。KDDIも早期実現を図り、テザリング対応実現の時期をMVNOに提示する必要があると指摘している。

総務省 MVNOのSIMでテザリングができない状況に対して、ソフトバンクは対処済み

 なお、MNOから同グループ内のMVNOに対してiPhoneの提供が行われているという意見、ドコモ以外の大手MNOも、電気通信事業法第30条第1項に定める禁止行為の規制対象として含めるべきという意見、LINEの年齢認証をMVNOでもできるようにすべきという意見などについては、総務省が状況の把握や検証を行うことが必要としている。

中古端末の国内流通促進を指示

 通信サービスの競争を促進するために、中古端末の国内流通をもっと増やすべきだという考えがある。しかし、日本は諸外国に比べて中古端末の供給量が少ない。中古端末事業者に対するヒアリングでは、MNOが下取りした端末を海外に流出させているので、国内流通を促進すべきという意見が出された。

 そこで、NMOが下取り端末の国内市場での販売を制限することは、業務改善命令の対象となることを明確化するガイドラインを策定する必要があると提言。また、MNOが中古端末のSIMロック解除に応じられるよう、SIMロック解除ガイドラインを改正することが必要だとしている。

総務省 中古端末の国内流通を増やす方向で提言されている

「2年縛り」と「4年縛り」について

 主にMNOが提供している料金プランは、2年間の継続利用を条件に料金が安くなっているものが主流で、途中解約した場合は1万円近い違約金が徴収される。更新月にMNPして違約金を払わず済んでも、基本的に解約した月の月額料金を支払う必要があり、いずれにしてもユーザーは「24カ月分の通信料よりも多い金額をMNOに支払わなければならない」ことが問題とされた。KDDIとソフトバンクについては、利用期間拘束のないプランを用意しているものの、自動更新される料金プランに比べて料金が高く設定されているとも指摘されている。

総務省 MNO3社の2年縛りプラン

 また、「機種変更応援プログラム」や「アップグレードプログラム」「半額サポート」のように、同じキャリアで機種変更を行う場合に、旧端末の割賦残債を免除する施策(残債免除等施策)についても、免除される残債額の増加や、MNPしようとした場合に高額な残債を支払う必要があるため、48回払いの場合は結局“4年縛り”になることが問題視されている。

 報告書(案)では、契約の自動更新や高額の違約金はユーザーの意に沿わず、MNPを阻害するものと指摘。ユーザーが自由に事業者を選択できるように、「違約金または25カ月目の通信料金のいずれも支払わずに解約できるよう」総務省はMNOに対して措置を講ずることを求めることが必要と提言している。

 残債免除等施策については、MNOはユーザーに説明が徹底されるように、消費者保護ガイドラインの契約前説明の対象と明示することが必要と指摘。なお、残債免除等施策はスイッチングコストの上昇につながるものであり、総務省は競争条件への影響についてモニターし、分析する必要があるとしている。

総務省 残債免除等施策に対しても総務省によるモニター、分析が必要と記載された

 料金プランについては、ユーザーの利用スタイルに合ったプランを選択できるよう、過去の利用実績に基づき、適正なプランを案内すること、契約時以外でもプランの見直し機会を充実させるなどの提言がされている。

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