総務省は1月15日、「モバイル市場の公正競争促進に関する検討会」の第2回会合を実施した。
この検討会は、2015年の「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」、2016年の「モバイルサービスの提供条件・端末に関するフォローアップ会合」の流れを引き継ぐもので、「MVNOを含めた(移動体通信)事業者間の公正な競争を更に促進」するために開催が決まったもの。第2回会合ではMVNO(仮想移動体通信事業者)、中古携帯電話販売業者や消費者団体からのヒアリングと質疑応答を実施した。
この記事では、第2回会合におけるMVNOへのヒアリングの模様をお伝えする。今回ヒアリングに応じたのは、「IIJmio」を運営するインターネットイニシアティブ(IIJ)、「楽天モバイル」を運営する楽天と、「mineo」を運営するケイ・オプティコムの3社。各社は、現状の競争環境をどう捉えているのだろうか。
今回の会合に先立って、検討会の事務局はMVNOに対するアンケート調査を実施した。全75社中61社が回答したアンケートでは、主に以下のような要望や意見が寄せられた(総務省公開資料を参考に、一部体裁を整えて掲載)。
※1 KDDIのグループ企業が運営する「UQ mobile」「J:COM MOBILE」「BIGLOBEモバイル」と、ソフトバンクとウィルコム沖縄が運営する「Y!mobile」のことを指す
※2 筆者注:主にiPhoneやiPadの事を指していると思われる
IIJは「MNOとの競争環境」「MVNO間の競争環境」の2点について意見を述べた。
同社は総務省の政策が「データ接続料の低廉化」「データ接続料のMNO間格差の縮小」といった一定の成果をもたらしたことを評価した。
一方で、主に通信速度面でサブブランドとグループ外MVNOとの間にサービス水準の差が生じていることから、同社はMNOが設定するデータ接続料について「適正性」「透明性」「公平性」をより高める取り組みの継続を要望した。
サブブランドの存在そのものについて、同社は「市場の競争促進」と「消費者の利益」の面から基本的には歓迎する立場を取る。
しかし、先述の通りサービス水準に差が見られる上、一部のMNOがサブブランドを使った囲い込み策をしていると思われることから、同社は電気通信事業法第30条(※3)の適用対象事業者を拡大することや、サブブランドを用いた反競争的・差別的扱いを抑止するガイドラインの策定などを要望した。
総務省令の定める条件を満たす移動体(携帯電話)通信事業者は、以下の行為が禁止される。
記事執筆時現在、この規制の対象となっている移動体通信事業者はNTTドコモのみ。
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