解像度やフレームレートの高い動画ファイルやゲームなどのアプリを扱っていると、どうしても通信量が増してしまいがちだが、それをサポートするのが5Gだ。5Gに対応したiPadは、12.9型、11型のiPad Proに続いて3機種目。無印のiPadやiPad Airよりも早く5Gをサポートした点には、驚きがあった。日本では、ドコモ、KDDI、ソフトバンクがiPad miniを取り扱っており、それぞれの5Gもサポートする。
ただし、楽天モバイルに関しては、残念ながらiPad miniを販売していない。こうした事情もあってか、楽天モバイルのeSIMプロファイルをセットしても、5Gを設定するメニューが現れなかった。とはいえ、4Gまでなら問題なく利用できる。同社の5Gエリアは他社に比べるとまだまだ見劣りするため、現状では非対応でも大きな問題はない。一方で、iPad miniにも5G接続時にFaceTimeや動画の画質を上げる機能が搭載されている。こうした恩恵を受けられないのは、少々残念だ。
もう1つの新機能が、「センターフレーム」への対応だ。センターフレームとは、インカメラに映ったユーザーを自動的に追尾してフレーム内に収める機能のこと。4月に発売されたiPad Proから搭載が始まったが、早くもiPad miniで利用できるようになった。超広角のインカメラを使い、ユーザーが写っている部分を中心に自動でズームするというのが基本的な仕組み。人物の認識には、Appleが得意とするオンデバイスの機械学習が用いられている。
筆者もiPad Proでセンターフレームを使っているが、姿勢を多少崩してもカメラが自動で追従してくれるおかげで、本体の位置をズラす必要がなく、ビデオ会議に集中できる。一方で、それ以前のクセが抜けきらないこともあり、ついつい本体を動かしてしまうことも。便利な機能なのは事実だが、ユーザー側がセンターフレームの仕組みに慣れる必要もある。
実際、インカメラがどの程度広角かというと、ご覧の通り。自撮りだと、腕が不自然に長く見えてしまうほどで、3〜4人程度のグループ撮影にも利用できる。ただしこの画角だと、1人でのセルフィーが撮りにくい。そのため、カメラアプリを立ち上げた際には、ちょうど1人分の顔が入るよう、ズームされた状態になっている。超広角カメラの画角をそのまま生かしたいときに、拡大ボタンをタップする仕組みだ。
このように第6世代のiPad miniは、1世代前の第5世代と比べ、進化している点が非常に多い。持ち運びやすさはそのままにフルモデルチェンジを果たし、パフォーマンスも大きく上がっている。持ち運ぶ機会が多く、外での利用頻度が高くなりそうなだけに、5Gに対応したのもうれしい進化といえる。スマートフォンと比べると画面サイズが大きいだけに、特にiPhone 13 miniのような小型端末と一緒に持つと相性はよさそうだ。
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