Appleから、2019年モデルの「iPad mini(第5世代)」が発売された。約4年ぶりの刷新となるリニューアルモデルは、外観はほぼ同じデザインながらもApple Pencilに対応と最新世代のA12 Bionicプロセッサを搭載。性能や機能面ではさまざまな強化が加えられている。
以前から「iPad mini(第4世代以前)」や「iPad Pro(12.9型)」ほか複数のタブレットを使っている筆者の視点で、このiPad mini(第5世代)の魅力と、気になる性能について見ていこう。
iPad mini(第5世代)の魅力は、7.9型ディスプレイ搭載で308.2g(Wi-Fi+Cellularモデル)という、A5書籍サイズの持ちやすさと軽さだ。大画面スマホのように片手でも持てるので、外出時でも移動しながら大画面で地図や電子書籍、Webサイトなどを閲覧しやすい。毎日の通勤はもちろん、旅行や出張時に1台あると便利な端末だ。
大画面かつペン入力対応なので、オフィス文書のチェックや、写真、動画の編集といった作業もスマホより圧倒的に楽だ。iPhoneを使いこなしているが画面の小ささに不満を感じている人とって、最適な解決策を提供する端末といえる。
一方、自宅や職場など屋内での利用がメインの場合は、より大画面のiPad AirやiPad Proも検討した方がいいだろう。iPad miniより大きく重たいが、画面の大きさや解像度の高さはコンテンツの楽しみやすさや編集の快適さに直結するからだ。
iPad miniを外出中でも使うなら、スマホと同じように外でもネット接続できるWi-Fi+Cellularモデルを強くおすすめする。一応、Wi-FiモデルでもiPad mini側からiPhoneのテザリング(ネットワーク共有)機能を起動して、ネットに接続する便利な機能もある。だが、この機能を利用するにも毎回「設定→Wi-Fi」から接続する手間がかかる。これでは、iPad miniのスマホ風に素早く取り出して手軽に使えるタブレットという最大の魅力が失われてしまい、ストレスを感じる。
なお、今回のWi-Fi+CellularモデルはnanoSIMに加えて、eSIMも内蔵した。eSIMはApple SIMと同様にiPad miniから直接契約できるプランの他、海外キャリアなどが発行するQRコードやコード番号を登録するだけでデータ通信プランを契約できる。徐々にお得なプランも増えてきているので、今後海外旅行などで活用できるシーンはより広がるだろう。
ここからは、iPad mini(第5世代)の機能や性能面について見ていこう。
前述の通り、画面サイズは7.9型で画面比率が4:3という点は2012年の初代モデルから一貫して変わっていない。この第5世代では新たにTrue Toneへ対応し、周囲の照明の色温度に合わせて画面表示を最適化する機能が付いた。これにより、電球色の照明下で画面が青白く見えるといった不満はほぼなくなっている。色域もP3対応に拡張されたが、HDRムービーの再生には対応していない。
【訂正:2019年5月5日6時34分 初出時に、「画面サイズは7.9型で解像度は2048×1536ピクセル、画面比率4:3という点は2012年の初代モデルから一貫して変わっていない」としていましたが、解像度が2048×1536ピクセルとなるのはiPad mini 2からでした。おわびして訂正致します】
画面サイズは、iPhone XSなど5〜6型ディスプレイのスマホを2台並べた大きさだ。スマホと比べ、Webサイトやマップ、オフィス文書などを、画面から顔を離した状態でも快適に一覧できる。
ホームボタン/Touch IDは以前と同じく物理的に押し込むタイプだ。iPhone 7やiPhone 8のセンサー式ホームボタンに慣れている人だと、違和感があるだろう。
厚さ6.1mmで、本体上部にイヤフォン端子、底面にはステレオスピーカーとLightning端子を搭載。ボタンの配置なども以前と変わっていない。
電子書籍アプリは1ページずつゆったり見るスタイルがおすすめだ。横向きでの2ページ見開き表示はマンガなら読めるが、情報誌は文字が小さいので拡大しないと読みづらい。
iPadならではの利点として、2つのアプリを同時に表示できる点も見逃せない。ネット生放送を見ながらTwitterを操作する、書類を見ながらメッセンジャーで会話するといった操作もできる。既にiPhoneを使いこなしている人がiPad miniを持てば、プライベートはもちろんビジネスの生産性もより高められるだろう。
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