各社出そろってきたデジカメ2004年モデル。それぞれに大きさ/デザイン/基本性能において違いや特徴があるため、どれにしようと迷っている人も多いことだろう。今回はいくつかの選択ポイントを取り上げ、ちょっとした解説を加えてみた。自分にぴったり合った、後悔しないお気に入りの製品を見つけてほしい。
今回取り上げる製品はFinePix F610の有効630万画素から、DiMAGE X21の有効200万画素までがあるが、L判(通常の写真サイズ)用紙にプリントするという一般的な用途であれば、300万画素程度でも十分といえる。
画素数が多いと撮影できる解像度も大きくなるので、切り抜きなどの画像編集や、A4サイズ以上で印刷する場合に威力を発揮する。そういった用途も考えているならば高画素機種がおすすめだ(ちなみに、他人に自慢しやすいというヨコシマな理由でもよいだろう)。
また同じ有効画素数で比べる場合は、撮像素子が大きい(1/2.7インチは約0.9センチ、1/2.5インチは約1センチ)ほうが画質に有利といわれている。ただし撮像素子が大きい分、本体サイズも大きくなりがちだ。
大きく分けて、よくあるカメラの形をしたスタンダードなタイプ、レンズが飛び出ない薄型デザインのタイプ、薄型ながらレンズ部を回転させて撮影できるタイプなど、多種多様なデザインの製品がある。
また、デザインにこだわるなら本体カラーにもこだわりたい。基本カラーのシルバー以外に、レッド系、ブルー系、ブラック系など多彩なカラーラインアップがそろうモデルは選択時の楽しみだけでなく、購入後の満足度にも大きく影響するだろう。
今回のラインアップには、使用電源として、専用リチウムイオン電池と単3電池、大きく分けて2種類あるのが分かるだろうか。単3電池タイプは、緊急時にはコンビニや量販店など旅先でも購入できるアルカリ乾電池も併用可能となっているのが大きな特徴となる。ただし、専用リチウムイオン電池より重く、バッテリー持続時間も短い傾向にある。
ちなみに下記スペック表の「重量」欄は本体のみの重量である。あくまで目安だが、単3アルカリ電池2本分が約40グラム、単3型リチウムイオン電池2本分は約55グラム、専用リチウムイオン電池は機種によりまちまちだが20グラム程度、コンパクトフラッシュカードは約10グラム、SDメモリカードは約3グラムとなる。
本体のみの重量に、電池とメモリカード分の重量を加えた分が、普段持ち歩く撮影時重量となることに注意しよう。先ほどのデータからも分かるように、単3乾電池は意外に重いのである。また電池そのもののサイズも大きいため、それだけ本体サイズが大きくなってしまう。反対に専用リチウムイオン電池使用の機種は、デザイン性に富み、薄型・軽量のものが多い傾向にある。
取り扱いやすさか、撮影時重量・サイズか、どちらを優先するかがポイントだろう。
デジカメ2004年モデルは、背面液晶モニタの大画面化もトレンドとなっている。
ラインアップ中最大のものは、2.5インチ液晶を搭載する、ソニー「DSC-T11」「DSC-W1」、オリンパス「CAMEDIA AZ-1」だ。
2.5インチというと最近のケータイ液晶ほどのサイズで、かなり大きく見やすいサイズとなる。被写体チェック時はもちろん、デジカメを扱ったことのある人なら必ず1度は行っている、集合写真を撮ったあと「ほらほら」とみんなで見る場合に非常に効果的となるだろう。
プリンタとUSBケーブルで接続し、PCを使わず直接印刷できる「ダイレクトプリント」機能は意外と便利で、利用している人も多いのではないだろか。多くのメーカーで対応する「PictBridge」に対応している機種を選んでおきたい。
だだし。使用プリンタも上記規格に対応する必要があるため、自分の持っているプリンタを一度チェックしておいたほうがよさそうだ。
……というわけで、下記に全22製品の現在の市場価格とスペックを表記した。
読者の皆様、大いに悩んで購入していただきたい。
1230万画素相当の撮影が可能なコンパクトデジカメ | 16:9のワイド撮影も可能な620万画素コンパクトモデル | カラーラインアップも豊富な510万画素コンパクトデジカメ | 次へ |
FinePix F610 | FinePix F710 | サイバーショット P100 DSC-P100 | |
富士写真フイルム | 富士写真フイルム | ソニー | |
スペック | スペック | スペック | |
630万画素 | 620万画素(S画素:310万画素、R画素:310万画素) | 510万画素 | 有効画素数 |
1/1.7インチスーパーCCDハニカムIV HR | 1/1.7インチスーパーCCDハニカム IV SR | 1/1.8インチCCD | 撮像素子 |
3倍ズーム(9.6倍) | 4倍(最大8.8倍) | 3倍ズーム(最大12倍) | 光学ズーム (デジタル ズーム併用) |
60センチ〜∞(マクロモードW端時:9〜80センチ) | 60センチ〜∞(マクロモードW端時:7.5〜80センチ) | 50センチ〜∞(マクロモードW端時:6〜∞センチ) | 撮影範囲 |
1.8インチ微反射型CGシリコンTFT(約13.4万画素) | 2.1インチ微反射型CGシリコンTFTワイド(約17.3万画素) | 1.8インチTFT(約13.4万画素) | 液晶モニター |
オート、マニュアル、人物、風景、スポーツ、夜景、動画 | オート、プログラムオート、シャッタースピード優先オート、絞り優先オート、マニュアル、人物、風景、スポーツ、夜景、動画 | オート、プログラムオート、マニュアル、夜景、夜景&人物、ソフトスナップ、風景、ビーチ、スノー、打ち上げ花火、高速シャッター、キャンドル | 撮影モード |
xD-ピクチャーカード | xD-ピクチャーカード | メモリースティック(PRO含む)、メモリースティックDuo(PRO含む) | 記録メディア |
Motion JPEG(640×480ピクセル)30フレーム/秒 | Motion JPEG(640×480ピクセル)30フレーム/秒 | MPEG1(640×480ピクセル)30フレーム/秒 | 動画記録機能 |
USB、AV-OUT | USB 2.0、AV-OUT | マルチ端子(別売USB /AV-OUT付き専用クレードルあり) | インタフェース |
PictBridge | PictBridge | PictBridge、USB DIRECT-PRINT | ダイレクト印刷 |
71.9×93×31.3ミリ | 109.5×54×28.9ミリ | 108×51.5×26.6ミリ | サイズ (幅×高さ ×奥行き) |
約195グラム | 約210グラム | 約147グラム | 重量(本体) |
専用充電式リチウムイオン電池 | 専用充電式リチウムイオン電池 | 専用充電式リチウムイオン電池 | 電源 |
- | - | カラーラインアップにシルバー、ブルー、レッドを用意。ほかに、410万画素の「DSC-P73」、短焦点レンズ搭載の「DSC-P43」もあり | 備考 |
2004年1月中旬 | 2004年3月中旬 | 2004年4月29日 | 発売日 |
レンズが出ない超薄型のTシリーズ新モデル | 大型2.5インチ液晶搭載、単3電池使用のファミリー向けモデル | 高速起動と約0.01秒のレリーズタイムラグが特徴のコンパクトモデル | 前へ 次へ |
サイバーショット T11 DSC-T11 | サイバーショット W1 DSC-W1 | QV-R51 | |
ソニー | ソニー | カシオ計算機 | |
スペック | スペック | スペック | |
510万画素 | 510万画素 | 500万画素 | 有効画素数 |
1/2.4インチCCD | 1/1.8インチCCD | 1/1.8インチCCD | 撮像素子 |
3倍ズーム(最大12倍) | 3倍ズーム(最大12倍) | 3倍ズーム(12倍) | 光学ズーム (デジタル ズーム併用) |
50センチ〜∞(マクロモードW端時:8〜∞センチ、顕微鏡モード時:1〜20センチ) | 50センチ〜∞(マクロモードW端時:6〜∞センチ) | 60センチ〜∞(マクロモードW端時:10〜70センチ) | 撮影範囲 |
2.5インチTFT(約21.1万画素) | 2.5インチTFT(約12.3万画素) | 2インチTFT(約8.5万画素) | 液晶モニター |
オート、プログラムオート、拡大鏡、夜景、夜景&人物、風景、スノー、ビーチ、高速シャッター、打ち上げ花火 | オート、プログラムオート、マニュアル、夜景、夜景&人物、ソフトスナップ、風景、ビーチ、キャンドル | 人物、風景、人物&風景、カップリングショット、プリショット、子供、キャンドルライト、パーティー、ペット、花、緑、夕日、夜景、夜景&人物、花火、食べ物、文字、コレクション、白黒、レトロ、トワイライト、ベストショット、動画 | 撮影モード |
メモリースティックDuo(PRO含む) | メモリースティック(PRO含む)、メモリースティックDuo(PRO含む) | 内蔵メモリ(9.7Mバイト)、SDメモリーカード、マルチメディアカード | 記録メディア |
MPEG1(640×480ピクセル)30フレーム/秒 | MPEG1(640×480ピクセル)30フレーム/秒 | Motion JPEG(320×240ピクセル)15フレーム/秒 | 動画記録機能 |
マルチ端子(USB 2.0、AV-OUT) | USB 2.0(mini-B)、AV-OUT | USB(mini-B) | インタフェース |
PictBridge、USB DIRECT-PRINT | PictBridge、USB DIRECT-PRINT | USB DIRECT-PRINT | ダイレクト印刷 |
102.5×60×17.3ミリ | 91.0×60×36.3ミリ | 88×60.4×33.4ミリ | サイズ (幅×高さ ×奥行き) |
約161グラム | 約189グラム | 約168グラム | 重量(本体) |
専用充電式リチウムイオン電池 | 単3形電池2本 | 単3形電池2本 | 電源 |
カラーラインアップにシルバー、ブラックを用意。 | 備考 | ||
2004年4月29日 | 2004年5月21日発売予定 | 2004年1月28日 | 発売日 |
500万画素にアップしたIXY DIGITAL新モデル | 最薄部19.7ミリ薄型設計のEXILIM400万画素新モデル | 回転式レンズ搭載薄型人気モデルの400万画素版 | 前へ 次へ |
IXY DIGITAL 500 | EXILIM ZOOM EX-Z40 | Finecam SL400R | |
キヤノン | カシオ計算機 | 京セラ | |
スペック | スペック | スペック | |
500万画素 | 400万画素 | 400万画素 | 有効画素数 |
1/1.8インチCCD | 1/2.5インチCCD | 1/2.7インチCCD | 撮像素子 |
3倍ズーム(12倍) | 3倍ズーム(12倍) | 3倍ズーム(9.6倍) | 光学ズーム (デジタル ズーム併用) |
46センチ〜∞(マクロモードW端時:5〜46センチ) | 40センチ〜∞(マクロモードW端時:6〜50センチ) | 60センチ〜∞(マクロモードW端時:20〜60センチ) | 撮影範囲 |
1.5インチ低温ポリシリコンTFT(約11.8万画素) | 2インチTFT(約8.5万画素) | 1.5インチTFT(約11.8万画素) | 液晶モニター |
オート、マニュアル、遠景、スローシンクロ、マクロ、スティッチアシスト、色効果、動画 | 人物、風景、人物&風景、カップリングショット、プリショット、子供、キャンドルライト、パーティー、ペット、花、緑、夕日、夜景、夜景&人物、花火、食べ物、文字、コレクション、白黒、レトロ、トワイライト、ベストショット、動画 | 標準、スポーツ、ポートレート、夜景、夜景ポートレート、マクロ、遠景 | 撮影モード |
コンパクトフラッシュ | 内蔵メモリ(9.7Mバイト)、SDメモリーカード、マルチメディアカード | SDメモリーカード、マルチメディアカード | 記録メディア |
Motion JPEG(640×480ピクセル) | Motion JPEG(320×240ピクセル)15フレーム/秒 | AVI(640×480ピクセル)30フレーム/秒 | 動画記録機能 |
USB(mini-B)、AV-OUT | USBクレードル端子 | USB(mini-B) | インタフェース |
PictBridge | PictBridge、USB DIRECT-PRINT | ダイレクト印刷 | |
87×57×27.8ミリ | 87×57×23.1ミリ | 100×62.5×15ミリ | サイズ (幅×高さ ×奥行き) |
約185グラム | 約121グラム | 約125グラム | 重量(本体) |
専用充電式リチウムイオン電池 | 専用充電式リチウムイオン電池 | 専用充電式リチウムイオン電池 | 電源 |
ほかに、400万画素の「IXY DIGITAL 450」、320万画素の「IXY DIGITAL 30a」もあり | カラーラインアップにシルバー、ゴールド、ブラックを用意。ほかに、320万画素の「EX-Z30」もあり | カラーラインアップにシルバー、バーガンディー、パールブルーを用意。 | 備考 |
2004年3月中旬 | 2004年3月5日 | 2004年3月上旬 | 発売日 |
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