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» 2007年04月16日 11時00分 UPDATE

これが21世紀版Simplemか!?:ノートPCでもデスクトップPCでもない“何か”――NEC「VALUESTAR N」 (1/2)

NECの夏モデルで登場した「VALUESTAR N」シリーズは、ノートPCとデスクトップPCの“いいとこ取り”を狙ったニューフェイスだ。NEC版“ボードPC”の実力をいち早くチェックしよう。

[富永ジュン,ITmedia]

液晶一体型PCのエントリーモデル「VALUESTAR N」シリーズ

ht0704_vn00.jpg 15.4インチワイド液晶ディスプレイを備えたVALUESTAR Nシリーズ

 この夏モデルで新たに投入されたNECの「VALUESTAR N」シリーズは、厚さが約40ミリというスリムボディが魅力の液晶一体型PCだ。これまでに同社がリリースしてきた液晶一体型PCは、フラッグシップモデルの「VALUESTAR W」シリーズと、スタンダードモデルの「VALUESTAR S」シリーズで構成されていた。いずれも17インチ以上の液晶ディスプレイを採用していたのに対し、ニューフェイスの「VALUESTAR N」は15.4インチワイド液晶ディスプレイを搭載した、ライトユーザー向けのエントリーモデルに位置付けられる。店頭で人気の高い液晶一体型PCの選択肢がいっそう充実した格好だ。

 ラインアップは全3モデルでOSはWindows Vista Home Premiumと共通ながら、CPUやHDD容量、地上デジタルTVチューナーの有無などで違いが見られる。最上位の「VN570/JG」はTV機能を重視したモデルで、地上デジタルTVチューナーと色再現性に秀でたスーパーシャインビューEX2液晶を搭載し、TV番組の録画に備えてHDD容量も200Gバイトと多めだ。そのぶん、CPUはMobile Sempron 3400+(1.8GHz)と控えめだが、今回取り上げる中位の「VN550/JG」は地上デジタルTVチューナーを省きつつ、デュアルコアCPUのTurion 64 X2 TL-50(1.6GHz)と256Mバイトのキャッシュを内蔵したハイブリッドHDD(容量120Gバイト)を備えるなどパフォーマンス重視のモデルである。

ハイブリッドHDDをいち早く採用

ht0704_vn01.jpg 評価機のデバイス マネージャ画面

 前述したように、VALUESTAR Nの特徴は小回りのきく小型ボディにある。これはVALUESTAR Sシリーズと同様にノートPCのアーキテクチャを採用することで実現している。チップセットは統合型のAMD M690Vで、グラフィックスはATI Radeon X1200のコアを内蔵する。上位のM690Tと異なり、専用ディスプレイキャッシュやHDMI出力などは持たないが、DirectX 9や動画再生支援機能のAvivoをサポートしており、Windows Aeroも問題なく動作する。

 メインメモリはPC2-5300対応の1Gバイトで、200ピンのSO-DIMMモジュール2枚(512Mバイト×2)で構成される。最大容量は2Gバイトだが、増設時に標準装備のメモリモジュールが無駄になる点は覚えておきたい。HDDもノートPC用の2.5インチSerial ATAタイプだが、256MバイトのOneNAND型フラッシュメモリを搭載したハイブリッドHDDをいち早く採用しているのが光る。読み出し/書き込み速度が高速なOneNAND型フラッシュメモリを利用することで、起動時間の短縮やレスポンスの向上が期待できる。今回は試作機のためテスト結果を公表できないが、ベンチマークテストのスコアは良好だった。

 そのほかのハードウェアスペックは、スリムタイプのスロットイン式DVDスーパーマルチドライブ(DVD±R DL対応)にギガビットLAN、そしてIEEE802.11a/g/b対応の無線LANとなかなか充実している。

ht0704_vn02.jpght0704_vn03.jpght0704_vn04.jpg 左の写真は、背面のカバーを取り外したところ。横幅440ミリのボディ内部はゆとりがある。中央の写真は評価機に内蔵されていたハイブリッドHDDだ。右の写真は2基のSO-DIMMスロットとB-CASカードスロットで、背面から簡単にアクセスできる

PCの新しい利用スタイルを提案するVALUESTAR N

ht0704_vn05.jpg 取っ手のフレックスバーに設置するガジェットポケット。CDケースなら2枚、DVD-Videoのトールケースなら1枚入るスペースが用意されている

 ボディは光沢感のあるホワイトを中心に、シルバーのメッシュ加工が施されたスピーカー部の両脇をアルミダイキャスト製のスタンド兼フレックスバー(取っ手)がはさむデザインを採用する。背面のスタンドを動かすことでチルト角度の調整が柔軟に行えるほか、フレックスバーには携帯電話や光学メディアなどを収納できる「ガジェットポケット」を2個装着可能なのがユニークだ。設置時の奥行きは、最小チルト時で約160ミリと一般的なA4ノートPCの60%程度ですみ、付属の無線キーボードを本体下のスペースにすっぽりと収納可能と徹底的な省スペース性が追求されている。マウスも無線タイプで、無線LAN機能も標準で装備されているため、電源のACアダプタを除けば(地デジのTVチューナー内蔵モデルはアンテナケーブルも必要だが)ケーブルの配線に悩まされずに利用できるのがポイントと言える。重量も約4キロと室内の移動ならば苦にならない。ノートPCよりも必要な設置面積が少ないうえでノートPCに迫る可搬性を維持しつつ、それでいてデスクトップPC並の操作性を獲得しているのがVALUESTAR Nの真骨頂だ。

ht0704_vn06.jpght0704_vn07.jpght0704_vn08.jpg 全面的にノートPCのアーキテクチャを採用することにより、ボディ部分は約40ミリしかない(写真=左)。いかにも持ち運んで利用してほしいと主張する、フレックスバー(取っ手)のデザインも印象的だ。コネクタは両側面にびっしりと用意されている(写真=中央と右)。背面のスタンドは細かい角度調整が可能だ

ht0704_vn18.jpg Windows エクスペリエンス インデックスの画面

 なお、右側面にはDVDスーパーマルチドライブと輝度調整ダイヤル、USB 2.0ポートを、左側面にはメモリースティックPro/SDメモリーカード(SDHC対応)/xDピクチャーカード対応のメモリカードスロットと4ピンのIEEE1394ポート、TypeIIのPCカードスロット、マイク、ライン出力兼用のヘッドフォン、USB 2.0ポートが並ぶ。背面には有線LANと無線LANの電源スイッチ、そして2基のUSB 2.0ポート、DC入力があり、ケーブルの取り回しで頭を悩まされずにすむ。

 キーボードは、テンキー付きのフルサイズキーボードが採用されている。薄型でストロークが浅いノートPCライクなものではなく、通常のデスクトップ向けのキーボードなのでデスクトップPCからの買い換えでも違和感なく利用できるだろう。キーボード左上にはプログラマブルなワンタッチキーが4つあり、初期設定では左から順に「メール」「インターネット」「ソフトナビゲーター」「サポートナビゲーター」が起動するようになっている。この4つのワンタッチキーと本体前面右側の2個のワンタッチキーはいずれも「ワンタッチスタートボタンの設定」ツールを利用して、起動アプリケーションのカスタマイズが可能だ。キーボード右上には、消音と音量調整のボタン、電源スイッチが配置されている。マウスは、ホイール付きのワイヤレスマウスで、キーボードとマウスの裏には電池の消耗を防ぐための「オン/オフ」スイッチがある。

ht0704_vn09.jpght0704_vn10.jpg DC入力(下部左側)や有線LAN(下部右下)といった常時ケーブルを接続する必要がある端子は背面にまとまっている(写真=左)。キーボードとマウスともに無線タイプで、約3メートル離れたところまで利用可能だ

ht0704_vn11.jpght0704_vn12.jpght0704_vn13.jpg キーボードのワンタッチボタン(写真=左)と本体右前面にあるワンタッチボタンの設定画面(写真=中央)。ワンタッチボタンの起動方法も選ぶことができる(写真=右)。PC本体にハードウェアの音量調整ボタンがなく、キーボードに用意されている

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