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» 2007年06月15日 11時30分 UPDATE

ちょっと気になる入力デバイス:カ・イ・カ・ン……なホイールがお手ごろ価格で――ロジクール「MX620 Cordless Laser Mouse」

ユーザーに身近なキーボードとマウスは、星の数ほど発売されている。その中から、気になる一品を360度チェックする。

[王深紅,ITmedia]

切り替え式のスクロールホイールを搭載

ht_0706mx01.jpg MX620のパッケージ

 マイクロソフトと並んでワールドワイドで多彩な入力デバイスを販売しているのが、今回取り上げるロジクールだ(日本以外ではLogitechで展開)。その歴史は古く、GUIが普及するはるか以前からマウスを提供しており(ちなみに、アップルのLisaに付属してたマウスはLogitechのOEM品だ)、1991年には初めて無線技術を使ったコードレスマウスをリリースしている。そして2004年にはセンサーにレーザー光線を用いたMX1000を発表、2006年には小型モーターを内蔵し2通りのスクロールを利用できる「MX Revolution」を投入と、この分野ではスクロールホイールを開発したマイクロソフトとともに技術革新の先頭を担っているメーカーでもある。同社の3ボタンマウス「MouseMan」シリーズのお世話になったベテランのPCユーザーも多いのではないだろうか。

 さて、今回取り上げる「MX620 Cordless Laser Mouse」は、MX Revolutionと同時期にリリースされた「VX Revolution」のスクロールホイールを搭載した右手用の無線マウスだ。上記のRevolutionシリーズがフラッグシップだけに1万〜1万3000円前後と値段が高めだったが、このMX620はロジクールダイレクト価格で5980円と手ごろな価格で入手できる。

 本機に搭載されたホイールは、フリースピンモードとクリック・トゥ・クリックモードを内蔵の小型モーターで切り替える最上位モデルMX Revolutionではなく、底面の切り替えスイッチで行うVX Revolutionで採用されていたエンジンと共通だ。合金製のホイールは「MicroGearプレシジョンスクロールホイール」と呼ばれ、見ためにも重量感があるほか、中央部分にすべり止めのラバーを配置しており扱いやすい。

ht_0706mx02.jpg MX620の要となる「MicroGearプレシジョンスクロールホイール」

 注目のスクロールモードだが、フリースピンモードは文字通りホイールスクロール時のクリック感がなく、ホイールをスピンさせることで高速なスクロールが可能だ。1回でのスピン時間は最長7秒間で、その間のスクロール範囲はExcel文書で1万行にも及ぶという。これを従来のスクロールホイールで実行すると、約7分間もスクロールをし続けないといけないとのことで、それだけの長大なスプレッドシートを毎日扱っている人は少ないとは思うが、日々のスクロール時間を短縮できるのは間違いない。もう1つのクリック・トゥ・クリックモードは、ホイール回転時に確かなクリック感があり、細かな作業に向いている。

 このモードの切り替えは、VX Revolutionと同様に底面のスイッチで行う。モードを自動的に切り替えてくれるMX Revolutionのようなスマートさはないが、気軽にスイッチを扱えるので慣れてしまえば苦にならない。同社のWebサイトからユーティリティのSetPointをダウンロードすれば、アプリケーションごとに上下/左右のスクロール速度を指定したり、ゲームモード時の動作設定が可能だ。ちなみに、本製品にドライバCD-ROMは付属しないが、Windows Vista/XP(ともに64ビット/32ビット両対応)、Mac OS X(10.2.8以降)用のドライバが用意されている。

ht_0706mx03.jpght_0706mx04.jpght_0706mx05.jpg 向かって左が携帯性も備えたノートPC向け上位モデルのVX Revolutionで、隣がMX620だ(写真=左)。両モデルとも、底面中央部分にMicroGearプレシジョンスクロールホイールの切り替えスイッチが見える(写真=中央)。MX620は2本の単3乾電池で最長1年間の長時間駆動が行える(写真=右)。アルカリ電池だけでなくニッケル水素充電池などでも動作した

スタンダードなお手ごろマウス

 エルゴノミクスデザインを採用した形状は、成人男性の手にフィットするサイズで、黒とダークシルバーのツートーンカラーも渋い印象だ。両側面部分にはソフトなラバーコーティングが施され、グリップ感も良好である。

 ホイールを含めたボタン数は合計6個あり、左側面に2ボタンを備え、ホイールの左側にズームボタンを配置する。このズームボタンは、VX Revolutionのようなスライドスイッチではなく通常のボタンになっており、初期状態では「One-Touch Search」に割り当てられている。One-Touch Searchとは、検索したい言葉をマウスで反転表示してからズームボタンを押すと、好みの検索エンジン(5つから選択可)での検索結果を表示してくれる機能だ。左右のクリックボタンを除く4つのボタンは前述のSetPointでカスタマイズが行え、ズームボタンに「ドキュメント フリップ」を指定すれば、Vistaのフリップ3Dがワンタッチ(通常はWindowsキー+Tabキー)で呼び出せる。また、ホイールのチルト部分(左右のスクロール)にも音量調整や上下の自動スクロールなどの割り当てが行える。

ht_0706mx06.jpght_0706mx07.jpght_0706mx08.jpg 黒とダークシルバーのツートーンカラーを採用する(写真=左)。ホイールの左側にあるのがズームボタンだ。底面には電源スイッチやモード切り替えスイッチが並ぶ(写真=中央)。レーザーセンサーの位置が端に寄っているのが分かる。PCとの接続は2.4GHzデジタル無線で行われる。通信距離は約10メートルで、付属のUSBレシーバーは非常にコンパクトだ(写真=右)

ht_0706mx09.jpght_0706mx10.jpght_0706mx11.jpght_0706mx12.jpg ボディサイズは69(幅)×125.5(奥行き)×41.5(高さ)ミリで形状はスタンダードだ。重量は電池2本内蔵時で約160グラムと重たい部類に入る。ホイールを含めて6つのボタンを備える

 読み取りセンサーはMX1000で初導入されたレーザーセンサーで、PCとは2.4GHzデジタル無線で接続と、このあたりは上位シリーズを継承している。バッテリーは単3乾電池2本(1本での動作は不可)で、約1年間の動作が可能と長寿命なのも目を引く。付属のUSBレシーバーは全長41ミリ(USBポートに挿入すると出っ張り部分は29ミリ)、重量は約4グラムと従来機のMX610よりも小型になった。なお、レシーバーにLEDランプなどは用意されていない。

 一方で、MX610にあったメールおよびインスタントメッセンジャーの受信通知機能がなくなり、ボタン数も従来の10個から6個に減ったほか、カラーバリエーションも1つのみとなった点は残念な気もするが、何より快適なスクロールホイールエンジンを搭載しつつ、同社の直販価格で5980円とMX610登場時よりも500円安価になっているのは見逃せないところだ。

 クセのない形状とシンプルな操作性から、MX620は幅広い層に対応可能なスタンダードなマウスに仕上がっている。手持ちのマウスに不満を持つユーザーや、PCに付属してきたマウスからのステップアップを考えているユーザーに適した製品と言えるだろう。

ht_0706mx13.jpght_0706mx14.jpght_0706mx15.jpg ロジクール製マウスでおなじみのユーティリティ「SetPoint」(写真=左)。本製品にはドライバは付属せず、同社のWebサイトから別途ファイルをダウンロードする必要がある。ホイールのスクロール量や加速度は各アプリケーションごとに指定可能だ(写真=中央)。ゲーム時のマウスの挙動を設定することもできる(写真=右)

ht_0706mx16.jpght_0706mx17.jpght_0706mx18.jpg One-Touch Searchでは、検索エンジンをYahoo!LiveWords/Google Serch/Yahoo!Serch/Live.com Serch/AOL Serchの5つから選択可能で、言語も選べる(写真=左)。Windows Vista Home Premium以上利用時に「ドキュメント フリップ」をボタンに割り当てると(写真=中央)、ワンタッチでフリップ3Dが利用できるようになる(写真=右)

PC USER編集部Tのインプレッション

 両側面にあるラバーのおかげか、マウスのフィット感は申し分なく、手によくなじむ。ボタンのクリック感も適度で好印象な仕上がりだ。2つのスクロールモードを底面のスイッチで切り替えることを差し引いても、このクラスの製品で上位シリーズと同じホイールエンジンが使えるようになったのがうれしい。

 デザインも好みで、VX Revolutionに見劣りしない高級感がある。電池寿命が従来の3カ月から最長1年に延びたのも見逃せないところだ。ただ、底面のレーザーセンサーの位置が向かって左に寄りすぎているのが気になった。


PC USER編集部Hのインプレッション

 これまでは上位機だけの特権だった「MicroGearプレシジョンスクロールホイール」が、ミドルレンジクラスのマウスでも利用できるようになったのがうれしい。Mac OS用のドライバをはじめとして、Windows XPとVistaとも64/32ビット両方をサポートしているのも安心感がある。SetPointで細かなカスタマイズを行う必要があるものの、追い込めばかなりの作業効率アップが見込めるだろう。鏡やガラスといった極端な場合を除けば、たいていの場所で動作するレーザーセンサーも心強い。

 ただ、マウス自体がやや大きめなため手のサイズが小さめな人は持てあまし気味で、重量が電池込みで約160グラムと重いので好みが分かれそうな気がする。



 主なスペックは下記の通りだ。

製品名MX620 Cordless Laser Mouse
メーカーロジクール
インタフェース無線式(2.4GHz帯)
読み取り方式レーザー方式
カウント数800dpi
クリックボタン6(ホイール含む)
使用電池単3乾電池×2(1本動作不可)
連続動作時間約1年
到達距離約10メートル
外形寸法W69×D125.5×H41.5ミリ
重量約114/160グラム(電池含まず/含む)
対応OSWindows Vista/XP/Mac OS X 10.2.8以降
付属品レシーバー、単3アルカリ乾電池×2、簡易マニュアル
カラーバリエーション
保証期間5年

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