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» 2010年08月18日 10時45分 UPDATE

新旧モデルをじっくり比較:「UL20FT」を徹底検証する――5万円台の“即戦力”モバイルノートPC (1/4)

Netbook以降、安価で持ち運べるノートPCは当たり前になったが、性能、機能、携帯性のバランスが整った製品は非常に少ない。期待の「UL20FT」はどこまで使えるか?

[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

「UnLimited」なモバイルノートを目指して

tm_1008_ul20ft_01.jpg 「UL20FT」のシルバーモデル

 ASUSTeK Computer(ASUS)の薄型軽量ノートPC「UL」シリーズから、新モデルの「UL20FT」が登場した。コストパフォーマンス抜群のCULV(Consumer Ultra Low Voltage)ノートPCとして人気を集めた「UL20A」の後継機にあたり、基本システムをインテルの新世代・超低電圧版プラットフォームにリニューアルするとともに、独自機能の搭載で性能向上を図っている。

 ULシリーズには「UnLimited」の意味が込められており、CULV版のCPUを採用することに加えて、薄型、軽量、長時間のバッテリー駆動も兼ね備えた「求めやすい価格ながら何の制限もない」モバイルノートPCを目指したという。

 製品ラインアップは、2色のボディカラー(シルバー/ブラック)とOffice Personal 2010の有無で全4モデルを用意している。今回入手したのはボディカラーがシルバーで、Office Personal 2010が付属しないモデル「UL20FT-2X034V」(価格は5万9800円)だ。それでは、気になる性能や使い勝手を検証していこう。

新世代の超低電圧版Celeron+独自オーバークロック機能を搭載

 CPUは超低電圧版のCeleron U3400(1.06GHz)を採用する。これは低価格薄型ノートPC(いわゆるCULVノートPC)向けの新しい廉価版デュアルコアCPUで、モバイル向けのCore iシリーズ(開発コードネーム:Arrandale)をベースにしたものだ。メモリコントローラをCPUに統合しており、各コアで512Kバイトずつの2次キャッシュに加えて、2コアで共有する2Mバイトの3次キャッシュも内蔵している。グラフィックスコアのIntel HD GraphicsもCPU側に統合されているのが特徴だ。TDP(熱設計電力)は18ワットとなっている。

 ただ、新世代のアーキテクチャとはいえ、廉価版のCPUだけにHyper-Threading、Turbo Boostといった機能は省かれている。先代モデルのUL20Aが搭載していたCore 2 DuoベースのデュアルコアCPUである超低電圧版Celeron SU2300(1.2GHz、2次キャッシュ1Mバイト、TDP 10ワット)と比べて、性能差は微妙なところだ。

tm_1008_ul20ft_02.jpgtm_1008_ul20ft_03.jpg CPU-Z 1.55の情報表示画面。CPUは低価格薄型ノートPC向けの新CPUである超低電圧版Celeron U3400を搭載する。モバイル向けCore i5/Core i3と同じArrandaleコアのCPUで、2Mバイトの3次キャッシュを内蔵する。廉価版のCeleronブランドということで、Hyper-ThreadingとTurbo Boostには対応しない。省電力機能のEIST(Enhanced Intel Speedstep Technology)には対応しており、アイドル時/低負荷時には動作クロックと駆動電圧を下げて消費電力を節約する

 そのためか、ASUSでは「Turbo 33」テクノロジーとして、性能を最大33%引き上げるというオーバークロック機能を独自に搭載している。Windowsのデスクトップ上に専用のガジェットが用意されており、スライダ1つでオーバークロックのオン/オフを切り替えられる仕組みだ。切り替えの際には数秒間画面がブラックアウトするが、OSの再起動などは必要ない。

tm_1008_ul20ft_04.jpg デスクトップ上にはTurbo 33設定用のガジェットが用意されている。状態がいつでも確認でき、オン/オフの切り替えもスライダ操作で簡単に行なえる
tm_1008_ul20ft_05.jpg Turbo 33を有効にすると、このようなダイアログが表示される。「OK」を押すと数秒間画面が消え、設定を反映して復帰する。設定後のOS再起動などは不要だ

tm_1008_ul20ft_06.jpgtm_1008_ul20ft_07.jpg Turbo 33を有効にした状態でのアイドル時および高負荷時(Superπ実行時)のCPUの状態。ベースクロックが通常の133MHzから177MHzに引き上げられているのが分かる。それに伴い、最低クロック、最高クロックともに上昇しており、それぞれ約1062MHz、約1416MHzとなっている

グラフィックスはIntel HD Graphicsを利用、メモリは高速化

 超低電圧版Celeron U3400(1.06GHz)は、ほかのモバイル向けCore iシリーズ(Arrandaleコア)と同様に、GPUコアとしてIntel HD Graphicsを統合しており、本製品のグラフィックス機能もそれを利用している。

 Intel HD GraphicsはDirectX 10に対応し、MPEG-4 AVC/H.264のハードウェアデコード(同時2ストリーム対応)を含む、強力なHD動画再生支援機能を搭載しているのが特徴だ。GPUコアの動作クロックはTurbo Boost Technologyにより可変し、最低166MHzから最高500MHzまでの間で、負荷や温度の状況などに応じて変動する。

 チップセットにはIntel HM55 Expressを採用する。CPUに統合されたIntel HD Graphicsの出力機能を備えた定番のチップセットだ。

tm_1008_ul20ft_08.jpg 底面にあるネジで固定されたカバーを開くと、2基のSO-DIMMスロットと2.5インチHDDベイが現れる

 メインメモリはPC3-8500(DDR-1066) SO-DIMMに対応しており、容量は標準で2Gバイトを搭載、最大4Gバイトまで増設できる。底面のネジ止めされたカバー内にSO-DIMMスロットが2基用意され、標準ではそのうちの1基に2Gバイトのモジュールが装着済みで、1基が空いている。

 データストレージは2.5インチのSerial ATA HDD(5400rpm)を採用しており、容量は約320Gバイトだ。SO-DIMMスロットのカバーを開くと、HDDベイも現れる。

 UL20Aと比べると、CPUとチップセットが世代交代したほかは、メモリがPC2-6400からPC3-8500へと高速化しているが、メモリ容量、HDD容量ともに据え置きとなっている。なお、光学ドライブは搭載していない。

tm_1008_ul20ft_13.jpgtm_1008_ul20ft_14.jpgtm_1008_ul20ft_15.jpg 評価機のデバイスマネージャ画面。HDDはシーゲイトの「ST9320325AS」とある。回転数5400rpm、キャッシュ8Mバイトの9.5ミリ厚Serial ATA HDDだ

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