Eee PCの衝撃再び!?――ASUSが放つ“5万円台”CULVノート「UL20A」に迫るライバル機との比較も(1/4 ページ)

» 2009年11月16日 17時00分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]
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優れたコストパフォーマンスのCUVLノートがまた1つ

「UL20A」

 ASUSTeK Computer(ASUS)から登場した「UL20A」は、CPUにインテルのCULV版(コンシューマー向け超低電圧版)CPUを採用した、いわゆるCULVノートPCだ。ASUSが2009年10月に発表したWindows 7搭載CULVノートPCの新ラインアップ「UL」シリーズの売れ筋モデルに位置付けられる。ULには「UnLimited」の意味があり、CPUにCULV版CPUを搭載し、薄型軽量と長時間のバッテリー駆動も兼ね備えたモバイルノートPCをイメージしたものという。

 そのUL20Aだが、最大の特徴は非常に高いコストパフォーマンスにある。質感にもこだわったボディに、デュアルコアのCULV版Celeron、画面解像度1366×768ドットの12.1型ワイド液晶ディスプレイを詰め込み、実売5万円台という低価格を実現しているのだ。Windows 7の発売に合わせて、各社が続々とリリースしているCULVノートPCの中でも注目度の高い製品に違いない。

CULV版CPU搭載/10万円以下ノートPCのレビュー記事


天面にアルミニウムを採用したスリムボディ

ボディはシルバーとブラックのツートンカラーで、天面には細かいヘアライン加工が施されている

 天面をヘアライン加工のアルミニウムで仕上げたボディの外観は、先に発売された「UX30」の小型版という印象だ。とはいえ、UL20Aのサイズは296(幅)×210(奥行き)×12.1〜25.9(高さ)ミリ、重量は約1.56キロ(実測では約1.53キロ)となっており、フットプリントこそ小さいものの、13.3型ワイド液晶を搭載するUX30よりも少し厚みがあって、重量も160グラムほど重い。薄型軽量化やデザインへのこだわりが強いUX30に対し、より低い価格帯のUL20Aは、価格競争比を高めるためにそれほど無理をしない設計としたようだ。

 もっとも、UL20Aのデザインがよくないかといえば、決してそういうことはない。UX30のように側面の端子類をカバーで隠すといった徹底ぶりは見られないものの、底面の手前側や両側面の端を緩やかに絞ったスリムなスタイル、高級感のある天面の仕上げ、パームレストにあしらわれた細かなデザインパターン、アイソレーションタイプのデザインを採用したキーボードなど、従来のノートPCで培ったノウハウを生かし、見た目よくまとめている。ボディの剛性感もしっかりしており、「いかにも安物」という印象はまったくない。むしろ他社のNetbookやCULVノートPCと比較するならば、アドバンテージになるといってもよいだろう。

 また、デザインに極端にこだわっていないぶん、バッテリーが着脱可能になっていることや、底面にはメモリやHDDへ簡単にアクセスできるカバーが設けられているなど、UX30に比べると実用面ではプラス要素も多い(UX30はバッテリーを着脱できず、メモリやHDDにアクセスするのに分解が必要になる)。

 背面に搭載するリチウムイオンバッテリーの容量は47ワットアワー(10.8ボルト/4400mAh)で、公称のバッテリー駆動時間は約7.4時間と十分に長い。標準で付属するACアダプタも実測でのサイズが約35(幅)×88(奥行き)×26(高さ)ミリ、ケーブル込みでの重量が約215グラムと小型軽量にまとまっている。

背面にリチウムイオンバッテリーを配置する(写真=左)。付属のACアダプタはコンパクトだ。底面にあるネジで固定された小さなカバーを開くと、2基のSO-DIMMスロットと2.5インチHDDベイが現れる(写真=右)

CULVノートPC定番の基本スペック

CPU-Z 1.52.2の情報表示画面。CPUはデュアルコアのCULV版Celeron SU2300を採用する。消費電力の目安となるTDPは10ワットだ

 基本スペックは、低価格CULVノートPCとして標準的な構成だ。CPUにはデュアルコアのCULV版Celeron SU2300(1.2GHz/2次キャッシュ1Mバイト)を搭載し、チップセットにはグラフィックス機能を統合したIntel GS45 Expressを用いている。

 チップセット内蔵グラフィックスコアのIntel GMA 4500MHDは、H.264/VC-1/MPEG-2のハードウェアデコード機能を含むHD動画の再生支援機能を内蔵している。これにより、Windows 7の標準メディアプレーヤーであるWindows Media Player 12などで、Blu-ray DiscタイトルやAVCHDムービーを低いCPU負荷でスムーズに再生可能だ。

 メインメモリはPC2-6400 DIMMに対応し、容量は標準で2Gバイト、最大では4Gバイトまで増設できる。底面のカバー内にメモリスロットは2基あり、標準でそのうち1基に2Gバイトのモジュールが装着済みで、残り1基が空きスロットとなっている。データストレージにはSerial ATA対応の2.5インチHDD(5400rpm)を採用しており、容量は320Gバイトとなる。DVDスーパーマルチなどの光学ドライブは内蔵しない。

 通信機能は、IEEE802.11b/g/nの無線LANとBluetooth 2.1+EDRを装備する一方、有線LANはギガビットLAN(1000BASE-T)ではなく、100BASE-TXまでのサポートとなる。本体装備の端子類は左右側面にまとめて配置されており、3基のUSB 2.0、有線LAN、ヘッドフォン、マイク、アナログRGB出力、SDメモリーカード(SDHC対応)/メモリースティックPRO対応スロットといった構成だ。Netbookとほぼ同レベルだが、最低限の実用性は確保されているといえる。

 3基のUSB 2.0を左右に分けて配置し、頻繁に着脱しがちなメモリカードスロットを前方に、DC入力や有線LAN、アナログRGB出力など一度接続したら長時間そのままの状態が多い端子を後方に配置するなど、インタフェースのレイアウトも無難だ。

 ちなみに、盗難防止ワイヤー用ロック穴(ケンジントンロック)はなく、代わりにストラップを通すような穴が用意されている。ケンジントンロックを利用する法人ユースには都合が悪いだろうが、コンシューマー向けの製品であることを考えれば、大きな問題ではないかもしれない。

前面にインタフェースはなく、底面側にステレオスピーカーが内蔵されている(写真=左)。背面はバッテリーで占有される(写真=右)

左側面に排気口、2基のUSB 2.0、ヘッドフォン、マイクの端子を配置(写真=左)。右側面にはメモリカードスロット、USB 2.0、アナログRGB出力、有線LAN、ACアダプタ接続用のDC入力が並ぶ(写真=右)

UL20Aのデバイスマネージャ画面。今回入手した機材の2.5インチSerial ATA HDDはHGSTの5400rpmドライブ「HTS545032B9A300」だった

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