OSには64ビット版のWindows 7 Home Premiumをプリインストールしている。32ビット版のWindows 7では、UL20Aのメモリを最大の4Gバイトに増設しても実質3Gバイト前後しか使えないのに対し、64ビット版ならば4Gバイトすべてを生かすことができるメリットがある。また、CPUに搭載された64ビット専用のレジスタ(計算に使うデータを一時的に記憶しておく場所)も使うことができるため、64ビットに最適化されたアプリケーションならば、その部分でも性能向上が期待できる。
Windows Vistaの時代でも2008年後半辺りから、ハイエンド製品を中心に64ビット版OSを積極的に採用する動きが見られたが、Windows 7からはさらに幅広く普及することが期待されている。新しいOSの導入というタイミングは、64ビット化に踏み出すきっかけとしてちょうどいいだろう。
ただ、64ビット版では32ビット版と別のカーネルを採用しているため、ソフトウェアや周辺機器の互換性には注意する必要がある。これも数年かけて改善が進んでおり、コンシューマーユーザーならほとんど問題ないといえるレベルまで来てはいるが、使い慣れたソフトウェアや周辺機器があるユーザーは念のために確認しておいたほうがいい。
液晶ディスプレイには、LEDバックライトの採用により薄型省電力化した12.1型ワイドパネルを採用している。CULVノートPCには11.6型ワイドというサイズの液晶ディスプレイを搭載する製品も多いが、それより少し大きい。画面解像度は1366×768ドットと大型の据え置き型ノートPCと比べても遜色がない。最近増えている低価格のCULVノートPCとしては、定番的な解像度となっている。
Windows 7では、標準状態でのタスクバーが太く、アイコンサイズが大きく、またフォントも見やすくなっているので、特にドットピッチが狭いと感じることはなく、むしろストレスなく利用するにはこのくらいの解像度があったほうが使いやすい。いまだに10型ワイド/1024×600ドットという表示環境が多いNetbookに対しては、大きなアドバンテージといえる。
パネルの表面は光沢仕上げなので、発色がクッキリと鮮やかな一方、暗い色を表示させたり、照明が直接当たるような場所では少し映り込みが気になる。輝度や視野角はこの手のモバイルノートPCとして標準的なレベルで、特に可もなく不可もない。液晶ディスプレイのヒンジの角度は約135度まで開き、ヒザの上など低い位置に本体を置いて使う場合も大きな問題はないだろう。
なお、液晶フレームの上部には30万画素のWebカメラとデジタルマイクを、底面の前寄りにはAltec Lansing Technologies製のステレオスピーカーを内蔵している。サラウンドサウンド技術の「SRS Premium Sound」にも対応しており、これを有効にするとグッと立体感が出て、迫力あるサウンドが楽しめる。
キーボードは、キー同士の間隔を広くとり、キーボードユニット表面にキートップのみを露出させた、いわゆるアイソレーションデザインを用いている。ASUSがこれまでにも積極的に採用し続けている、おなじみのデザインだ。
実測でのサイズはキーピッチが約18ミリ、キーストロークが約2ミリだった。主要キーのサイズは約15×14ミリ、F1〜12キーのサイズは約13×10ミリと小さめだが、キー同士の間隔は縦横ともに3.5ミリ程度あるので、タイプミスの心配は少ないだろう。利用頻度の高いスペースバー(約58×14ミリ)、BackSpaceキー(約28×14ミリ)、Enterキー(約27〜31×31.5ミリ)も大きく確保されており、配列も比較的素直で打ちやすい。
タッチ感については、スイッチの反発が多少強いが、キビキビしたクリック感があっておおむね良好といえる。ただ、強くタイプすると中央付近でキーボードユニットが少しだけたわむ。
光沢仕上げのパームレストは長さが60ミリ程度あり、両手を置くスペースは十分にある。このパームレストは、直下に発熱しやすいパーツを内蔵せず、高負荷時でも熱くなりにくいという「ASUS Ice Cool Design」を採用することで、文章入力時に不快な熱を感じないよう配慮しているのもポイントだ。
ポインティングデバイスには2ボタン一体型のタッチパッドを装備している。パッド領域はパームレストと一体化しており、ディンプル加工で表現されている。
タッチパッドにはシナプティクスの多機能ドライバ(V7.2)が導入されており、パッドの右辺/下辺を利用した縦横のスクロール機能のほか、2本指の開閉による「つまみズーム」、パッドの端に到達しても指を離すまで同じ方向にポインタを動かす「エッジモーション」といった機能が標準で有効となっている。
パッドのサイズは54(横)×33(縦)ミリと必要十分なサイズだが、ディンプル加工が施されているため、滑りはいまひとつで、つまみズーム機能などは少々使いにくい。一体化された左右のクリックボタンは左右の端を狙って押し込む必要があり、スイッチの感触もやや重く感じる。
キーボード左奥のボタンは、電力管理機能「Power4Gear Hybrid」のモード切り替えに利用する。電源オフ時に押すと、LinuxベースのインスタントOS「Express Gate」が起動する仕組みだ。起動時間は約8秒とWindows 7よりも圧倒的に高速に起動し、WebブラウズやSkypeなどが楽しめる。
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