レノボ・ジャパンのキーボードと聞くと、大和研究所の「作品」といってもいい歴代ThinkPadの秀逸なキーボード群を思い浮かべるかもしれない。が、まったく毛色の違うユニークなキーボードが2010年12月に同社から発売された。それがこの「ミニワイヤレスキーボードN5901」だ。
片手で握りやすいようにグリップが付いた曲線的なコンパクトボディには、QWERTY配列の日本語キーボードとAVコントロールなどに使うワンタッチボタン、トラックボール、左右のクリックボタンを搭載しており、これ1つでPCの操作がまかなえる。
見ての通り、キーボードは非常に小さく、ガッツリ長文を入力するような用途には向いておらず、ポインティングデバイスをメインに使いつつ、パスワードや検索キーワードの入力、ちょっとした短文の書き込み程度で簡易的なキーボードとして使うというスタイルがしっくり来るだろう。
名前の通り、付属のUSBレシーバーを接続したPCから離れた場所で操作できるため、映像コンテンツやWebブラウザを画面に表示しつつ、ソファにもたれたり、寝ころんだりしながら、片手で手軽に多機能リモコンっぽく操作するのに適している。また、外出先でプレゼンをする際、プロジェクターで投写した画面の近くで説明しながら、手元に持ったこの製品で、PCを遠隔操作するといった場面にも使えそうだ。
それでは、N5901を詳しく見ていこう。「T」の字を丸めたような曲線的なボディは、本体サイズが135(幅)×126(奥行き)×27(高さ)ミリ、重量が約130グラム(電池を含む)で、搭載する機能を考えると、小型軽量にまとまっている。
試しに重量を実測したところ、電池とUSBレシーバーを入れた総重量で125グラムと公称値よりわずかに軽かった。USBレシーバーは装着時に先端が7ミリほど出っ張るだけで、重量は2グラムだった。このコンパクトなレシーバーならば、PCのUSBポートに差しっぱなしにしても、じゃまにならないだろう。
ボディカラーはブラックで統一されており、左右クリックボタンを含む表面カバーが光沢仕上げ、キーボードとワンタッチボタンがマット仕上げ、背面がラバー風の仕上げだ。トラックボールの縁は鏡面シルバー、左上のボタンとキーボードの一部刻印はオレンジの配色で、デザインのアクセントになっている。光沢仕上げのトラックボール周辺部は指紋が目立ちやすいのが少し気になるが、片手でしっかりグリップでき、背面のしっとりした質感がよく手になじむ。
電源は単四乾電池2本を利用し、ツメで固定された背面下部のカバーを外すことで、着脱することが可能だ。ここには、USBレシーバーを収納するためのスロットも用意されており、携帯時にレシーバーごと収納して持ち運べる。USBレシーバーは2.4GHz帯の無線方式を採用しており、最大約10メートル離れた場所から操作可能だ。背面には未使用時に消費電力をカットする電源スイッチも用意されている。
パッケージにはドライバディスクなどは用意されない。対応OSであれば、USBレシーバーを装着しただけで、OS標準のドライバが組み込まれてすぐに利用可能になる。対応OSはWindows Vista/7とされているが、今回試した限りではWindows XP(SP3)、Mac OS X Snow Leopard、さらにはプレイステーション 3でも一通り動作した(Macでの利用はキーボードショートカットの設定をカスタマイズしたほうがよいだろう)。とはいえ、USBレシーバーを用いるため、接続できる機器が限られるのは少々惜しいところだ。
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